今年も残すところ数日となり、街中でクリスマスケーキやおせち料理の予約を促すポスターなどを目にする機会が増えてきたのではないでしょうか。本格的なお買い物シーズンに向けて準備を進める方も多いと思います。ここ数年、コロナ禍で消費者の購買行動が大きく変わり、いまやオンラインショッピングは欠かせない購買手段になっています。しかしながら、全ての人がスムースにオンラインでの購買に移行しているわけではなく、店頭での店舗スタッフによるサポートに強いニーズを感じている人もいれば、そうでない人がいるのも確かです。

Infobipが調査会社のForresterとともに行った、アジア太平洋地域の消費者を対象とした調査では、以下4つの顧客ペルソナの存在が明らかになりました。

  1. 裕福でハイブリッドな消費者
  2. 有人対応を求める保守的な消費者
  3. 有人対応をあまり求めないデジタルネイティブ
  4. どちらとも言えない
出典元:人間によるエンゲージメントと自動化されたエンゲージメントを再定義 — APAC地域の消費者がCX 分野にもたらした影響
参考日:2022年12月15日(木)

どのペルソナが主流なのかは、今回調査を行った各国でも違いがあり、中国では実店舗とオンラインの両方を利用する富裕層が消費者全体のなかで高い割合を占めています。日本では、消費者の多くがオンラインで高額取引を行うことに消極的であり、有人対応を求める保守的な消費者の割合が高い傾向にあります。一方で、同じAPAC地域でも香港 、シンガポール、台湾では有人対応をあまり求めない「デジタルネイティブ」が多い結果となりました。

顧客中心主義の昨今、デジタルと人間によるエンゲージメントを組み合わせてペルソナごとの細かいニーズに対応し、競合他社との差別化を促進する必要があります。

たとえば、デジタルファーストのセルフサービス体験(自動化されたチャットボットサポートなど)は有人対応を求めないデジタルネイティブ対応に最適です。一方、有人対応を求める保守的な消費者は人間によるサポート(オンラインライブチャットなど)を好みます。上記で”どちらとも言えない”のペルソナに属する中立的な立場の消費者に向けては、デジタルタッチポイントと人間のエージェントによるエンゲージメントのどちらでも対応できるよう、両方を提供している必要があります。また実店舗とオンライン両方を利用する富裕層は、有人サポートと自動化されたデジタルの両方のタッチポイントをシームレスに行き来できるオムニチャネル体験を求めています。

当初はカスタマーサポートの用途で導入が進んだチャットボットですが、最近は販売やマーケティングの分野でも活用されています。 コスト削減、回答の即時性、常時サポート対応など、従来からのメリットのみならず、デジタルネイティブ世代への有効な対応方法として会話型AIによる回答精度の向上が受け入れられてきたことも理由のひとつです。

しかし、そのチャットボットひとつを例にとってもメリットを享受するには、導入する製品の種類/特性を理解し正しく活用しなければなりません。たとえばシナリオ/フローをしっかりと設計することや、質問のインテント(顧客の意図)やエンティティの分類/機械学習など、事前の計画と時間のかかる準備は必要不可欠です。

また見落とされがちですが、チャットボット自体に対しても、しっかりとしたペルソナを定義することは重要です。 チャットボットの発するメッセージは、ブランドアイデンティティを表します。メッセージのトーン、文体、またチャットボットの名前や画像までもが、ブランドや企業のイメージに大きく影響します。顧客にどのようなブランドイメージを持ってもらいたいかを明確に意識し、それを反映するペルソナをデザインするのが良いでしょう。

チャットボットはローンチ後の運用も大切です。コンタクトセンターで受ける顧客の声とはまた違った示唆が得られるため、蓄積された顧客との対話データを分析することで、チャットボットによる顧客対応の改善に留まらず、ウェブサイトやFAQの改善、またブランディングやマーケティング施策に至るまで、さまざまなサービスの改善に役立ちます。

少なくとも当面は、チャットボットが人によるカスタマーサポートの全てを置き換えることはないと考えますが、企業にとってチャットボットがあらゆる顧客ペルソナを効率良くサポートし、業務効率とCX (カスタマーエクスペリエンス)の向上に寄与することに疑いの余地はありません。

Infobipのチャットボット構築プラットフォーム「Answers」を活用して、ウェブサイトやさまざまなメッセンジャーアプリ、さらにはInstagram/Facebook/TwitterなどのSNSに対してチャットボットを組み込むことで、顧客とのメッセージングの効率化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

筆者情報:
齋藤 稔
ロンドンに本社を置くユニコーン企業、Infobipの日本法人カントリーマネージャー。
IT技術とSaaSスタックソリューションに造詣が深く、企業が顧客とのコミュニケーションの円滑化/最適化を通して、「三方良し」を実現できるよう支援することをミッションとしている。

※本記事はinfobipから提供を受けております。著作権は同社に帰属します。

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