洋上では、艦艇にレーダーなどの電測兵装を搭載する。空の上なら航空機に搭載するのが基本だが、たまに気球に搭載する等の例外も発生する。では陸上はどうかというと、地上に固定設置する場合、車載する場合、そして車載ではないが移動式にする場合の3パターンが考えられる。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。
車載式と移動式
このうち固定設置については、第542回でレーダーサイトの話を書いたので割愛するとして、残り2パターンについて考えてみたい。
レーダーサイトにレーダー、あるいはその他の電波兵器を固定設置するのであれば、モノが大がかりになっても対応できる。その極めつけが、巨大な送信用アンテナを必要とする超長波(VLF : Very Low Frequency)や極超長波(ELF : Extremely Low Frequency)無線通信の送信所ということになろうか。
また、長崎県の針尾にある旧日本海軍の送信所は、周囲の地上から、あるいは長崎から壱岐に向かう飛行機から遠望できるぐらいの巨大施設だ。現在は、空中線は撤去されているが、それを支持するためのコンクリート製の塔が3基、残っている。近くを飛ぶ飛行機から見下ろすと、それと分かるぐらいに目立つ。