エクイニクス・ジャパンは10月20日、オンラインで国内市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドと、同社の国内投資、グローバルにおけるサステナビリティ(持続可能性)への取り組みに関して、記者説明会を開催した。
クラウドファーストからデジタルファーストに
まず、はじめにエクイニクス・ジャパン 代表取締役社長の小川久仁子氏は同社が2017年から実施しているデジタルエコノミーの成長を測定する年次市場調査である「グローバルインターコネクションインデックス(GXI) 第5版」に触れた。
GXIは、同社のデータと市場データを統合して数年先のインターコネクションに対する予測を行っている。毎年、視点を変更しており、今年は「デジタルサブスクリプションへの洞察」とし、新たに産業ごとの区分け、グローバルにおけるメトロ(都市圏)の詳細を含む成長予測、14のコアメトロと24のエッジメトロの割り出し、予測と比較基準をまとめた傾向分析を加えた。
調査結果をふまえて、小川氏は「デジタル戦略に関して成熟度が高い企業は、クラウドファーストからデジタルファーストにシフトしている。特にデジタルインフラストラクチャに関してはas a Service(アズ・ア・サービス)での提供を望んでおり、この流れが主流になっている。そのため、今後は多くのITベンダーがサービスのas a Service化を加速していくことなどがGXIの調査では示唆された」と説明。
実際に、デジタルファースト戦略を進める顧客を調査したところ、デジタルを活用したサービス展開を加速する「デジタルサービス」、サービスを展開するだけではなく、他社のデジタルサービスを利用する「デジタルへの参加」、デジタルに近い場所でビジネスを行う「デジタル近接性」の3つに取り組んでいることが判明した。
そこで、同社はデジタルファースト戦略にはデジタルインフラストラクチャが必要と考え、デジタルサービスを「デジタルコア」、デジタルへの参加を「デジタルエコシステム」、デジタル近接性を「デジタルエッジ」に分解。これらを各社が導入すれば優位性を実現できるという。
一方で、グローバルにおけるインターコネクション帯域の2020年~2024年までの年平均成長率(CAGR)は44%、帯域は2万1,485テラビット/秒(Tbps)まで成長し、年間データ転送量は85ZB(ゼタバイト)に相当すると予測。これに伴い、エッジに関するデータのタッチポイントが指数関数的に増加することから、これまでの集中型から分散型&相互連携型のデジタルインフラストラクチャへの転換が必要になっていると指摘。
また、日本のインターコネクション帯域の予測は、グローバルと同等もしくはそれ以上となり、2020年~2024年までのCAGRは大阪で50%、東京で42%の見通しだ。特にAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureをはじめとしたハイパースケーラー向けの伸び率が高く、これらの企業の大阪リージョン開設が影響しているという。