ハードディスクはいつか必ず壊れる時期が来ます。そのため、これまでは大切なデータを残しておく媒体とは考えておらず、消耗品という位置づけで安いモノをそれなりの使い方で利用して来ました。しかし今回、セミナーや大学の講義で愛用しているMacBook Pro用の携帯用外付けハードディスクとしてMy Passport Studioを使う機会を得ることができました。そこでハードディスクは、大切なデータを格納するための器であるという存在で見直してみたいと思い、現在の作業環境を含めて一考することにしました。
■TigerとLeopardをMacBook Proで使いたい
打ち合わせやセミナー、大学の講義で利用するために私のMacBook Pro(2.4GHz Intel Core 2 Duo)は大活躍しています。しかし、一部のセミナーでは旧バージョンによる解説の必要性があることから、様々な環境で使うことが要求されるため、システムは未だにTiger(Mac OS X v10.4)のままとなっています。当然Leopard(Mac OS X v10.5)で処理したいシーンも多々発生するためにかなり苦労していました。
また、メインシステム上にBootCampなどでWindowsシステムを構築している場合には、内蔵ハードディスクをパーティーションで分割することが出来ないため、Adobe Photoshopなどの仮想記憶用ハードディスクをデフォルトの起動ディスクに設定せざるをえず、パフォーマンスは極端に落ちてしまいます。
そこで今回、My Passport Studio(320GB、FireWire 400 & USB 2.0)を使ってこれらの悩みが解決できるか試してみることにしました。
果たして悩みは解決できるのか?
まず、TigerとLeopardの切り替えですが、私のMacBook ProはIntel CPU仕様なので外付けドライブの主流であるUSB接続のハードディスクでもOSを起動するのに問題はありません。しかし、例えばPowerPC G5系であればFireWireで接続を行わないと外付けハードディスクから起動することは出来ないのです。その点、My Passport Studioは、USB 2.0とFireWire 400の2つのポートを装備しているため新旧どのMacでも接続可能で、なにより最初からMac用としてフォーマットされているのでトラブルも少なくて安心です。これにより、どのMacに接続しても必要に応じてLeopardでの起動を簡単に実現することが出来るようになりました。
仮想記憶用ハードディスクに関しても小型で高性能の外付けハードディスクがあればこの問題は解決されます。今回使用した製品は、ほぼ満足のいく結果となりました。しかし、年内には、FireWire 800のポートを装備したMy Passport Studioも発売されるということで、MacBook Proを使用しているクリエイターとしては、さらにそのパフォーマンスに期待したいところです。
外付けハードディスクを活用したワークスタイルに変更
では、現在私がどのようにMy Passport Studioを活用しているか、環境を含めてご紹介しましょう。私のMacBook Proの200GB内蔵ハードディスクは、アプリケーションフォルダーだけで20GBを占有し、BootCampでWindows XPもインストールしているため、かなり手狭でした。そこで、My Passport Studioをパーティーションで2つに区切り、1つはLeopardシステムに、もう1つはPhotoshopやIllustratorの仮想記憶用ハードディスクとして100GBほどを使うように設定しています。これでセミナーや授業を行う際にも、通常の作業と同様にMacBook Pro上で実サイズの大きなファイルを使用する事が可能となっています。
私にとって持ち運びできる小型の外付けハードディスクは、MacBook Proに内蔵されているハードディスクの拡張エリアのようなものです。常用データは内蔵ハードディスク内に、そうではない一過性のデータは役目が済んだら外付けハードディスク転送する、といったように自分の中で整理することにより、パフォーマンスと安全の両方を手に入れることが出来ました。
最後になりますが、外付けハードディスクは各社から様々な製品が発売されています。しかし、My Passport StudioほどデザインをMacBook Proにマッチさせている製品は見当たりません。また、古いタイプのMacを廃棄せずに使用していることもあり、私にとってFireWireは非常に重要なポートですが、現在販売されているほとんどの小型の外付けハードディスクはUSBのみとなっています。その点でもMy Passport Studioは私にとって価値の高い製品といえます。