スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスはすっかり普及し、いまやビジネスシーンや教育現場、公共施設などで利用されている光景も珍しくない。ICTが社会に浸透していくなか、モバイルデバイスにはさまざまな対応が必要となっている。たとえば管理下にあるデバイスの利用状況の確認、アプリやカメラ、ネットワークなどの設定・制限、盗難・紛失時のセキュリティ強化などだ。

モバイルデバイスを業務で利用するには、携帯端末管理を行う「MDM(Mobile Device Management)」が欠かせない。MDMにはさまざまな製品が存在するが、そのなかでも早期からMDMサービスを開始し、MDM市場で7年連続シェアNo.1を達成しているのが、アイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」だ。

その効果や使い心地はどうなのか。CLOMO MDMを導入した、野村不動産ライフ&スポーツが運営するフィットネスクラブ「メガロス」の1つ、メガロスクロス田端24を訪ねた。

  • 最新のトレーニング用器具が取り揃えられた、メガロスクロス田端24
  • 最新のトレーニング用器具が取り揃えられた、メガロスクロス田端24
  • 最新のトレーニング用器具が取り揃えられた、メガロスクロス田端24

紙ベースで行われていた入会前アンケート

首都圏を中心に43店舗を構えるフィットネスクラブ「メガロス」は、健康を目的としつつも、ただ運動をするだけの場所ではなく、生活を豊かにするコミュニティスペースとして、地域から必要とされる場所を目指して展開されている。

これまでメガロスではアンケートによる顧客情報の収集を紙に頼っていた。手書きでアンケート用紙に記入してもらい、それをCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムに手入力するという流れだ。しかし、社内ネットワークやインフラ、会員管理などの基幹システムを管理している太田氏は、この方法には3つの問題があったと述べる。

野村不動産ライフ&スポーツ 総務部副部長 兼 ICT推進課長 太田綾子氏

野村不動産ライフ&スポーツ 総務部副部長 兼 ICT推進課長 太田綾子氏

「お客さまに記入いただいたアンケート用紙を紛失する可能性は、以前から社内で心配されておりました。個人情報の漏洩、消失につながるからです。また、CRMにリアルタイムでアンケート結果を入力できないため、集計までに時間がかかってしまうという問題もありました。さらに、閲覧いただく資料も紙ベースでしたので、ご案内に関してもわかりにくい部分もあったと思います」(太田氏)

つまり、野村不動産ライフ&スポーツは、情報セキュリティ、業務の効率化、サービス案内の向上という3つの課題を抱えていた。これらを解決するために検討されたのが、タブレット端末の導入だ。

同社にはもともと「申し込みに必要な大量の書類を削減し、ペーパーレス化を推進することで、顧客の負担を減らしたい」という想いがあったという。タブレット端末で動画や画像を用いた案内を行いつつ、CRMのフォームを表示させて顧客に直接個人情報の記入やアンケートへの回答を行ってもらうことで、これらの問題を解決できないかと考えた。

短期間・低コストでの導入を目指しAndroidを選択

野村不動産ライフ&スポーツでは、以前から社員向けにiPhoneが利用されていた。しかし、全店舗に対し迅速かつコストを抑えてタブレット端末を導入するには、Andoroid端末の方が適していると判断。2016年ごろ、同社はAndoridタブレットの全店舗導入を決定し、約100台を用意した。

現場で利用するためには、大前提として、店舗に負担なくセキュリティを守れる体制づくりを行わなくてはならない。たとえば、CRMシステムに接続するタブレット端末の盗難・紛失に対する備えは必須だ。また顧客の個人情報を取り扱うため、Wi-Fi接続を特定のアクセスポイントに限定したり、スクリーンキャプチャを禁止したり、アプリのインストールに制限をかけたりするなど、セキュリティ上の懸念点は多岐にわたった。

