2025年5月21~23日にかけて、日本では第2回目となる防衛・セキュリティ総合展示会「DSEI Japan」が開催された。しばらく、そこで拾ってきた話題を取り上げてみようと思う。
指揮管制装置とは
いきなり私事で恐縮だが、筆者は「指揮管制装置大好き人間」である。Command and Control Systemとか、BMS(Battle Management System)とか、いろいろな呼び方がされるが、要は「戦闘状況の把握と指揮を支援するシステム」である。
昔なら、紙の地図の上に自軍や敵軍のユニットを示す駒を置くなどして、戦場の状況を把握していた。指揮官はそれを見ながら、指揮下の部隊をどう動かして、どこを攻撃させて(あるいは、どこを守備させて)、任務の達成につなげようか、と知恵を絞っていた。
しかしこれでは、地図上に置かれた駒は動いてくれないから、自軍あるいは敵軍のユニットの動向に関する新たな情報が入ってくるまで、変化が分からない。
第一、その動向に関する情報が確実に、遅滞なく届くかどうかすら確実ではない。無線による口頭の伝達が主な手段になるから、言い間違いや聞き間違いのリスクもついて回る。また、指揮下の部隊が報告を上げてくるときに、場所を間違えるリスクもある。