• (写真)マネーフォワードのロゴと集合写真

従業員数が数百人~千人を超える企業の労務担当者にとって、年末調整は負担の大きな業務だ。マネーフォワードでは、年末調整の書類配布から入力・回収・提出までをクラウド上で完結できるサービスとして「マネーフォワード クラウド年末調整」をリリースしているが、同製品を自社に導入し、年末調整業務のクラウド化を実現している。

本稿では、同社の年末調整業務を担う人事労務部と、プロダクト開発を担うHRソリューション本部に話を伺い、年末調整業務のクラウド化がもたらすメリットや、労務担当者が知っておきたい「これからの年末調整のあり方」について確認していく。

従業員・労務担当者双方にとって、大きなストレスとなる「年末調整」のクラウド化に着手

経理や人事労務向けに多様なクラウドサービスを提供しているマネーフォワードでは、自社プロダクトの社内導入も積極的に行っている。同社のPeople Forward本部 人事労務部においても同様で、「マネーフォワード クラウド勤怠」「マネーフォワード クラウド給与(以下、クラウド給与)」を皮切りに「マネーフォワード クラウドマイナンバー」などの導入を進め、2021年にはリリースされたばかりの「マネーフォワード クラウド年末調整(以下、クラウド年末調整)」の導入を決定。年末調整業務のクラウド化を推進している。

クラウド年末調整の導入・運用に携わった、マネーフォワード 人事労務部の榑松 真由美 氏は、年末調整業務において同社が抱えていた課題と、クラウド化を推進した理由について以下のように語る。

「私が入社した2020年2月の段階では、給与計算や年末調整の業務は社外に委託していました。年末調整業務においては、書類の回収と一次チェックまでを人事労務部で対応し、その後の工程は外部に任せるというフローを採用していましたが、従業員数が年々増えてきたこともあり、書類の回収と確認にかかる負担が大きくなってきました」(榑松氏)

「また従業員からの頻繁な質問に回答したり、添付書類を含めて内容をチェックしたりする必要もあったため、年末年始の業務時間はかなり長くなっていました。従業員目線でも、年末調整の書類作成は面倒な作業なため、人事労務部から提出依頼がくると心理的負担を感じるという声が多く、人事労務部の担当者と従業員双方の負担軽減を目指して、年末調整業務のクラウド化に着手しました」(榑松氏)

  • (写真)話をする榑松真由美氏

    株式会社マネーフォワード People Forward本部 人事労務部 副部長 榑松 真由美 氏

クラウド化を決定した段階では、自社プロダクトのクラウド年末調整はリリースされておらず、2020年度は他社製のクラウド型年末調整ソフトを採用。書類配布から入力・回収までをクラウド上で行い、その後の工程は従来同様外部に委託していたという。

2年目となる2021年度は、リリースされたばかりの自社プロダクト、クラウド年末調整を導入し、それに合わせて外注していた工程の内製化を決定。従業員への告知から回収・チェック・計算・申告まですべてのフローを人事労務部の担当者が行う仕組みを採用した。

「2021年の夏くらいに、今年度は自社のクラウド年末調整を使うことを決定しました。同年9月下旬から仕様やマニュアルの確認を行い、どのようなプロセスで進めていくかを検討しました。一部の機能については開発サイド(HRソリューション本部)にリクエストを出し、そのリリースを待ってから社内に告知し、回収・チェックを進めていきました」(榑松氏)

「従業員からは、アンケートに回答する形式で申告書を作成できるので、紙の書類に記入するよりも心理的負担が少なくなったという声も聞こえ、クラウド化の効果を実感できました。人事労務部にとっても、これまで外注していた部分を内製化することで工数自体は増えましたが、その分、従業員からの質問が減り、回収した申告書の内容を給与システムに手入力する手間もなくなったため、全体としては大幅な業務効率化が図れています」(榑松氏)

リリースされたばかりの自社プロダクトを導入。開発サイドとの連携で機能強化を図る

マネーフォワードが提供するクラウド年末調整は、「クラウド給与」という同社の給与計算サービスに含まれていた年末調整の機能を切り出し、独立したプロダクトとして構成したサービスである。開発を担当したHRソリューション本部 副本部長の有働 卓真 氏は、クラウド年末調整を単体のプロダクトとして提供した背景をこう解説する。

「年末調整業務をクラウド化したいが、運用中の給与計算ソフトは継続して使いたいというニーズに応えるために、弊社のクラウド給与から年末調整機能を切り出し、クラウド年末調整という単体のサービスとしてリリースしました」(有働氏)

「お客様への提供開始と同じタイミングで、自社の人事労務部にも採用してもらいました。初年度はまだプロダクトとして完成したばかりの状態で、そのなかで一番近いユーザーとして意見をもらえることは、サービスの改善を図るうえでも非常に有効と感じました」(有働氏)

  • (写真)話をする有働卓真氏

    株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニー HRソリューション本部 副本部長 有働 卓真 氏

クラウド年末調整のプロダクトマネージャーである、HRソリューション本部 プロダクト戦略部の大路 喜紀 氏も「他社のクラウド型の年末調整ソフトは、紙で回収していた作業をオンライン上で行えるようにしたものや、給与計算ソフトの1機能としてセットで提供されるものが主流でした」と説明。

回収から年末調整の税額計算までをカバーし、既存の給与計算ソフトを変えることなく年末調整業務をクラウド化できる同プロダクトは、企業のニーズに幅広く対応できるサービスに仕上がっていると力を込める。

