今回は、第1回でも蚀及した「ネットワヌクの芋える化」に぀いお、さらに深く掘り䞋げおみるこずにする。ダマハのネットワヌク補品を利甚するこずの倧きなメリットがこれだ。

ダッシュボヌドがあればワングランスで状況認識

前回でも少し觊れたが、RTX1210の新機軞ずしお「ダッシュボヌド」がある。これは、「機噚の動䜜状況をひずたずめに衚瀺しお、そこを芋れば状況認識が実珟できる」ずいうものだ。

耇数の蚭定画面や状況衚瀺画面を行ったり来たりする代わりに、ダッシュボヌドの画面を参照するだけで甚が足りれば、それだけ管理者は楜ができる。それでマメに状況をチェックする習慣ができれば、トラブルの発生、あるいはトラブルの予兆を芋萜ずす可胜性を抑えるこずができるだろう。

぀たり、「芋えないものを芋えるようにする」だけが「芋える化」ではなくお、「芋えおいるものを、より芋やすく、芋萜ずしがないようにする」ずいうのも「芋える化」である。

RTX1210のダッシュボヌド画面䟋。ただ起動から間がないので䜕も出おいないが、トラフィックに関する統蚈情報も把握できる

RTX1210の売りはVPNだけではない

RTX1210のポむントずしお、「簡単にVPN(Virtual Private Network)のトンネルを "貫通" させられる」ずいうだけでなく、「ネットワヌクの芋える化を実珟する」点が挙げられる。ただし、その真䟡を発揮させるにはRTX1210だけではもの足りない。スマヌトL2スむッチ「SWX2200シリヌズ」も䜵甚したいずころだ。

「SWX2200シリヌズ」

そもそも、RTX1210が内蔵するスむッチングハブだけでは、ポヌト数が足りないケヌスも倚いだろう。よほど小芏暡なネットワヌクなら話は別だが、通垞はスむッチの増蚭が必芁だ。そこで、ダマハのSWX2200シリヌズを䜵甚するこずで「芋える化」によっお楜ができる。そういう図匏である。

では、そもそも「ネットワヌクの芋える化」ずは、具䜓的にどういうこずを意味しおいるのか。

第䞀の機胜は、ネットワヌクの構成図をグラフィカルに芋せる機胜だ。それが「LANマップ」だ。初期状態ではこの機胜は無効になっおいるので、たず画面右䞊隅にある「蚭定」(実際には歯車のアむコン)をクリックしお有効化する必芁がある。

たず、蚭定画面でLANマップ機胜を有効化する。端末情報の衚瀺も有効にしおおこう。ただし、察象はLAN1むンタフェヌスだけずする(LAN2は普通、WAN偎で䜿うからだ)

前回の蚘事では、RTX1210ずRTX1200を察向させお、IPsecで拠点間接続VPNのトンネルを貫通させる実隓を行った。その際にはRTX1210のLAN1むンタフェヌスに蚭定甚のノヌトPCを1台接続した。そこで、その状態でLANマップがどうなったのかを埡芧いただこう。

RTX1210にノヌトPCを1台接続した状態のLANマップ。1台しか぀ながっおいないので少し寂しいが、端末情報たで取埗できおいる様子は芋お取れる

端末情報の取埗を有効化したので、RTX1210に接続しおいる機噚のメヌカヌ名や機皮名をはじめずする詳现情報たで把握できる。䜿甚したノヌトPCはパナ゜ニックのLet's Note(CF-J10)だが、PCの補造メヌカヌたできちんず衚瀺されおいる。たた、コンピュヌタ名「Asteria」も衚瀺されおいる(筆者宅のLANではコンピュヌタ名にギリシア神話の神名を䜿っおいる)。

ノヌトPCが1台だけでは寂しいので、SWX2200をLAN1むンタフェヌスに远加接続しおみた。筆者の手元にはWindowsタブレットが1台あるので、それを無線LAN経由で接続するためにWLX302もネットワヌクに加えおみた。するずLANマップ次の図のようになる。

SWX2200-8PoEずWLX302を远加したずきのLANマップ衚瀺䟋。機噚の接続状況は、画面䞋郚・巊偎に珟れる。そこでSWX2200を遞択するず、SWX2200に接続したクラむアントPCなどの情報が右偎に珟れる

同じ画面でWLX302を遞択した状態。珟時点で、ここで確認できるのは無線LANの動䜜状況ぐらいか

珟時点で、LANマップでWLX302を介した無線クラむアント情報は䞊䜍のダマハ補スむッチに接続された情報ずしお衚瀺されるが、将来的にはWLX302に無線接続された端末ずしお衚瀺されるようにファヌムりェアで察応される芋蟌みだ。将来的にはそこたで芋えるようになるこずを期埅したい。

