HRTechへの期待が大きく高まっている。構造的な労働力不足への対応や将来的なビジネス発展を担う人材の育成には、テクノロジーを活用した人事業務の効率化や、タレントマネジメントを中心とした人材育成が不可欠になりつつあるためだ。そうしたなか、HRTechを活用した「人事部門の働き方改革」と「従業員と企業の持続的成長」の重要性を指摘するのが、HRTechソリューションを展開するOne人事だ。2024年10月18日に開催されたイベント「第2回 HR Leaders CAMP 2024」に登壇したOne人事 HRTech SaaS事業部 事業部長 宮原一成氏のメッセージをお届けする。
労働人口が減り続ける今、「従業員や企業の持続的成長」が求められる時代に
労働環境が大きく変化し、人事部門に求められる役割は大きく変化している。かつてのように新卒を一斉採用し定年まで勤務、残業もいとわないといった形態は、今やまったく通用しなくなった。転職が一般化し、中途採用が増加、働き方も時間・場所ともに大きく変わった。
そうしたなかで企業は人材不足に悩み、採用と、長期雇用を前提とした人材育成の難しさに頭を抱えている状況だ。一方で、日々の業務はますます複雑化し、人材確保や育成を担う人事部門の業務も非常に多岐にわたるようになった。宮原氏は、人事部門が置かれている現在の状況をこう説明する。
「ここ数年で、人事の世界では新しい取り組みが次々と生まれています。人的資本、ジョブ型雇用、リスキリング、アルムナイ、D&Iなどです。人事部門は、目の前の業務を日々こなしながら、こうした多岐にわたる取り組みを考慮する必要があります。15〜64歳までの人口割合が2070年には全人口の52%まで減少することが見込まれ(第3回社会保障審議会年金部会より引用)、人事部門の人数も減少していきます。加えて、株主や投資家などの外部ステークホルダーからは、持続的成長がますます求められるようになっています」(宮原氏)
そうした状況を打破するうえでカギとなるのが「労働生産性の向上」だ。すでに企業はさまざまな取り組みを進めているが、宮原氏は、労働生産性向上にあたって大きく2つのアプローチがあると指摘する。
「1つは、勤怠や人材情報などの『管理』に費やされている時間を減らし、現場部門への『支援』に使える時間を増やすことです。もう1つは『支援』そのものを充実させることです。働き方の改善や能力・意欲の向上を支援していくために、さまざまな従業員データを活用し、現場部門のビジネスパートナーとして事業成長を支援するアプローチがあります」(宮原氏)
労働生産性を向上させる2つのアプローチ
前述した労働生産性を向上させる2つのアプローチは、人事業務における量的な取り組みと質的な取り組みと言い換えることができる。
具体的な方法として、管理業務そのものを「なくす」ことや、管理業務の仕組みを変えて「効率化する」ことが挙げられる。また、テクノロジーを活用して管理業務を「自動化」したり、管理業務を外部に「委託」したりする方法もある。
「ただ管理業務そのものをなくすことはできませんし、AIなどの最新技術を使った自動化の取り組みにもまだ課題が残ります。現実的な選択肢としては、『効率化』や『委託』を進めていくことが考えられるでしょう」(宮原氏)
一方、支援の質を高めるにあたってポイントとなるのは、従業員データの活用だ。
「従業員データの活用には大きく3つのステップがあります。ステップ1は、スキルや評価、残業や有給取得など従業員に関するあらゆる情報を『入力する』こと。ステップ2は、社内に点在している従業員データの加工や集計を行うために一箇所に『集約する』こと。ステップ3は、従業員の成長支援や適材配置などを行うために集約されたデータを『活用する』ことです。ポイントは、活用目的の明確化、従業員の入力負荷の軽減、集計の設計です」(宮原氏)
「従業員と企業の持続的成長」を支援するために必要不可欠な仕組みとは
「日本の人事DXを一気通貫に」をビジョンに掲げ2008年に設立されたHRTech企業のOne人事は、HRTech SaaS事業、PublicHRソリューション事業、DX事業(システムエンジニアリング・DX支援)の3つを柱とする。
同社では「難しい人事をなくす」をミッションに、管理と支援の2つのアプローチを実践できるよう、SaaS形式のHRテック(HRTech)ソリューション「One人事」を提供している。
「労務管理・勤怠管理・給与計算から人事評価、スキル管理、人材育成・配置、エンゲージメント、離職防止のタレントマネジメントまで一気通貫で支援できることが特徴で、中小企業から従業員数1万人以上の大手企業、官公庁、自治体、独立行政法人まで、多くの実績があります」(宮原氏)
ユーザーニーズをスピーディーに製品に反映させる製品開発力に定評があり、グループ従業員のうち7割がエンジニアで、2023年は1年間で150以上の新機能をリリースしたという。また、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に対応するなど、セキュリティや信頼性確保の取り組みは、第三者機関からも高く評価されている。
「現在多くの企業が、業務ごとに複数のシステムを利用しデータが点在している関係で、管理工数が多くなっています。このような状態は、利用者(従業員)、管理者(人事部門)、経営者といった社内のステークホルダーにとって『負』の側面が大きいです」(宮原氏)
例えば、ユーザーインタフェースや操作性がバラバラになることで、利用者の負担になり、不満にも繋がるだろう。管理者にとっては、システムごとにデータベースがあるため、入退社や異動のたびに重複作業が生じ非効率だ。さらに、経営者にとっても、バラバラのデータにより部分最適な意思決定になり、判断のスピードが遅くなる。
「こうしたなか、管理工数を減らし、一元化された従業員データを活用して戦略的な支援を実施していく仕組みが不可欠になってきました」(宮原氏)
人材情報を一元管理することで、人の育成と成長を支援できる「One人事」
管理工数を減らし、一元化された従業員データを活用して戦略的な支援を実施することは、従業員、人事部門、経営者にさまざまなメリットをもたらす。
「例えば、従業員にとって使いやすいシステムを提供することで、従業員の生産性向上と満足度向上につながります。また、人事部門にとっては、1つのデータベースを利用することで登録や変更作業が1度で済み、戦略的業務に時間を割けるようになります。さらに、経営者にとっては、経営資源の1つであるヒトに関する情報が一元化されることで、人の成長、生産性や満足度向上につながるスピーディーな経営判断が可能になります」(宮原氏)
従業員、人事部門、経営者の三方よしの実現にあたり「One人事」は、人材管理・タレントマネジメントに強みを持ちながら、主要な人事業務をワンストップで提供しつつ、従業員の教育や育成を担うシステムとして人と企業の持続的成長に寄与するという。
「生産性向上に向けたアプローチとして『管理を減らす』『支援を充実させる』の2つがあるとご紹介しました。ソリューションとしてのOne人事は、従業員の入力負荷を軽減するとともに管理作業を効率化し、支援に投下できる時間を増やすことで、リアルタイムデータを使った支援の実現に寄与します」(宮原氏)
そのうえで宮原氏は、持続的な成長に向けたステップには「棚卸と計画策定」「ツールの統合・集約」「従業員の成長支援」の3つがあると指摘し、それぞれにおける取り組みのポイントをこう解説した。
「まずステップ1で理想の状態を決め現状とのギャップを整理し、ステップ2では時間の創出と従業員データの一元化に取り組みます。さらにステップ3で、データ活用による能力・意欲向上、適正配置などに取り組むという、これらのサイクルを回し続けることが重要です」(宮原氏)
環境が大きく変化するなか大きな期待が寄せられる人事部門。One人事のようなHRTechソリューションを活用して、人と企業の持続的成長を実現していきたい。
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