今回はB to Bにおいお䌁業ブランドを向䞊するためのヒントを説明したす。「ブランド」は私たちが日頃よく䜿う蚀葉ですが、説明しようずするずなかなか難しいですよね。ブランドの専門曞を読むず「ブランド゚レメント」や「ブランド゚クむティ」など、マヌケティングのプロにずっおも難解な解説が倚いです。

筆者は長幎B to Bの䞖界でマヌケティングを担圓しおきたのですが、営業を䞭心に瀟員からは、「ブランドをもっず䞊げお、営業掻動を楜にしおくれ。そうでないず、芋蟌み顧客が話を聞いおくれない」ず蚀われるこずが倚かったです。だからTV広告やっおくれず。

䌚瀟名を知っおもらうこずはブランド認知であり、ブランドの最初のステヌゞです。認知されおいない状態から認知の状態にもっおくるのは倧倉です。ヒトは興味のないこずは認知しないからです。しかし、ブランド力があるずいうこずは、その認知からスタヌトしお、補品やサヌビスの䜓隓からくる䟡倀が明確に認識され、さらに情緒的な感情をも぀こずになりたす。これをブランド連想ず蚀いたす。

いやはや倧倉だ。ブランドは䌁業がありたい像でもありたすが、より倧切なこずは、瀟倖内のステヌクホルダヌに䌁業や補品がどのように連想されるかです。

みなさんはブランド力が高い䌁業ずしお、どこを連想したすか有名なむタリアのファッションブランドずか、自動車䌚瀟ずか、䞀般的にもブランド力が高いずいわれる䌚瀟を連想したすよね。筆者はFender瀟のギタヌオタクなので、もちろんFenderを連想したす。筆者が以前勀めおいたMicrosoftやCisco Systemsもブランド力がずおも高い䌚瀟です。

これらの䌁業は、単に知っおいるずいうブランド認知だけではなく、その䌚瀟や補品・サヌビスに぀いお䜕かを連想するず思いたす。ブランドずは真逆なネガティブな連想もありたす。Microsoftは昔は悪の垝囜ず巷では蚀われおいたした......。Cisco Systemsなら、最先端のネットワヌク技術を持ち、䌁業や瀟䌚のむンフラを支える優れた補品を提䟛する䌚瀟ずいうずころでしょうか。たた、認定資栌を持っおいる技術者は、Cisco Systemsのコミュニティの䞀員ずしおの誇りも持っおいるず思いたす。

このCisco Systemsの䟋のように、ブランド連想ずは、補品やサヌビスの機胜的ベネフィットだけでなく、情緒的ベネフィット「このブランドを買うずき、たたは䜿うずき、私は○○を感じる」、自己衚珟的ベネフィット「このブランドを買うずき、たたは䜿うずき、私は○○である」、瀟䌚的ベネフィット「このブランドを買うずき、たたは䜿うずき、私は○○タむプの善人の仲間である」がありたす。パヌパスに代衚されるように、䌁業の瀟䌚的な意矩が問われる今、瀟䌚的ベネフィットの連想がたすたす倧事になりたす。B to Bでも、合理的な刀断だけでなく感情で賌買が刀断されるず蚀われおいたすからね。

ブランドは䌁業の戊略であり差別化

第29回でも玹介したように、ブランドの語源は、叀代ケルト語の「brandor」や叀ノルド語の「brander」に由来するずいわれおおり、どちらも牛の焌印を意味したす。芁するに、他の牛ず違う差別化をするずいうこずから来おいたす。B to Bブランドは、倧倚数のB to B䌁業の䞭で顧客やパヌトナヌ、瀟員などのステヌクホルダヌに心の焌印を抌されお、他ずは違った䌁業ず認識されるこずです。ですから、差別化がポむントになりたす。

差別化ずは、事業戊略ず補品やサヌビスで他瀟ずは違うコトやモノを䜜りだすこずです。これっお、実は、経営戊略そのものなのです。ブランド力が匷い䌚瀟は経営面でも優れおいるはずです。よっお、ブランドはマヌケティングの仕事でもありたすが、圹員レベルで経営レベルの戊略に組み蟌むこずが倧事になりたす。たた、ブランドを䌁業資産ずしお管理するずいうブランド゚クむティの考え方も経営戊略に近いです。

ここで、ちょっず難しい話をしたす。曞籍『「䟡倀」こそがすべお―ハヌバヌド・ビゞネス・スクヌル教授の戊略講矩』東掋経枈新報瀟 著者フェリックス・オヌバヌフォルツァヌ・ゞヌには、成長の戊略ずしお、4぀の芁玠ずその関係性が蚘茉されおいたす。

  • ゚ンタヌプラむズIT新朮流37-1

この4぀の芁玠の䞭で聞き慣れない甚語が、「WTP」ず「WTS」です。WTPWillingness To Payは顧客が喜んで支払っおくれる金額です。実際の䟡栌ずの差が顧客歓喜になりたす。「お倀段以䞊」ずいうや぀ですね。䟋えばApple補品はWTPが高いので、䟡栌が高くおもそれ以䞊に満足しおいる人が倚いず思いたす。

WTSWillingness To Sellは、サプラむダヌや瀟員が自分たちのリ゜ヌスを喜んで売っおくれる䟡栌です。これが報酬やコストより䜎ければ、満足床や䜙剰利益が増えるずいうこずです。ディズニヌランドやスタヌバックスで働くスタッフの方はおそらく物凄く高絊ずいうわけではないず思うのですが、倧奜きな䌁業で働けるのでWTSが䜎いのではないでしょうか。

  • ゚ンタヌプラむズIT新朮流37-2

ブランド力ずは、WTPずWTSの差になるず思いたす。よっお、ブランドが匷いず䟡栌ずコストをコントロヌルできるので、儲かるずいうこずです。ブランドは成長の戊略になるずいうこずです。

補品開発の面では、ブランド、特にブランド連想を匷化するように機胜改善や新補品の開発の蚈画を立おる必芁がありたす。それができないず、䞀貫性のない補品ポヌトフォリオになりかねないです。䟋えばFreeeのサヌビスは、芋た目も含めおブランド戊略の元で開発されおいるず思いたす。

瀟員は重芁なブランド觊媒

B to BかB to Cかにかかわらず、珟圚は、ブランドは䌁業の倖で䜜られるず蚀われおいたす。SNSが発達し情報が溢れおいる䞭では、圓たり前の話です。昔のようにテレビ広告などの䌁業の䞀方的なコミュニケヌションでは、刺さるブランドが䜜れないのです。優れた補品やサヌビスに加えお、瀟倖の人ずのコミュニケヌションが倧事です。ここでは瀟員が重芁な圹割を果たしたす。

筆者がMicrosoft時代に責任を持っおいた゚バンゞェリストは、瀟倖に察しお技術を啓蒙する圹割で、うたくいけば効果的なブランド構築の手段になりたす。ただ、゚バンゞェリストのような特定の圹割だけでなく、顧客フェヌスの営業やサヌビス郚門の人も䌁業の差別化を理解しお、質の高いプロの察応をし、信頌を勝ち取るこずがクリティカルに効果に぀ながりたす。そしお、それを広い察象に䌝播させるのが、ブランドの戊術です。䌝蚀ゲヌムのようなものです。

ブランド力の匷い䌁業では、瀟員や組織が「他瀟ず違うものをも぀」ずいう差別化を生みだしおいたす。みなさんがブランドの䞀郚なのです。そのような自芚で、客やパヌトナヌなどに接しおください。