サイボウズは2月19日、「Media Meetup 非IT人材でもDX(デジタルトランスフォーメーション)できるkintone」をテーマにオンラインによるメディアセミナーを開催した。同社では主力製品である「kintone」にフォーカスしたオンラインセミナーを開催しており、昨年10月にローコードツールとしてのkintoneの立ち位置に関するセミナーを実施している。

不確実性に対して柔軟に変化できるシステムが重要

はじめに、昨今ローコードツールが求められている背景について、サイボウズ 営業本部 営業戦略部 副部長の木地谷健介氏が説明した。

同氏は「近年では過去の進め方が通用しない不確実の時代(VUCA)が渡来し、ゴールが見えない状況となり、ビジネスの変化に合わせて現場のニーズは常に変化する。そのため、不確実性に対して柔軟に変化できることがシステムでも重要になってきており、即時的な対応が求めれている」と指摘。

サイボウズ 営業本部 営業戦略部 副部長の木地谷健介氏

サイボウズ 営業本部 営業戦略部 副部長の木地谷健介氏

そのような状況を鑑みて、木地谷氏は「多くの企業では表計算などデジタル化されていない領域が多く残っているほか、IT人材の不足と業務部門からの要望が多いことから、IT部門だけで担うのは困難となっている。そこで、重要なことはIT部門のみですべてのシステムを構築するのではなく、IT部門と業務部門の役割を再定義して、業務部門でもシステム構築を可能にしていくアプローチが必要になる」との認識を示す。

具体的には、これまでは業務部門からの要望に対してIT部門で構築することが一般的だったが、業務部門が現場で使いたいシステムを作り、IT部門は業務部門に仕組みの提供や活用の支援を行う、というようにそれぞれの役割を再定義し、それを可能にするソリューションが必要だという。そして、それを実現するものがkintoneというわけだ。

IT部門と業務部門における役割の再定義する必要があるという

IT部門と業務部門における役割の再定義する必要があるという

同氏はkintoneについて「プログラムが不要で、標準機能に加えて100種類以上の拡張機能を備え、1000アプリまで定額でシステム開発を可能としており、現場のニーズに応えた業務システムを誰でも簡単にデザインできるクラウドサービスだ。社内に存在する情報共有ニーズに対応するとともに、業務部門を主体としたシステム開発をサポートし、システムのスピーディな立ち上げや変更も柔軟に対応できる」と、そのメリットを説く。

kintoneの特徴

kintoneの特徴

2011年のサービス開始から現在では1万8000社が利用し、東証1部上場企業の5社に1社が導入しており、幅広い業種・業務で活用され、導入担当者の部門内訳では非IT部門が82%だという。

昨年は新型コロナウイルスへの対応として厚生労働省や大阪府、神奈川県、兵庫県加古川市などで現場の情報収集(感染者数、PCR検査数、医療機関の稼働状況など)に導入され、迅速にシステムを構築したほか、民間企業でも日清食品グループでは内製化に適したローコードツールとして導入、電子化とペーパレス化を実現している。