前回に取り上げたパフォーマンス警告機能は、一定の閾値に達したかどうかを把握するには有用だが、連続的にデータをとることができない難点がある。この問題を解決するのが、今回取り上げるパフォーマンスカウンタである。これもWindows Server 2003用の機能だ。

パフォーマンスカウンタの設定

パフォーマンスカウンタは連続的に値の推移を記録する機能で、監視対象として指定できる項目はパフォーマンス警告と同じである。結果はテキスト形式のファイル、あるいはデータベースに連続的に記録する。

ここでは、前回と同様に空きメモリ容量を対象にして、パフォーマンスカウンタの設定方法を解説する。

(1) [コンピュータの管理]、あるいは[パフォーマンス]管理ツールでツリーを展開して、[カウンタログ]を選択する。

(2) [操作]-[新しいログの設定]、あるいは右クリックして[新しいログの設定]を選択する。内容が分かりやすいような名前をつけるようにしたい。

(3) 最初に表示するダイアログで、作成するカウンタログの名前を指定して[OK]をクリックする。

(4) 続いて表示するダイアログで、[カウンタ]の下の[カウンタの追加]をクリックする。

名前の指定に続いて現れるダイアログで、[カウンタの追加]をクリックする

(5)続いて表示するダイアログで、監視対象となるカウンタ項目を指定する。使い方はパフォーマンス警告と同じである。

監視するカウンタ項目を指定して[追加]をクリック

(6)カウンタを選択したら、パフォーマンスモニタやカウンタログと同じ要領で、調べたいカウンタ項目を追加する。連続して複数のカウンタ項目を追加できる点も同様である。

(7)カウンタ項目の追加がすべて完了したら、[閉じる]をクリックして元のダイアログに戻る。

(8)元のダイアログに戻ったら、ログを記録する間隔を指定する(下の画面例では「15秒」)。この設定は、一覧でクリックして選択したカウンタごとに、個別に行う。複数のカウンタをまとめて指定する場合、設定を忘れないように注意したい。

カウンタを一覧に追加した状態

(9)隣の[ログファイル]タブに移動して、記録を残す手段を指定する。ファイルに書き出す場合、カンマ区切りテキスト、タブ区切りテキスト、バイナリ形式のいずれかを選択できる。後でExcelに読ませて処理できるカンマ区切りテキスト、あるいはタブ区切りテキストがよいだろう。

ログファイルの形式は複数ある中から選択できるが、カンマ区切りテキスト、またはタブ区切りテキストがお勧め

(10)このダイアログで[構成]をクリックすると、ログの出力先フォルダやサイズの上限を指定できる。

(11)同じダイアログの[スケジュール]タブでは、パフォーマンスカウンタが動作する期間を指定する。[開始]と[停止]について、それぞれ[手動]、あるいは時刻や経過時間を指定して、特定の時間だけ自動監視させる設定が可能である。[手動]を選択したときには、手作業で指示した場合に監視を始、あるいは終了する。

[スケジュール]タブでは、監視のスケジュールを指定する

(12)[OK]をクリックしてダイアログを閉じる。このとき、ログファイルの出力先に指定したフォルダ(既定値は「C:\PerfLogs」)がないと、指定した名前のフォルダを作成するかどうかを訊かれるので、ビックリしないように。

パフォーマンスカウンタが記録したデータの確認

こうしてパフォーマンスカウンタの設定を行うと、パフォーマンス カウンタの動作時間を指定してあれば、指定した時間になると、自動的に監視を始める。

[スケジュール]タブで[手動]を選択している場合、手作業で監視を開始するように指示するまで、パフォーマンスカウンタは動作しない。作成したパフォーマンスカウンタの名前で右クリックして[開始]を選択すると、その時点から記録を開始する。停止させるには、同様の手順で[停止]を選択する。

[手動]に設定した場合、右クリックして[開始]を指示するまでパフォーマンスカウンタは動作しない。停止させる際にも、同じ右クリックメニューを用いる

以下に、パフォーマンスカウンタが記録したログの例を示す。

メモ帳で、ログファイルを開いた結果。空きメモリ量の推移を記録している