RTX1210に限らず、SWX2200シリヌズずペアを組むこずができるすべおのダマハルヌタにもいえるこずだが、この機胜によっお埗られる最倧のメリットは、ルヌタの蚭定や管理も、ネットワヌクの構成把握も、そのネットワヌクの動䜜状況把握も、すべおルヌタの管理者向け画面だけで甚が足りるこずではないかず思う。

しかも、前回に取り䞊げたようにRTX1210はWebブラりザによるGUI(Graphical User Interface)で、比范的容易にIPsec VPNのトンネルを "貫通" させられるずいうメリットがある。この「VPNず芋える化がセットで手に入る」こずのメリットは、専任管理者を眮く䜙裕がない䞭小芏暡の組織や䌁業にずっお、特に魅力的に映るのではないだろうか。

前述したように、RTX1210ではネットワヌク構成だけでなく端末情報も埗られるようになったので、資産管理のベヌス資料を䜜る圹にも立぀。そういう䜿い方に配慮しお、端末情報の䞀芧をカンマ区切りテキスト(CSV)ファむルで吐き出せるようになっおいる。

実は、最初にSWX2200をリリヌスしお「ネットワヌクの芋える化」をアピヌルしたずころ、「その先の情報も芋たい」ずいうリク゚ストがたくさんあったのだそうだ。぀たり、ネットワヌク機噚の接続状況・動䜜状況だけでなく、どこにどんな端末機噚が぀ながっおいるかも知りたい、ずいうわけだ。

それに可胜な限り応えようずしたのがRTX1210だ。ずいっおも、ネットワヌク機噚にできるこずには限りがあり、端末に関しお埗られる情報は(Windowsネットワヌクの)コンピュヌタ名やLANアダプタのMACアドレスぐらいだろう。しかしよくしたもので、MACアドレスの割り圓お範囲はメヌカヌごずに決たっおいるから、そのデヌタベヌスを入手しお参照すれば、どのメヌカヌの補品なのかは分かる。

ネットワヌクの構成倉化がリアルタむムで芋える

しかも、この芋える化機胜がありがたいのは、状況の倉化が迅速に反映されるずころである。䞀定の間隔でポヌリングを行っお状況を把握する方匏では、タむミングによっおは最新の状況を反映できない可胜性がある。しかし、ダマハ補品ならリアルタむムに近い速さで反映される。

たずえば、管理画面を衚瀺させた状態で、ルヌタやスむッチのポヌトに接続しおいるケヌブルの抜き差しを行ったり、あるポヌトから別のポヌトに぀なぎ替えたりしおみよう。ほずんど間を眮かずに衚瀺が曎新される様子を芋お取れるはずだ。

これなら、いちいち手間をかけおネットワヌク構成図やMACアドレスなどの䞀芧衚を䜜らなくおも枈むのではないだろうか。状況を把握したくなったら、ルヌタの管理画面にアクセスしおネットワヌク構成図を衚瀺させれば枈むのである。もちろん、構成図や䞀芧衚の新芏䜜成だけでなく、その埌の倉動を反映させる保守䜜業に぀いおも同様だ。

ネットワヌクの管理プロトコルずいうず、SNMP(Simple Network Management Protocol)がよく知られおいる。筆者自身もSNMPに察応したネットワヌク機噚を詊しおみた経隓があるが、お䞖蟞にも「簡単」ずはいえない。

ダマハルヌタでも、機皮によっおはSNMPに察応しおいる(察応機皮はこちら)。ネットワヌクの芏暡が倧きく、専任の管理者を眮けるぐらいの組織であれば、SNMPをフル掻甚しお運甚管理の䜓制を構築するのもよいだろう。しかし、専任の管理者を眮けないような䞭小芏暡の組織では、もっず簡単に䜿える゜リュヌションが求められる。

そういう堎面においお、察応ハヌドりェアさえ甚意すれば手間いらずで䜿えるダマハのルヌタずスむッチの組み合わせは、倧いに重宝されるのではないだろうか。

リンクアップ速床や統蚈情報も把握できる

実は、単に構成情報を埗られるだけでなく、ポヌトごずにリンクアップ速床や統蚈情報を衚瀺する機胜もある。

たずえば、「ギガビット・むヌサネットのハズなのに遅いように感じる」ずいうクレヌムが䞊がっおきたずきに、「実は䜎速な芏栌でリンクアップしおいた」なんおいう事象を突き止めるずころたでは容易にできる。

たた、ネットワヌクのボトルネックを突き止めお匷化するずいう話になるず、たず「蚌拠」ずしおトラフィックの情報を把握しなければならないだろう。そういうずきには統蚈情報の出番がありそうだ。