WSLのUbuntuは言語パッケージがインストールされていない

WSL(Windows Subsystem for Linux)のUbuntuを使っていると気付くと思うが、Microsoft StoreからインストールしたUbuntuには日本語化パッケージがインストールされていない。Linuxディストリビューションでは通常、環境変数LANGを「ja_JP.UTF-8」に設定するとコマンドやアプリケーションの動作や出力が日本語に対応するのだが、WSLのUbuntuではそうならない。

環境変数LANGを「ja_JP.UTF-8」に設定してもコマンドの出力が日本語にならない

これは日本語化パッケージがインストールされていないためだ。Linuxディストリビューションでは日本語化パッケージはコアパッケージには入っておらず、言語パッケージとして提供されていることがほとんどである。日本語化パッケージをインストールすればコマンドやアプリケーションの動きを日本語化することができる。

日本語化パッケージのインストール

日本語化に関するデータはパッケージ「language-pack-ja」にまとまっているので、これをインストールすればよい。

日本語化パッケージのインストール

sudo apt install language-pack-ja

日本語化パッケージをインストールし、「ja_JP.UTF-8」が利用できる状態になったUbuntu

環境変数LANGを「ja_JP.UTF-8」に設定した状態でコマンドを実行すれば、コマンドの出力が日本語になることを確認できる。

環境変数LANGを「ja_JP.UTF-8」に設定した状態でコマンドを実行するとコマンドの出力が日本語化される

コマンド出力などを日本語化した状態で使いたい場合、マニュアルも当然日本語になっていてほしいところだ。しかし、日本語化パッケージをインストールしただけでは、マニュアルは英語のままである。

この状態でもマニュアルは英語のまま

日本語のオンラインマニュアルは言語パックではなくパッケージ「manpage-ja」にまとまっているので、日本語のマニュアルが必要な場合にはこちらもインストールする。

日本語マニュアルをインストール

sudo apt install manpages-ja

インストール後は、次のようにマニュアルページの出力が日本語になったことを確認できる。

日本語化されたオンラインマニュアル

永続的に日本語の状態で使いたい場合、ホームディレクトリ以下の.bashrcファイルの最後の行に次の設定を追加すればよい。

export LANG=ja_JP.UTF-8

その後、コンソールを再起動すれば、以降は日本語設定の状態で利用することができる。

マニュアルページの日本語訳はちょっと意味がわかりづらかったり、翻訳が遅れていたりする部分もある。マニュアルページの英文はそれほど難しいイディオムやフレーズが使われているわけではないので、「頑張れば読める」のであれば、英語のまま利用するのも悪くない方法だ。