こちらは秋らしい気候になってきて、昼間は暑いものの、朝晩は半袖では寒い気温になってきました。日本はあつーい夏、ビールがうまい! の季節がまだ続く感じなのでしょうか。

さて、そのビール、どう飲みましたか? Did you gulp your beer or sip it? 同じ「飲む」動作でも、gulp(がぶがぶ飲む)やsip(ちびちび飲む)など、状況を表現する動詞が英語にはいくつもあります。今回は動詞について話をしましょう。

ライティングにはシソーラスを使いこなそう

本や新聞記事などを読んでいると、実に多彩な動詞が状況をぴったりと表していますが、このような使い分けは簡単ではありません。なんといっても語彙力が必要で、一朝一夕にできるようにはならないものです。とくに、会話やライティングで使い分けられるようになまでにはかなり時間がかかるはずです。できるだけたくさんの英文に触れつづけていると、うまく使い分けられるようになるかもしれません。

難しいからといっても、いつも一般的な動詞ばかり使っていては味気ない文章になってしまいます。たとえば、lookもたまにはstare(怒りや興味があってじっと見る)、gaze(つい見とれてしまうようにじっと見る),、gape(驚いてじっと見る)にしてみたり、 あるいはglance(ちらりとすばやく見る)やglimpse(ちょっとだけ見ることができた)などの動詞にしてみたいところです。

では、どうやって適当な単語を探せばいいでしょうか。状況に合いそうな動詞を見つけるには類義語辞典を使うのが一番です。手持ちの電子辞書にはきっとあるはずです。あるいはMS Wordのようなオフィスソフトの類義語辞典/thesaurusを利用する方法もあります。また、ここのようなサイトで検索してもいいでしょう。たとえばこのサイトで"look"を調べると、verb1(definitionがexamineになっているところ)に"stare"や"gaze"といった同義語があります。あとは各動詞がどのような状況で使われるのかを辞書で調べればライティングでの使い分けはなんとかなるでしょう。

会話に英語らしさを与える句動詞

このようにしてライティングはなんとかなるとしても、スピーキングではその場で検索するわけにはいきませんから、どうしても同じ動詞ばかりになってしまいます。ただ、話し言葉の場合、それほど多彩な動詞が使い分けられてはいません。かわりにverb + prepositionは実によく使われています。この組み合わせはかつて受験勉強をしたときに、一生懸命覚えた記憶がある方は少ないないのではないでしょうか。もうすっかり忘れてしまったかもしれませんが、口語ではとくによく使われていますので思い出してみてください。

Verb+prepositionを使うので、話し言葉の場合、動詞の種類はcome, get, give, go, move,takeなど、英語の入門編にでてくる程度の数を知っていれば十分なのではないかと思われます。ここにいろいろなpreposition(前置詞)が付いて、その場に合わせた表現になります。たとえば、

  • Come by!(ちょっとよってね)
  • Figure out?(わかった?)
  • Give it back.(返して)
  • The power went out.(停電した)
  • You helped me out.(助けてくれた)
  • I gonna pick my friend up at 5.(5時に友達を迎えに行く)

など、ちょっと思い出すだけでも数え切れないくらい多くのverb+prepositionの表現があります。トイレに入っているときにノックされたら"Hold on!"(ちょっと待って)と言えばいいですし、前の車を下取りに出して新しい車を手に入れるのは"trade in"です。

このようなverb+prepositionの表現はphrasal verbs(句動詞)と呼ばれていて、"phrasal verbs"でキーワード検索すると多数のサイトで解説されていることがわかります。第13回で紹介したCambridge Dictionary Onlineにもphrasal verbsの辞書があり、調べられるようになっていますのでお試しください。昔勉強したとはいっても、もう覚えていないでしょうし、英語の教科書や参考書などもすでにないでしょうから、このようなサイトを利用して勉強するといいのではないでしょうか。サイトによってはクイズになっているところがあるので、自分がどのくらい知っているかを試すこともできます。

さらに、日本語では名詞としてしか使わないような単語が英語では動詞として使われていることもあります。たとえば、日本語では、「時間を計る」「スケジュールを組む」のように何かの動詞が付くので、measure timeやplan a scheduleのように考えがちですが、いずれの単語も動詞として使えます。スピーチのクラスでは練習のときは"Time yourself."して時間内に終わるようにしなさいと先生が言っていました。Cambridge Dictionary Onlineには

It's a good idea to time yourself while you do the exercises.

のような例文もあります。また、"The next game is scheduled at..."のような言い方は日常生活の中でとてもよく見聞きします。スケジュールが変更になった場合は"reschedule"という動詞を使って、"The meeting was rescheduled on ..."などど言います。もう一度辞書を引いて、動詞として使えるかどうかを確認してみるといいでしょう。余計な動詞を付けなてく済むかもしれません。

このように、動詞は語彙力が必要だったり、日本語の表現をそのまま英語に置き換えると変な英語になってしまったりと意外にも難しいところかもしれません。また、phrasal verbsのように、日本語には概念がない使い方もあります。いずれにしても辞書をマメに引いて正しく理解して、また、英語にできるだけ触れて慣れていくしかないでしょう。

提供:マイナビ転職エージェント

「マイナビ転職エージェント」は、株式会社毎日コミュニケーションズが運営する、人材紹介会社仲介型の転職サイト。

あなたのキャリアやスキルをプロのコンサルタントが丁寧に判断して、成功転職へ導きます。第三者があなたの市場価値を判断する「紹介型転職」は、転職界の新スタンダード。ぜひあなたが納得できる転職を実現してください。