  • (写真)話をする大路喜紀氏

    株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニー HRソリューション本部 プロダクト戦略部 プロダクトマネージャー 大路 喜紀 氏

実際にクラウド年末調整を導入・運用した榑松氏は、クラウド化のメリットについて次のように語る。

「年末調整業務をクラウド化するメリットは多岐にわたりますが、なかでも大きなメリットと捉えているのは『従業員にとってわかりやすく、負担をかけずに提出してもらえること』です。先に述べたとおり、年末調整は従業員の多くがストレスを感じており、締切りギリギリに提出したり、中には締切りを過ぎてから出してきたりするケースも少なくありませんでした」(榑松氏)

「これをクラウド化したことで記入の負担が減り、締切り後に提出する従業員は減少しました。また、人事労務担当者にとっても、質問に答えたり、記入方法をレクチャーしたりする時間が大幅に削減されたことは見逃せないメリットといえます」(榑松氏)

とはいえ、リリースしたばかりのクラウド年末調整を採用した1年目(2021年度)は、さまざまな課題が顕在化していたと榑松氏。「当初はUIがわかりづらく、想定外の挙動にとまどいもありました」と当時を振り返る。

1年目は800人程度の従業員を対象に、人事労務部の担当者5~6人で対応。そのなかで、年末調整の計算・申告までを経験したメンバーは2名だけで、外注していた業務も含めた役割分担に苦労したと榑松氏は話す。1年目に関してはUIの改善などのフィードバックはなかったものの、必要な機能リクエストは行い、開発部門に対応してもらったという。

榑松氏と同じく、クラウド年末調整を使った年末調整業務を担当した 人事労務部の遠藤 翔 氏は、1年目の経験を踏まえて取り組んだ2年目の年末調整についてこう解説する。

「2年目は、システムがかなり改修されていたことに加えて、労務サイドもクラウド年末調整の運用を経験していたこともあり、1年目に比べてスムーズに進められました。たとえば、1年目は設問のテキストがわかりづらく、従業員が間違えやすい箇所がありました。2年目は労務担当者がヒントメッセージを任意で追加できる機能がアドオンされており、間違いの多い箇所にヒントメッセージを出すことで、入力間違いを減らすことができました」(遠藤氏)

  • (写真)話をする遠藤翔氏

    株式会社マネーフォワード People Forward本部 人事労務部 遠藤 翔 氏

プロダクトマネージャーである大路氏は、自社の人事労務部をはじめ、クラウド年末調整の導入企業からの要望に対応するために「シンプル化」を目指したと説明する。

「リリースした初年度は、メニューや機能の数が多過ぎて使いづらいという声が多かったため、画面の数やメニューの数を減らしてシンプルにすることで、使いやすさの向上を目指しました。利用者からの要望を精査して優先度を付け、より使いやすくするための改善を続けています」(大路氏)

榑松氏もクラウド年末調整の進化を実感しており、「初年度は使いづらさを感じた部分もありましたが、2年目はより直感的な操作ができるようになっていました。ヒントメッセージの機能が追加されただけでなく、使い勝手を向上させるためのアップデートが施されていると感じています」と所感を口にする。

また遠藤氏は「従業員数は1,000人を超えた組織でのより使いやすい機能や、英語対応などにも期待したい」と期待を寄せている。

従業員が年末調整を行わずに済む未来を目指し、年末調整のクラウド化を推進していく

このように、マネーフォワードの自社プロダクト導入事例から、年末調整のクラウド化は、従業員と労務担当者双方に多くのメリットを与えることが見えてきた。

「国の方向性としてデジタル化を推進している現状を鑑みれば、現状では控除の証明書など紙での提出が求められる部分は残っていますが、今後は年末調整の完全ペーパーレス化が進んでいくと考えています」と有働氏。こうした流れに合わせて、クラウド年末調整をオンラインですべて完結できるプロダクトにしていきたいと今後の展望を語る。

労務サイドの榑松氏は「理想をいえば、マイナンバー制度などを利用して、従業員が年末調整を行わなくてもいい世界が実現してほしいですね。国の制度改革が進むことを期待しています」と語る。

遠藤氏も年末調整が完全ペーパーレス化に向けて加速していくことを望んでおり、OCRによる入力の自動化をはじめ、システム側からの後押しを期待しているという。

「質問対応の部分でも、プロダクト側がチャットボットなどを用意してくれると、従業員・労務担当者双方にメリットが生まれると思います。労務担当者が税制などを調べるより、システム側で対応するほうがスピーディで効率的です」(遠藤氏)

「また、締切り日のリマインドなど、プロダクトによる誘導も効果的と考えており、プロダクトを介することで、従業員と労務担当者間のコミュニケーションの負荷も軽減できるのではないかと期待しています」(遠藤氏)

こうした労務サイドからの意見をフィードバックし、マネーフォワードのクラウド年末調整は進化を続けている。「マネーフォワードは従業員規模も大きく、ここから挙がってくる要望は、基本的にどの企業でも必要な内容だと考えています。そこを中心にアップデートしていけば、多くのお客様の課題解決に繋がるはずです」と有働氏は語り、労務目線でのブラッシュアップに確かな手応えを感じているようだ。

マネーフォワードが取り組む年末調整のクラウド化から見える、今後の年末調整のあり方と、そのなかで重要な役割を担うプロダクトとなる「クラウド年末調整」の進化には、今後も注視していく必要がありそうだ。

  • (写真)集合写真

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