ハイブリッドワークの普及が加速する一方、導入にはいくつもの課題がある。ハイブリッドワークを効果的に取り入れるためのデバイス選びの秘訣とは。3月14日~17日に開催されたオンラインセミナー「TECH+EXPO 2023 Spring for ハイブリッドワーク『働く』を再構築する」で、日本HP パーソナルシステムズ事業本部 ハイブリッドワークソリューション・ペリフェラルビジネス本部 カテゴリーマネージャー 島﨑さくら氏は、働き方の多様化に向けて実践してきた同社の取り組みを例に紹介した。また、ハイブリッドワークソリューション・ペリフェラル事業本部 マーケティング部 マーケティングマネージャー 石原聖子氏とともに、同社製品のデモンストレーションを行った。

  • 株式会社 日本HP パーソナルシステムズ事業本部 ハイブリッドワークソリューション・ペリフェラルビジネス本部 カテゴリーマネージャー 島﨑 さくら 氏

    株式会社 日本HP
    パーソナルシステムズ事業本部
    ハイブリッドワークソリューション・ペリフェラルビジネス本部
    カテゴリーマネージャー
    島﨑 さくら 氏

ハイブリッドワークの課題、最適なハードウェアはシーンによって異なる

コロナ禍の影響でリモートワークが普及したが、現在ではオフィスが再開し、家庭やオフィスをはじめあらゆる場所で働けるハイブリッドワークが定着しつつある。ハイブリッドワークはプラスの面も大きいが、課題もある。日本HPによる調査では、各環境におけるテクノロジーの満足度は、自宅61%、オフィス54%、リモート(自宅・オフィス以外)36%という結果になっている。島﨑氏は「社員はどの環境においても何らかの課題を感じている状況。ワークスタイルを深く理解し、ユーザー体験をデザインしていくことが必要」と指摘する。

在宅の場合、オンライン会議で子どもやペットの声など背景音への配慮が必要になるほか、マウスやキーボードの音が入ったり、背景にプライベートなものが写り込んだりする可能性もある。また、移動中には、「絶え間ない背景音のため会話にならない」「公共交通機関で端末に耳を当てて話すことへの周囲の目が気になる」「デバイスを紛失するリスクがある」といった課題がある。さらに会議室では、「遠隔からの参加者の声が聞こえづらい」「会議システムの使用方法が難しく会議開始に手間取る」といった悩みがよく聞かれる。一方、リモート側は「会議室の参加者の1人1人の声が聞こえづらい」「全員の姿が見えない」といった点が課題となる。オープンオフィスでも、「立ち話をしている同僚の声で会議の内容が聞こえない」「機密情報が背後で話されている可能性がある」「オンライン会議のために会議室を予約するのは面倒」といった困りごとが出てくる。 このように、ハイブリッドワークと一口で言ってもシーンによって課題は異なるため、最適なハードウェアもさまざまだ。

働き方改善に長年取り組んできたHPのノウハウ

HPは1977年のフレックスタイム制導入以来、働き方改善に長年取り組んできた。コロナ禍収束後もハイブリッドワークを基本とした働き方へ移行することを宣言しており、現在リアルなオフィスでは、個室ブースや音がもれない会議ブース、スタンディングデスク、オープンなミーティングスペースなど、設備を充実させている。また、外出がメインの従業員に対しては、薄型PC、ヘッドセット、Webカメラを、オフィスワーカーに対しては、カーブドモニター、ヘッドセット、Webカメラ、フルサイズのキーボードを提供するなど、働き方に応じたデバイスを配布することで生産性を高めようとしている。さらに、HPとしては、こうした社内での働き方改善の経験から培ってきたノウハウをPCやその周辺機器、デバイス管理ツールなどを通じて提供していく考えだ。

さまざまなシーンに対応する幅広い製品ラインアップ

ここからはハイブリッドワークの課題を解決する具体的な製品について見ていきたい。 Windows11Pro搭載のモバイルノートPC「Elite Dragonfly G3」の強みは、500万画素のWebカメラだ。周辺の光量を自動検知し明るさを自動調整するほか、オートフレーム機能により、カメラの前で動いてもフレームの中央に顔をキープできる。さらに、音声会議ツール利用時には、背景音を拾わないため快適なオンライン会議が可能だ。AIベースのノイズリダクション機能がノイズを除去し、相手に自分の声だけを伝えられる。また、アスペクト比は前バージョンの16:9から3:2へ変更になっており、画面に表示できる情報量が増えたことでよりスムーズな作業ができるようになった。ワンタッチで覗き見を防止できる物理ボタンや、離席した際に自動ロックされる機能、顔認証、5GやeSIMへの対応など、自宅以外で働く際に便利な機能も多くある。

