忙しい毎日ですが、ふとブラウザウィンドウを開いたら良い情報が見つかるということがあります。すぐに読んでみたいなと思うと同時に、記事が長かったり考えさせられる文章だと後回しにしてしまいます。読めるタイミングがくるまでブラウザに表示しておくわけにはいかないので、ブックマークに「あとで読む」というタグを付けたり、 (あとで読む) のようなメール送信サービスを利用して、欲しい情報を漏らさないようにしている方もいると思います。

しかし、あとで読みたい情報がブックマークするほどの情報なのかどうかは読む前なので判断しにくいですし、ただ単に先送りしてしまうとあとで読む記事がどんどん溜まっていき読んでも達成感がありません。こうしたあとで読みたい情報を効率よくかつ簡単に整理出来るツールを WebクリッピングサービスTumblrの開発者である Marco Arment が開発しました。

Instapaper は、あとで読みたい記事をクリッピングしておくサービス。Tumblrと同様、説明不要といって良いほどシンプルなコンセプトと簡単な操作を実現しています。会員登録から非常にシンプルな作りでユーザー名かメールアドレスを入力するだけですぐに始めることが出来ます。あとでパスワードを自分で設定することが出来ますが、パスワードを使わなくてもユーザー名もしくはメールアドレスだけでログインすることが出来るようになっています。

自分があとで読みたい記事をまとめるだけのサイトなので共有という概念はありません。「Register」から会員登録をします

メールアドレス、ユーザー名いずれかを入力するだけで Instapaper を利用することが出来ます

ログインは登録時に入力したユーザー名またはメールアドレスだけで可能です。もしパスワード保護が欲しい場合は右上のメニューにある Password で設定すると、次回からログインにパスワードが必要になります

登録後にブックマークレットをブラウザーのブックマークバーにドラッグ&ドロップして準備完了です。あとで読みたい記事が見つかったら「Read Later」ブックマークレットをクリックするだけ。「Saved!」というメッセージウィンドウが表示されますが、自動的に閉じるのでブラウジングの邪魔になりません。テキストをハイライトしてブックマークレットをクリックすると Summary (概要) として Instapaper に保存されます。

ソーシャルブックマークサービスと同様、ブックマークレットをブラウザに登録して利用。ハイライトをして登録すれば概要も一緒に保存されます

こうして集めた記事は「Unread」として Instapaper のマイページにリストされます。また読みたくなったらリンクをクリック。観覧した記事は自動的に「Unread」から「Recently read」へ移動します。つまり、あとで読みたい記事を読んだかどうかを自動的に管理してくれるわけです。読んだ記事もまた「Unread」へ戻すことが出来ますし、やっぱり読むかどうか分からないという記事は「Skip」をクリックしてページ一番下の「Recently skipped」へ移動させることが出来ます。Instapaper は保存したページのテキスト版を自動的に生成する機能があり、「Unread」リストの右側にある「Text」をクリックすると広告や画像が省かれたシンプル版で記事を読むことが出来ます。

未読、既読、スキップしている記事の順番にリスト表示されます。記事のタイトルか「Text」をクリックすると読んだとみなし、記事は既読リストへ移動します。

Instapaper のページから記事の追加や編集も出来るようになっています。登録のための必須項目は URL だけなので気軽にどんどん追加出来ます

機能はわずかなので一見物足りない感じもする Instapaper ですが、あとで読みたい記事を集めて読みやすい環境と読んだかどうかを確認出来るという目的をシンプルかつ効果的に解決しているサービスです。あとで読みたい記事を Instapaper に保管し、読んでみてブックマークしておきたいなと感じたのあれば改めてお気に入りのブックマークサービスに記事を保存するという情報のフローを作ることが可能です。使うサービスがひとつ増えるものの、ありそうでなかった自分の情報の整理をつなぎ合わせる重要なリンクになりそうです。

Instapaper が提供しているテキスト版のページ。画像はすべて非表示ですが、文章を読むだけであれば元ページより読みやすいかもしれません

未読の記事は RSS リーダーから読むことが出来ます