GPUの搭載によって性能向上を実現した「Titanスパコン」

GPUを搭載した効果を示すのが次の図で、2個のCPUのうちの1個をK20xに変更するとLAMMPSを実行する場合は性能が7.4倍に向上し、効果の小さいS3DやCAM-SEの場合でも性能が1.8倍程度に向上しており、GPUによる性能向上効果は大きい。

K20x GPUはTitanスパコンのために開発されたGPUであり、SC12で発表されたスパコン用のGPUと言われることもあるが、K20がSMと呼ぶ64個の浮動小数演算コアグループを13個持っている構成のGPUであったのを、14個に増加したという代物である。元々、K20チップは2個の演算コアを冗長としていたのであるが、冗長を1個にして使用できる演算コアを14個にしたというマイナーチェンジのスパコン用GPUではないかと思われる。

Opteron 6274は16個のCPUコアを集積し、141GFlopsの演算性能をもっている。一方、K20xは14個のSMを持ち、CUDAコアを2688個集積している。Titanの計算ノードはCPU部分が2.6PFlops、GPU部分が24.5PFlopsの倍精度浮動小数点演算性能を持っている。

GPUノードには6GBのGDDR5メモリが付き、CPUノードには32GBのDDR3メモリが付いている。

これに512ノードのサービスノード兼I/Oノードが付いている。これらを200台のキャビネットに収容したのがTitanである。

Titan全体では710TBのシステムメモリを持ち、計算ノードは3DトーラスのGeminiネットワークで接続されている。システム全体の消費電力は8.9MWと発表されている。

TitanはCrayが開発したGeminiと呼ぶネットワークインタフェースチップを使い、3次元トーラスのノード間ネットワークを構成している。このインタフェースチップはSeaStarと呼ばれている。

  • Titanの計算ノードはCrayに開発した3次元ネットワークで接続されている

    Titanの計算ノードはCrayに開発した3次元ネットワークで接続されている

(次回は5月27日の掲載予定です)