Google App Engineを使う環境が整ったところで、今回からは実際にGoogle App Engineを触ってみたい。もちろん今回の連載はプログラム入門講座ではないので、専門知識なしでもGoogle App Engineの概要がわかる初歩的な使い方から解説していく。

原口 豊(はらぐち・ゆたか)
大手証券会社システム部に在籍後、1998年ベイテックシステムズ(現サテライトオフィス)を設立し、社長就任。2008年に、いち早くクラウドコンピューティングの可能性に注目し、GoogleApps(TM)導入サポートを開始。導入実績は、ガリバー、アデランス、三井倉庫などの大手企業から、中堅・中小企業まで、600社以上。「組織&グループカレンダー for Google Apps」など、多数のテンプレートを無償提供するなど、Google Appsの普及に尽力。Google Enterprise Day 2011ではパートナーアワードを3年連続で受賞した。

誰でも試せる「Hello world!」

それでは早速、インストールが完了した「Google App Engine Launcher」をスタートメニューから起動しよう。起動時に警告メッセージが表示されることもあるが、これはPytonのパスが通っていないためなので心配無用だ。

ここは一度「OK」をクリックして、Google App Engine Launcherの「edit」から「Preferences」を選択。「Python Path」の項目でPythonがインストールされたフォルダを開き、「python.exe」を指定する。Google App Engine Launcherを再起動して、警告メッセージが表示されなければ準備は完了だ。

まずはGoogle App Engine Launcherのメインメニューから「File」→「Create New Application」を選択する。設定ウィンドウが開いたら「Application Name」の項目へ、前回の登録時「Application Identifier」に記載したものと同じ任意の文字列を入力。続いて「Parent Directory」項目の「Browse」を押し、Cドライブへ任意のフォルダを作成後に「Create」をクリックする。

続いて、一覧に表示されたアプリケーションを指定し「Run」ボタンをクリックすると、コマンドプロンプトのウィンドウが表示される。これを消さずにGoogle App Engine Launcherへ戻り、アプリケーションが指定された状態で「Browse」ボタンをクリックしてみよう。すると、ブラウザ上に「Hello world!」という文字が表示されたはずだ。

Pytonのパスが通っていないと起動時に警告メッセージが表示される。ここは焦らず「OK」をクリック

Google App Engine Launcherの「edit」から「Preferences」を選択

「Python Path」の項目でPythonがインストールされたフォルダを開き「python.exe」を指定、「OK」をクリックする

Google App Engine Launcherのメインメニューから「File」→「Create New Application」を選択する。設定ウィンドウの「Application Name」項目へ、前回の登録時「Application Identifier」に記載したものと同じ任意の文字列を入力。続いて「Parent Directory」項目の「Browse」を押し、Cドライブへ任意のフォルダを作成後に「Create」をクリックする

一覧に表示されたアプリケーションを指定し「Run」ボタンをクリック

コマンドプロンプトのウィンドウが表示されたら、これを消さずにGoogle App Engine Launcherへ戻り、アプリケーションが指定された状態で「Browse」ボタンをクリックする

これでブラウザ上に「Hello world!」という文字が表示される

スクリプトファイルを書き換えてみる

何も入力していないのに「Hello world!」という文字を表示できたのは、Google App Engine Launcherで新規アプリケーションを作成した際、同時に簡易的な初期プログラムが作られるためだ。プログラムは、先ほど作成したフォルダ内の「main.py」というファイルに記載されている。このファイルをワードパッドなどで開いてみよう。

この中にある「self.response.out.write('Hello world!')」という文字列が、ブラウザ上で文字を表示していた命令だ。それでは続いて、この「Hello world!」部分を「Hello world! Hello mynavi!」へと書き換えてみる。

ちなみに、Google App Engine Launcherでは実行中のアプリケーションを終了することなく更新できるのもポイント。先ほど実行したままならば、書き換えたmain.pyファイルを上書き保存し、ブラウザをリロードするだけで変更が反映される。

書き換え時の注意点として、なかには強制的にテキスト形式で保存してしまうエディタもあるので、必ず拡張子が「.py」(Pythonのスクリプトファイル)になっているかを確認してもらいたい。

なお、Google App Engineのチュートリアルにある通り、main.pyの中身を下記のように書き換えても、先ほどと同様に「Hello world!」の文字が表示できる。

print 'Content-Type: text/plain'
print ''
print 'Hello, world!'

作成したフォルダ内の「main.py」がスクリプトファイルだ。これをワードパッドなどのエディタで開き、「Hello world!」部分を書き換えてみよう

「Hello world! Hello mynavi!」へと書き換えて上書き保存した後、ブラウザをリロードすると変更が反映されている

アプリケーションの動作を停止させるには「Stop」ボタンをクリックする。このように、Google App Engine Launcherを使うとGoogle App Engineの機能を簡単に体験できるので、興味のある人はぜひ一度トライしていただきたい。