「毎日、英語で30分話す」ために、今回はSkypeを使った英会話練習法を紹介しよう。

Skypeとは無料のインターネット電話だ。まずはヘッドセットを購入しよう。それほど値段は高くなくてもいいのだが、私は安物を買ったせいか、最近、接続不良を起こすことがあり、もう少し高いものを注文したところだ。安物買いの銭失いにならないように注意してほしい。ノートPCなどでマイクとスピーカーが初めから付いている場合はヘッドセットは不要。テレビ電話のように使うならWebカメラも買う必要があるが、最初はなくてもいいだろう。

次にSkypeのインストールだ。こちらから最新バージョン(執筆時点では4.2)が無料でダウンロードできる。

今、私のPCのSkypeではオンラインユーザ数が1,000万人程度いると表示されている。Skypeで会話相手を探す最もシンプルな方法は、「Skypeユーザの検索」を行うことだ。話したい言語や相手の国、性別、年齢層を選択して検索する。たくさんヒットした中から相手を選び、チャットで話しかけて会話をお願いしてみよう。うまくいけば会話ができるかもしれない。

しかし、知らない人にいきなりコンタクトを取るのは勇気がいることだ。向こうの人もいつも暇というわけではないし迷惑かもしれない……という日本人的な遠慮が頭をもたげる。

実は以前のバージョンのSkype 3.8までは、Skype meモードという機能があった。これは外国学習者には便利な機能だった。Skype meモードにしておくと「いつでも話しかけてください」という意思表示をしたことになるのだ。なのでSkype meモードの人だけをユーザ検索の対象にできるので、ヒットした人に話しかけやすかった。また、自分のプロフィールに「英語を話したい」というようなことを英語で書いておくと、誰かが見つけてくれて話しかけてくれたものだ。

私はウィッキーさんの故郷で有名なスリランカの女の子に話しかけられて会話をしたことがある。当時はダラダラと会話をしただけだったが、相手との相性がよければ、よき会話のパートナーとなれるだろう。

しかし、Skype 4.0にバージョンアップされてから、このSkype meモードがなくなった。これがないと誰に話しかけてよいかが判別できなくなり、一部のユーザには評判が悪いようだ。

そこで今回、旧バージョンのSkypeをダウンロードできるサイトからSkype 3.8を入手しダウングレードしてみた。Skype meモードのユーザを検索して、適当な人の自己紹介サイトを見てみると……出るわ出るわアダルトサイト。いつからSkypeはこうなってしまったんだろう。安易にリンクをクリックするのは危険だ。

安全を求める人にオススメなのは言語交換だ(前回参照)。お互いに学びたい言語を教えあうのが言語交換。それをSkypeで行う。世の中には日本語を勉強したい英語を話す人もいるのだ。そういう人を探せばよい。

そういうサイトのひとつであるMyLanguageExchange.comに登録してみた。このサイトの中で言語交換の相手を条件指定で探せるわけだが、無料会員ではこちらからコンタクトが取れないことがわかり、軽くショック。月6ドルの会費(12カ月では24ドル)を払って初めて相手にメッセージが出せるという仕組みだった。

完全無料で言語交換の相手が探せるサイトのひとつがMixxerというサイトだ。ここは米Dickinson大学の方が運営しているらしく、外国語学習者のための教育用フリーサイトと謳われており、安心して使えそうだ。

私はMixxerへのユーザ登録は以前からしていたが、今回、言語交換の相手を探してみたら、フィリピン人で日本語を学びたいという人が見つかったので、チャットで話しかけてみたところ、"sorry, but i can't with you today."だって。なんだかオンラインでナンパをしている感じだ(したことないけど)。

MixxerのサイトにあるFAQを読むと、どうやってlanguage partnerを探せばよいかが書かれてあるので紹介しよう。まずは誰かにメッセージを書く。言語、希望時間、メールアドレスを伝えるとよい。返事が来なくても、別の人にコンタクトを取るように薦めている。ここは外国語を勉強したい人の集まりなのだから、と(ごもっとも)。どれくらい人気のあるサイトかは不明だが、良心的なものを感じる。

たまにDickinson大学のサイト運営者と思われる方からメールが送られてくる。「Dickinson大学の日本語クラスの学生とlanguage exchangeをしませんか?」と。私も過去に一度参加したことがあり、25分ずつ英語と日本語で会話をした。米国の女子大生と会話ができるという珍しい経験をさせていただいた。

と、ここまで書いたところで、Mixxerで私のプロフィールを見たサンフランシスコ在住のアメリカ人女性がSkypeで話しかけてきた! 英語と日本語で1時間会話ができた。日本びいきの人とは安心して会話ができるなあ。Mixxer使える……。

今回はSkypeで言語交換をする方法について紹介したが、スケジュールもそうそう合わないだろうから、さすがに毎日、言語交換するというわけにもいかない。そこで、当初の目的通り、確実に「毎日、英語で30分話す」方法について次回紹介しよう。

著者紹介

本多義則 (Yoshinori Honda)

日立製作所勤務のIT系研究者。10年前に趣味と実益を兼ねて英語学習を再開以来、アナログからデジタルまであらゆるツールを駆使して英語学習に励んでいる。職場では「英語ができる男」と見られているが、実はそうでもない真の実力との差を埋めるべく、英語学習をやめられなくなっている。休みの日の朝は英語のメルマガ執筆にいそしむのが習慣。取得した英語関連の資格は、英検1級、TOEIC955(瞬間最大風速)、通訳案内士(英語)。座右の銘は「あきらめない限り必ず伸びる」。著書に『伸ばしたい!英語力―あきらめない限り必ず伸びる