  • Elite Dragonfly G3とG2の比較

    Elite Dragonfly G3とG2の比較

製品のデモンストレーションセッションでは、ハイブリッドワークに最適なソリューションとして「Poly Voyager 5200 UC」「Poly Voyager Focus 2 UC」「Poly Studioシリーズ」が紹介された。「Poly Voyager 5200 UC」は、外出時用に最適なワイヤレスヘッドセットである。本体は20gと軽量で、連続通話時間は最大約7時間、連続待受時間は最大約9日間となっている。石原氏は「装着しっぱなしにしながら歩き回りそのまま応答することも可能」と説明する。また、風を受け流すPoly WindSmart機能により、風や雑音をシャットアウト。口元のマイクから拾った音声だけを判別し、周りの騒音を低減する。

  • Poly Voyager 5200 UC

    Poly Voyager 5200 UC

一方、オフィスや自宅内での利用を想定した両耳タイプのワイヤレスヘッドセットが「Poly Voyager Focus 2 UC」だ。4つのマイクから拾う音のうち、装着している人の声だけにフォーカスを当て、それ以外のマイクから集音される音を雑音としてキャンセルするPoly Acoustic Fenceというテクノロジーでクリアな通話が実現できる。また、石原氏は「耳に当たる部分は人工皮革でできていて柔らかく、内側がドーナツ形状なので痛くなりにくい点も特長です。頭の部分も軽量で安定感があります」と使い心地の良さもアピールした。

  • Poly Voyager Focus 2 UC

    Poly Voyager Focus 2 UC

パーソナル向けのWebカメラ「Poly Studio P5」は、携帯可能な大きさだが1080p のHD 解像度でクリアな映像を実現する。低照度にも対応し暗い部屋でも利用可能だ。 また会議用の「Poly Studio」ビデオバーには、個人向けのPシリーズ、会議室やオープンスペースでPCにUSB接続して使うR30 や Poly Studio USB、会議室でのMicrosoft Teams/Zoom連携に対応したXシリーズ、などがある。これらのビデオバーの多くはいずれもモニターの上に乗せるだけで簡単に設置可能だ。会議室向けのビデオバーの視野角120度にくらべ、個人向けのビデオバーは視野角が80度と意図的に狭くし、背景が余計に写り込まないようにデザインされているなど細やかな配慮がされている。

クリアな音声によるコミュニケーションを実現するために、一定の範囲外の雑音をブロックするPoly Acoustic Fenceをはじめ、複数の音声技術を搭載。映像面でも優れたテクノロジーが搭載されている。カメラマンがディレクションするかのような撮影を実現するというPoly DirectorAI機能は、会議室の参加者全員を適切なサイズでグループフレーミングしたり、話者をトラッキングしたり、歩きまわって話すプレゼンターを追尾したり、参加者の顔をパネル状にクローズアップして表示したりと、状況にあわせて適切な映像を用いることができる。会議参加者の当日のニーズに合わせて、これらのテクノロジーを活用し、より臨場感のあるオンライン会議をめざしていただきたい。

  • Poly Studio P5

    Poly Studio P5

  • Poly Studio P15

    Poly Studio P15

デバイス管理を一括で行えるプラットフォームも利用可能

今回紹介した製品はいずれもハイブリッドワーク時のコミュニケーション・コラボレーションを円滑かつ高品質に行うのに適している。Polyブランドのほとんどの製品は「Poly Lens」というプラットフォームでデバイス管理を一括で行えるほか、ファームウェアのアップデート、ハードウェアのヘルスチェック、参加者や時間といった会議のインサイトを取得することも可能だ。

HPは2022年にビデオ会議オーディオシステムのリーディングカンパニーであったPolyを買収するなど、ハイブリッドワークに向けたポートフォリオ拡充を進めている。日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡戸伸樹氏は「当社でも、在宅勤務環境への移行によって、子育てや介護といったライフスタイルにワークスタイルを柔軟に合わせられるようになり、より生産性高く働けるようになったという声があります。当社の長年のハイブリットワークの取り組みから培ってきた課題や解決策を踏まえて、ハイブリッドワーク導入を検討しているみなさまをサポートしたいと思います」と聴講者へメッセージを送った。 個人向けから大規模な会議室に対応するものまで、幅広い製品をラインアップしているHP。ハイブリッドワークを実践してみたいという方は、検討してみてはいかがだろうか。

[PR]提供:日本HP