「スピーカーフォン」とは、主にビデオ会議用システムに組み合わされて利用されてきた外付けのスピーカー&マイクのことだ。最近では、コンパクトで低価格なモデルが単体でも販売されるようになっており、テレワークで自宅などからビデオ会議に参加しなければならないユーザーに人気がある。

今回紹介する「AIノイズ キャンセリング スピーカーフォン SP3022」(以降はSP3022)も、そうしたスピーカーフォンの一つだ。Web会議用アプリ「Microsoft Teams」で快適に利用できることを保障するMicrosoft Teams認証を受けた高性能なスピーカーフォンであり、複数のユーザーとスムーズに会話できる「AIノイズキャンセリング機能」や、「フルデュープレックスオーディオ」に対応する。

  • Microsoft Teams認証を取得したスピーカーフォン「AIノイズ キャンセリング スピーカーフォン SP3022」。直販価格は13,860円

    Microsoft Teams認証を取得したスピーカーフォン「AIノイズ キャンセリング スピーカーフォン SP3022」。直販価格は13,860円

物理ボタンを搭載、高精度なノイズキャンセル機能が便利

SP3022では、細長い横長の筐体を採用しており、左右にステレオスピーカーを装備する。一般的なスピーカーフォンでは、シンプルなモノラルスピーカーシステムを採用することが多いが、SP3022はステレオスピーカーなので音質が高く音域も広い。

実際に音楽配信サービスで楽曲を再生してみたところ、一般的なスピーカーフォンと比べると透明感のある高音域と厚みのある中音域が印象的だ。デル・テクノロジーズ製の周辺機器をまとめて制御するユーティリティ「Dell Peripheral Manager」からは、音質の調整も可能になっている。

  • 横長の筐体を採用し、左右にスピーカーを装備する

    横長の筐体を採用し、左右にスピーカーを装備する

  • Dell Peripheral Managerから音質を調整する機能もある

    Dell Peripheral Managerから音質を調整する機能もある

スピーカー前面にはいくつかのタッチボタンがある。一番左にあるのは、Microsoft Teamsを起動するボタンで、そのほかにはビデオ会議に参加したり、音量調整やマイク機能をミュートしたりできるボタンを装備している。アプリの画面からでもこうした機能は利用できるが、マウスやキーボードを操作せずに手元のSP3022から操作できるため、なかなか便利な機能だ。

ケーブルは直付けタイプで、コネクタ部分にはType-C形状への変換コネクタが付属している。最近ではType-C形状のポートしか装備していないノートパソコンも登場しており、そうしたノートパソコンとの接続で便利な機能だ。またケーブルは背面のスリットに巻き付けて長さを調整できるようになっており、狭い場所でも余ったケーブルがジャマにならない。

  • 白いタッチボタンを装備しており、各種操作を簡単に行える

    白いタッチボタンを装備しており、各種操作を簡単に行える

  • 背面のケーブルを背面のスリットに巻き付けて長さを調整できる

    背面のケーブルを背面のスリットに巻き付けて長さを調整できる

  • ケーブルは一般的なUSBコネクタだが、Type-Cの変換アダプタが付属する

    ケーブルは一般的なUSBコネクタだが、Type-Cの変換アダプタが付属する

AIノイズキャンセリング機能は、名前の通りAIを利用して周囲のノイズレベルを下げる機能である。例えばノイズキャンセル機能を装備していない低価格なノートパソコンの内蔵マイクだと、ビデオ会議中に家庭内のさまざまな環境ノイズを拾って相手に伝えてしまう。

相手や自分の声が聞こえ難くなるし、ハウリング現象で雑音が大きくなり、相手に悪印象を与えてしまうことも多い。しかしSP3022では高精度なAIノイズキャンセリング機能を搭載しており、こうしたノイズを劇的に低減してくれる。

実際にSP3022をパソコンに接続し、Microsoft TeamsやZoomを利用してビデオ会議を行ったところ、エアコンや空気清浄機の連続的な動作音はもちろん、自室の窓を閉めても聞こえてきたやや低めの芝刈り機の音、トラックのエンジン音などもスッと消えた。

ビデオ会議に参加しているユーザーに確認しても、そうした環境音のノイズはまったく感じず、ビデオ会議中はほぼユーザーの声しか聞こえてこないという結果となった。ノイズキャンセリング機能付きのスピーカーフォンはいくつか試しているが、そうした中でも効果はかなり高い。

もう一つビデオ会議で便利なのが、冒頭でも紹介したフルデュープレックスオーディオ機能への対応である。これは、ビデオ会議に参加している複数のユーザーが、同時にしゃべっても問題なく会話できる機能のことだ。

この機能に対応していないマイクやスピーカーフォンでは、自分がしゃべっているときは相手の声はミュートされてしまう。もちろん相手側でも同じ状況になり、複数のユーザーが参加するビデオ会議では言葉が伝わり難くなることがある。

しかしSP3022を利用している場合、相手の声にかぶせるようにしてしゃべっても相手の声や自分の声がミュートにならないため、きちんと会話が成立する。ビデオ会議のマナー的にはあまりよくない行為ではあるにせよ、会話が聞こえなくなってしまうよりはいいし、なによりも普段の会話に近い感覚でビデオ会議が利用できるのは嬉しい。

ビデオ会議がさらに快適になる

SP3022が搭載するような高度なノイズキャンセル機能を、マイクやスピーカー、搭載するユーティリティの組み合わせで利用できるようにしているパソコンも増えてはいる。しかし、そうしたパソコンを利用しているユーザーばかりではない。またCPU側で処理を行う場合は、それなりにCPUへの負荷も高くなる。

またフル デュープレックスオーディオ機能については、1万数千円台のスピーカーフォンで対応している製品はまだ少ない。そうしたことを考えると、SP3022のメリットは非常に大きい。ビデオ会議のクオリティを高めたいなら、是非とも導入を考えたい機器の一つと言ってよいだろう。

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原稿 竹内亮介

監修 デル・テクノロジーズ株式会社 マーケティング統括本部
   広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也

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