第1回目で述べたように、自分の子どもがインターネットを利用する際には、親の責任での「線引き」が必要です。無秩序に子どもがネットを利用していると、思わぬ被害を招いたり、逆に未熟さからネット事件などの加害者になってしまう危険性もあります。

そうしたことが起きないようにするためにも、親が子どものネット利用を管理する必要があります。ひとくちに管理すると言ってもその方策はいろいろあります。まずは、親子で1台のパソコンを共有している環境を想定し、現行の最新OSであるWindows Vistaに標準で用意されている機能を使ってみましょう。

想定する環境と目的

  • 環境) 家庭内で1台のWindows Vista搭載パソコンを共有している
  • 目的) 子どものインターネット利用を管理したい
  • OS操作) 保護者用アカウントと子ども用アカウントを作る
  • OS操作) 子ども用アカウントにはインターネット閲覧制限の設定を行なう
  • OS操作) 子どもには、子ども用アカウントでログインさせる

まずは子ども用のアカウントを作成

共有PCを使っている場合、まずは親のアカウントと子どものアカウントを分けて利用することが必要です。

仕事のデータを持ち帰っている場合や仕事のメールを受信している場合など、親のデータを子どもに見られるのは問題ですし、親子で同じ設定のマシンを使っていては、子どものネット利用を管理することができなくなるからです。

親用のアカウント(ここでは「koyama」)と子ども用のアカウント(「子ども」)を分けるのが最初のポイント。アカウント作成後は、子どもには子ども用アカウントを選ばせるようにする

というわけで、まず、最初の準備として子ども用のアカウントを作成しましょう。

Vistaの<スタート>ボタンから「コントロールパネル」を選択します。ウィンドウが立ち上がったら、「ユーザー アカウントと家族のための安全設定」(デフォルト表示の場合)を選びます。

コントロールパネルの「ユーザー アカウントの追加または削除」から設定を行います

そこで「ユーザー アカウント」にある「ユーザーアカウントの追加または削除」を選択します。

通常、そこで「ユーザーアカウントの制御」(UAC)の画面が立ち上がりますので、ここでは<OK>ボタンを押してください。以降の設定中に同じようにUAC画面が出た場合は<続行>ボタンを押してください。

画面が暗くなってダイアログが表示されるのがUACです。自分が実行したのであれば<続行>ボタンを押して続けます

そうすると既存のアカウントが表示されます。何も設定していなければ、アカウントは標準のユーザーと「Guest」の2種類だけです。親が使う標準のアカウントの種類は「Administrator(管理者)」になっています。さらに「パスワード保護」とパスワードが設定されていることを確認してください。

アカウントの管理画面。親のアカウント(ここでは「koyama」)が「Administrator」「パスワード保護」となっている点に注意してください。子どものアカウントは「標準ユーザー」です

パスワードは必ず設定しましょう。設定していない場合は親のアカウントをクリックし、「パスワードの変更」からパスワードを設定してください。ただし、ここで設定したパスワードは子どもには決して教えず、子どもが推測できないものにしなくてはいけません。

子ども用のアカウントを作成するには「新しいアカウントの作成」をクリックします。「新しいアカウント名」のボックスに子どもの名前などを入力し、「アカウントの種類」は「標準ユーザー」にするのがポイントです。子ども用アカウントのパスワードの設定は任意です。

子どもは「標準ユーザー」に設定しなければ意味がありません

こうして作成された標準ユーザーのアカウントでは、先述のUACの画面が出た場合に、管理者のパスワードを入力しない限り作業が続けられません。これを設定することで、子どもが親の設定を勝手に変更したり、危険なソフトウェアをインストールするといったことがなくなります

(次回につづく)

子どもには「子ども専用アカウントでログインさせる」

子ども用のアカウントを作成後、パソコンを再起動するとログオン画面でアカウントを選択するようになります。今後、お子さんには、子ども専用アカウントをクリックしてログオンするように教えておきましょう。当然ですが、保護者用アカウントにはパスワードが設定されているので、子どもが勝手に利用することはできません。