タブレットの利便性を損なわずに、セキュリティを守れる体制を短期間で実現するための必須条件は、「Android Enterprise」による管理だった。そのためのMDMとして選定されたのが、アイキューブドシステムズのCLOMO MDMだ。

  • タブレット端末が主に利用されているメガロスクロス田端24のフロント

    タブレット端末が主に利用されているメガロスクロス田端24のフロント

Andoridタブレットのキッティングは自社で行われたため、それなりの時間を要してしまったそうだが、CLOMO MDMの設定にはそれほど時間がかからずスムーズに導入が進められ、無事予定通りに全店舗への展開を終えたという。

管理側、店舗側のタブレット運用を支えるCLOMO MDM

こうしてAndroidタブレットをメガロス各店舗に導入した野村不動産ライフ&スポーツ。この導入プロジェクトによって、管理や運営はどのように変化したのだろうか。太田氏は次のように所感を述べる。

「私たち管理側としては、導入した100台ほどのAndoridタブレットを、統合的に管理できることが大きいですね。主にアプリ制限やWi-Fi接続制限、パスワード管理の軽減、それに伴う端末、個人情報の紛失防止に効果がありました。店舗に電話連絡を入れて対応してもらわずとも管理側で状況を把握できるようになり、どのアプリをどのように管理すれば良いかが明確になったと感じます」

また、パーソナルスイミングレッスンプログラム「KAICA」を利用した子供向けの水泳指導にも役立っているそうだ。普段は見ることのできない水中の様子を録画し、フォームを指導できるプログラムは、インストラクターや子供から好評を得ているという。

「『CLOMO SecuredDocs』を利用して、ファイル共有できるようになった点もメリットといえます。以前は閲覧用資料を紙ベースで展開していたため、誤字などの修正から配布までに期間を要していましたが、全店舗に素早く展開できるようになりました」(太田氏)

メガロスクロス田端24 サービスセクション 笹平祥枝氏

メガロスクロス田端24 サービスセクション 笹平祥枝氏

次にメガロスクロス田端24で実際にフロント業務や会費・商品の管理を行っている笹平氏、藤田氏は、現場で顧客と接する立場での感想を語る。

「これまではアンケート用紙を集約し、改めてCRMに入力するのにかなりの時間がかかっていましたが、この時間が短くなりました。お客様のご回答時間も軽減しており、以前は40分ほど掛かっていたものが、20~30分程度で完了するようになっています。重要事項も順を追って自動的に表示されますので、説明漏れを心配せずに案内できます」(笹平氏)

メガロスクロス田端24 サービスセクション 藤田みなみ氏

メガロスクロス田端24 サービスセクション 藤田みなみ氏

「タブレット端末の導入によって会員種別や料金体系をシミュレーションできるようになり、親身にご対応できるようになりました。また紙資料ではお見せできないレッスン風景を動画で見ていただけるようになり、入会前の不安解消に役立っていると思います」(藤田氏)

さらに、新しく入ったスタッフに、顧客の個人情報に対するポリシーを徹底する手間も軽減したという。これもCLOMO MDMによってセキュアな環境が構築できた利点の1つだろう。

「MDMは、私たち現場のスタッフにとっては空気のような存在なので普段は意識しませんが、タブレット端末を安心して利用できるという大きなメリットを得られているのだと思います」(笹平氏)

今後はタブレットのさらなる活用を目指す

セキュリティを担保しつつ、会員向けサービスとして活用している野村不動産ライフ&スポーツ。最後に、野村不動産ライフ&スポーツの今後のタブレット活用方法についての展望を聞いた。

「現在のようなお客様へのご案内やアンケート入力でもタブレット活用にはなっていると思います。ですが今後はそれだけに留まらず、例えばトレーニングメニューの作成やテニススクールのフォーム確認といった、お客様への新たなサービスにつなげられるものを提供していけたらもっといいと考えております」(太田氏)

Android Enterprise 活用事例:野村不動産ライフ&スポーツ

[PR]提供:アイキューブドシステムズ