ビジネスを展開する上で、ITの活用は不可欠の要素となっている。
だが、全ての人がITを完全に使いこなせる訳ではない。特にITについて専門性が高まっている昨今では、一般の社員で対応できることは限られてくる。そんな時に頼りになる存在こそが情報システム部門である。
現代の企業において、非常に重要な部門であるのだが、他の部署からはヘルプデスクであるかのような扱いを受けたり、トラブル対応や調整作業に追われたりと、つらく大変な部門というイメージもある。
前回のレポートでは、アンケートの集計結果を元に、「情報システム部門」の実態について迫ってみた。二回目の今回は、寄せられたコメントをピックアップし、その心の叫びから現場の雰囲気を感じ取ってみることにしよう。
■前回の記事はこちら
情報システム部門はつらいよ! ~アンケートから見る、知られざる"ひとり情シス"の実態~
http://news.mynavi.jp/kikaku/2013/09/19/001/index.html
情報システム部門の業務で非効率な作業だと思うものを具体的に教えてください
説明する手間が非効率
- 現場から来るパソコンなどの操作問い合わせ(食品)
- スキルの低い問い合わせにも対応が必要な点(電気/電子機器)
- 他部署から同じ内容の問い合わせがばらばらに出てくる(運輸/流通)
- システムが判らない役員への説明(SI)
- 細かいデザイン変更にも役員への説明が必要(農業)
「ウチの部署はヘルプデスクじゃない! 」
そんな叫びが聞こえてきそうなコメントが多数寄せられた。
問い合わせ対応も業務のうちと言われてしまえばそれまでだが、せめて事前に配布したマニュアルくらいは目を通してもらいたいものだ。
知識がない上司や役員への説明など、想像しただけでストレスが溜まってくる。と言うか、そもそもシステムデザインのことを分かる役員なんているのだろうか?
業務外の業務が非効率
- 他部署のトラブル対応に追われ、本来の情報システム部門の業務時間が割かれている(食品)
- 管理者不明な業務が回ってくること(出版/印刷/マスコミ)
- 現場でできる作業を、お手伝いさんのように依頼される。(金属製品製造)
- 担当部門で行うべきデータ入力を行っている。(製造)
問い合わせやトラブル対応はまだしも、データ入力を情報システム部門の仕事として振られるのは、どう考えても理不尽だ。これはさすがに文句を言ってもいいのでは?
書類作成が非効率
- PC上で入力する申請書類を最終的に印刷して提出する点(SI)
- 1ユーザーにアプリケーションを入れるにも申請書が必要(機械/精密機械)
- 紙によるシステム申請書の承認作業、定型的な問い合わせ業務(建設)
- 仕様書や設計書のフォーマットが統一されていないため、担当外の人が理解できない(ソフトウェア)
- 情報システム部門なのに上長に紙の書類で提出するなど資源と時間の無駄(電気/電子機器)
最も「非効率」というコメントが多かったものがこれ。早い話が「報告書類多すぎ、紙使いすぎ! 」ということだ。
報告者や申請書をシステム上で入力できるようにしているのに、どうして最終的には紙に印刷して提出となるのか。コメントの端々から、そんな気持ちが伝わってくる。
「印刷コストを削減するためにシステムを作っても、結局印刷するんじゃ意味がない(製造)」まさに正論。
次ページ:情報システム部門の業務が効率化し業務時間に余裕が生まれた際に手がけたいことを教えてください
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