さて、今回はi-SOBOTとケータイの組み合わせのプログラミング方法を具体的に解説していきましょう。

プロジェクトの作成とISCLの追加

前回の最後に解説した準備が整ったところで、はじめての携帯電話によるi-SOBOTプログラミングを始めましょう。今回作るのは、携帯電話の決定ボタンを押すことで、i-SOBOTに「こんにちは!」と挨拶させるプログラムです。

「プロジェクト」は、アプリの開発に必要なファイルを管理するための単位です。まずはこれを作りましょう。「iαppli Development Kit」をインストールすると、「スタート」メニューに「iαppliTool for DoJa」が追加されているので起動します。

iαppliTool for DoJa の起動画面

はじめての起動時には、環境設定で自分が利用するテキストエディタのパスを設定したほうがいいでしょう。「設定」メニュー→「エミュレータ環境設定」→「ソースエディタの設定」で自分が利用するテキストエディタのパスを指定します。

「ソースエディタの設定」タブでテキストエディタのパスを指定

「プロジェクト新規作成」ボタンを押すと「新規作成」ダイアログが開くので、プロジェクト名に「HelloWorld」と入力して作成ボタンを押します。次に「テンプレートを利用する」のチェックをはずして「作成」ボタンを押します。「ソースファイルの新規作成」ダイアログが開くので、そのまま「作成」ボタンを押します。

プロジェクトを新規作成

「テンプレートを利用する」をオフにする

成功すると「iαppli Development Kit」のルートにあるapps ディレクトリの下にHelloWorldディレクトリ(C:\iDKDoJa5.1\apps\HelloWorld)が生成されます。その中に次の4つのディレクトリができているはずなので確認してください。

  • bin : JARファイルとJAMファイル
  • res : 画像ファイルやサウンドファイル
  • sp : スクラッチパッドデータ
  • src : ソースコード

次に「i-Sobot Control Library(ISCL) for DoJa」を解凍した中にある「ISCL.jar」をライブラリとして追加します。iαplliToolの「プロジェクト」メニュー→「iアプリライブラリ」を選択します。開いたダイアログで「新規登録」ボタンを押し、「ISCL.jar」を選択するとリストに追加されるので「ISCL」のチェックボックスをオンにします。最後に「閉じる」ボタンを押して完了です。これでプロジェクト内でISCLクラスを利用できるようになります。

iアプリライブラリとしてISCL.jar を追加

ソースコードの記述

今回のプログラムは、次の2つのクラスで構成されています。

  • HelloWorldクラス ‐ 本体
  • HelloCanvasクラス ‐ キャンバス

HelloWorldクラスは、アプリの本体となるクラスです。テキストエディタを使って次のリストのように「HelloWorld.java」を記述し、srcフォルダに配置します。プログラミング言語はJava言語を利用します。言語仕様などについては、Java言語の入門書籍を参照してください。

リスト<HelloWorld.java>
import com.nttdocomo.ui.*;

//HelloWorld(本体)
public class HelloWorld extends IApplication {

//アプリの開始
public void start() {
Display.setCurrent(new HelloCanvas());
}
}

HelloCanvasクラスは、キャンバスとなるクラスです。テキストエディタを使って次のリストのように「HelloCanvas.java」を記述し、srcフォルダに配置します。

リスト<HelloCanvas.java>
import com.nttdocomo.ui.*;

//HelloCanvas(キャンバス)
public class HelloCanvas extends Canvas {
//ISCL
private ISCL iscl=new ISCL();

//描画
public void paint(Graphics g) {
g.drawString("Hello World!",0,12);
}

//キーイベントの処理
public void processEvent(int type,int param) {
//選択キーを押した時
if (type==Display.KEY_PRESSED_EVENT &&
param==Display.KEY_SELECT) {
//「No.67 会う3」を送信
iscl.send(ISCL.A,67);
}
}

}

ビルドと実機での実行

ちなみに、iアプリは実行ファイル「JARファイル(*.jar)」と属性ファイル「ADFファイル(*.jam)」で構成されています。ADFファイルはアプリの名前やバージョンなどの情報を記述したファイルで、端末はADFファイルを先にサーバからダウンロードして、そのiアプリが実行可能かどうかチェックしてから、JARファイルをダウンロードする仕組みになっています。

iαppliToolの「ビルド」ボタンを押してください。成功すれば、binディレクトリにJARファイルが生成されます。JARファイルが完成したら、「iαppliTool」の「ADF設定」ボタンを押して編集します。今回のアプリはほとんど初期値のままでOKです。設定が必要な項目は「AppName(アプリ名)」「PackageURL(Jarファイルのダウンロード先URL)」「AppSize(Jarファイルのサイズ[バイト単位])」「AppClass(最初に実行するクラス名)」「LastModified(最終更新日)」だけです。今回はさらに画面サイズを、「DrawArea(描画領域)」で240×240と指定しています。

作ったiアプリを携帯電話にダウンロードするには、一度ネットに公開してダウンロードできるようにするのがいいでしょう。先ほどのビルドでJARファイルとADFファイルのほかに、binフォルダにダウンロード用HTMLが生成されているので、HelloWorld.jar、HelloWorld.jam、Download.htmlの3つのファイルを、インターネット上にアップロードすれば準備OKです。携帯アプリダウンロードサービス「アプリ★ゲット」の作者サポートサイトがホームページのホスティングサービスを行っているので、そこへアプリをアップロードするのが簡単です。アップロードしたファイルにアクセスするためのURLは「http://ac.appget.com/作者ID/ファイル名」です。実機でダウンロード用HTMLファイルにアクセスし、ダウンロード用のリンクをクリックすれば、アプリをダウンロードすることができます。

動画
ケータイでHello World

次回は、i-SOBOTとパソコンの組み合わせでできることを詳しく紹介。乞うご期待。

なお、詳しい方法やプログラム等は発売中の「PLUS ROBOT vol.1」で述べています。