どのような業種においても、自社の製品・サービスに対する利用者の声は重要な情報となるが、その声をスピーディに収集・分析し、改善アクションにまでつなげる仕組みをマネージメントできている企業は多くはない。本稿では、顧客満足度に代わる効果的な指標として注目が高まっている「NPS」(Net Promoter Score:ネットプロモータースコア)を使い、顧客体験の改善や顧客ロイヤルティの向上を実現する取り組みを、SaaSの活用によって推進するメリットを紹介。顧客の声を効率的に収集して効果的な改善アクションにつなげるクラウドサービスについて解説する。

業績向上との相関がある指標として注目が高まるNPS

自社の提供する製品やサービスが、利用者(顧客)にどれだけ満足してもらえているかを知ることは重要なミッションといえる。そのために顧客満足度調査(CS調査)を行っている企業は多いものの、満足度が高いということが、必ずしも業績の向上につながっているとは限らないのが現状だ。

そこで近年注目を集めているのが、これまで測定が難しかった顧客ロイヤルティ、すなわち"企業やブランドに対する愛着や信頼"を数値化できるNPSという指標だ。「この会社(商品/サービス/ブランド)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」というシンプルな質問でスコアを計測することができる。スコアに応じて推奨者と批判者を分類し、推奨者を増やして批判者を減らすというフレームワークに沿って事業の改善活動を行うことで、さらなるロイヤルティの獲得に結び付けられる。

NPSの一番の特徴は、業績との相関性が強い指標であるという点だ。そのため、調査結果から業績向上を実現するにあたって、改善するべき優先度の高い課題を容易に見出すことができる。昨今、日本でも多くの企業でNPSの採用が進んでいるのは、本指標のそうしたメリットが理解されてきたためだろう。

NPX Proの活用で変わる顧客ロイヤルティマネジメント

NPSは業績と強い相関関係にあるからこそ、自社のスコアにただ一喜一憂するだけで終わってしまっては意味がない。NPSを企業活動の指標として、継続的な改善活動を行い、NPSの向上や顧客ロイヤルティの獲得を推し進めていく必要がある。

やはりNPSのスコアをもとに業績の向上へつなげるためには、顧客へのアンケートの作成・配信から、迅速な集計・分析、顧客ロイヤルティに影響を与える要因の特定、その結果をもとにした改善アクションまでを強力にサポートしてくれるツールが求められる。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NPX Pro」は、NPSの効率的かつ効果的な活用を支援するクラウドサービスだ。特に以下のようなケースでは、本サービスが有用といえる。

  • 顧客満足度を指標にした調査・分析の結果が業績の向上に結び付いていない
  • 競合が多い中で「リピーターを増やしたい」という課題を常に抱えている
  • 顧客接点が拡大・多様化している中で、各タッチポイントにおける顧客体験をよりよくする取り組みを進めていきたい

ここでは旅行会社を想定したNPX Proの活用の例をみていこう。

旅行会社は競合が多く、業績向上にはリピーターの獲得が不可欠だ。顧客体験のステージは、時間軸をもとに「旅行前」「旅行中」「旅行後」と分けられる。企業はそのステージごとにさまざまなサービスを提供しており、それぞれのタイミングで顧客の声・評価を把握していくことで、よりスピーディに顧客の声を改善に活かすことができる。たとえば「旅行前」では、Webサイトや実店舗で案内する旅行プランの品揃え、予約のしやすさ、店舗担当者の対応、説明のわかりやすさ、コストパフォーマンスなどが評価のポイントとなる。NPX Proでは、フォローが必要な顧客の声をリアルタイムに把握し、必要に応じて迅速にアクションを取ることができる。

NPX Proでは多彩な設問テンプレートが用意されており、自社内で自由にアンケートを作成することが可能だ。店舗独自の設問の作成といったカスタマイズも容易に行い、イベント直後のアンケートなども実施できる。顧客の記憶が新しいうちに回答を得ることで、よりリアルな実態や評価が把握できるようになる。

アンケートの結果をもとに、NPX Proでは店舗間や部門間での比較を行い、自店舗の改善点を把握するといったニーズに対応できる。アンケート結果の集計・分析がスピーディに行えるだけでなく、調査結果はWebブラウザのダッシュボードからさまざまな切り口で見える化できるのも魅力だ。

  • Webブラウザのダッシュボード

    Webブラウザのダッシュボード

調査で浮き彫りになった結果から、より顧客のニーズを捉えた旅行プランの構築や、オペレーションの改善に反映させたり、より高速なPDCAを現場主導で実現したりすることができるのだ。

NPX Proの活用が企業間の継続的な関係を実現

NPSによる調査は、B2B(企業間取引)においても大きな効果を発揮する。あるIT企業では、NPX Proを活用することで、従来のVOC(Voice of Customer)調査では見えてこなかった課題を見付け、効果的な改善アクションを実現し、取引先企業とのコミュニケーションを大幅に改善。より密接な関係を築くことに成功している。

取引先とのプロジェクト完了後も、関係を継続して新たな仕事につなげるためには、取引先からの率直な意見を把握して、批判意見へのフォローや推奨意見(自社の強み)のさらなる強化を図る必要がある。

また、とある企業ではNPX Proの管理機能を活用して、プロジェクトの終了時や納入時には必ずNPSアンケートを実施し、分析結果を各部門から経営層まですべてに共有。取引先企業のセグメント別にも分析を行い、現場から経営層までの意見に対して迅速に対処できるようになった。そういった積み重ねにより、顧客ロイヤルティの向上による継続的な企業関係を実現したという。

  • 企業のセグメント別に分析

    企業のセグメント別に分析

製品・サービスの利用者や取引先企業の顧客ロイヤルティが計測できるNPS調査は、企業の業績向上に大きく関わっている。調査の際はアンケートの作成から集計、分析、改善アクションの策定といった作業が必要となるが、NPX Proはそれらの一連のプロセスに対し、一貫してサポートできるのが魅力だろう。こうしたツールを活用し、さらなるNPSスコアの向上を目指すことは、企業の成長を促す大きな原動力となってくれるはずだ。

※Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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