スタイルに関連する設定は、Word本体ではなく、個々の文書ファイル(Wordファイル)に保存される仕組みになっている。このため、以前に作成したスタイルを新しい文書で再利用するには、何らかの方法でスタイルをインポートしておく必要がある。そこで今回は、他の文書ファイルから「スタイルをインポートする方法」をいくつか紹介していこう。

  • スタイルをインポートして再利用する

    スタイルをインポートして再利用する

コピー&ペーストを利用したスタイルのインポート

前回の記事でも紹介したように、「自分で作成したスタイル」や「スタイルの並び順」などは、それぞれの文書ファイル(Wordファイル)に保存される。このため、新しい文書(白紙の文書)を作成したときは、「Wordに初めから用意されているスタイル」だけが一覧表示されることになる。

  • 新規に作成した文書のスタイル

    新規に作成した文書のスタイル

この文書を「自作のスタイル」を使って編集していくには、もういちどスタイルを作成しなおささなければならない。とはいえ、それは少し面倒だ。そこで、以前に作成したスタイルをインポートして再利用する方法を紹介していこう。

まずは「コピー&ペースト」を使って、既存の文書ファイルからスタイルをインポートする方法を紹介する。再利用したいスタイルが保存されている文書ファイルを開く。

  • スタイルが保存されている文書ファイルを開く

    スタイルが保存されている文書ファイルを開く

続いて、スタイルが適用されている段落をコピーする。たとえば、「大見出し」のスタイルをインポートしたい場合は、「大見出し」のスタイルが適用されている段落を選択し、「Ctrl」+「C」キーでコピーすればよい。

  • スタイルが適用されている段落をコピー(保存済みの文書)

    スタイルが適用されている段落をコピー(保存済みの文書)

新しい文書に戻り、先ほどコピーした段落を「Ctrl」+「V」キーで貼り付ける。すると、その段落に適用されていた「大見出し」のスタイルが一覧に自動追加される。

  • コピーした段落の貼り付け(新規文書)

    コピーした段落の貼り付け(新規文書)

「大見出し」のスタイルが追加されたことを確認できたら、先ほど貼り付けた段落を選択して「Delete」キーで削除する。

  • 貼り付けた段落の削除(新規文書)

    貼り付けた段落の削除(新規文書)

文書が白紙の状態に戻るが、先ほど自動追加された「大見出し」のスタイルはそのまま残っている。つまり、「大見出し」のスタイルを新しい文書にインポートできたことになる。

  • 追加されたスタイル(新規文書)

    追加されたスタイル(新規文書)

同様の手順で「段落のコピー&ペースト」と「段落の削除」を繰り返していくと、必要なスタイルを新しい文書にインポートできる。以下の図は、「大見出し」、「中見出し」、「小見出し」、「本文強調」といった4つのスタイルをインポートした例だ。

  • 複数のスタイルを追加した様子(新規文書)

    複数のスタイルを追加した様子(新規文書)

これで、4つの自作スタイルを使って文書を作成していくことが可能となる。スタイルの一覧が見やすくなるように、不要なスタイルを非表示にする設定も済ませておこう。この手順は前回の記事で紹介した通り。以下の手順で操作を進めていけばよい。

  • (1)「スタイル」ウィンドウを表示する
  • (2)「スタイルの管理」ボタンをクリックする
  • (3)「推奨」タブを選択する
  • (4)「組み込みのスタイルを選択」ボタンをクリックする
  • 「組み込みのスタイル」を選択した様子

    「組み込みのスタイル」を選択した様子

  • (5)「標準」のスタイルを選択から除外する
    ※「Ctrl」キーを押しながら「標準」をクリックする
  • (6)「表示しない」ボタンをクリックする
  • (7)「OK」ボタンをクリックする
  • 「標準」を除外してから非表示に設定

    「標準」を除外してから非表示に設定

上記のように操作すると、「インポートしたスタイル」と「標準」だけが表示されるシンプルな一覧にカスタマイズできる。なお、各スタイルの「優先度」も一緒にインポートされているため、スタイルの並び順を指定しなおす必要はない。

このように「コピー&ペースト」を繰り返して、必要なスタイルを追加していくのが1番目のインポート方法となる。

  • “必要なスタイル”だけを表示した様子

    “必要なスタイル”だけを表示した様子

ツールを利用したスタイルのインポート

Wordには、他の文書ファイルからスタイルをインポートする機能も用意されている。この機能を利用するのが2番目のインポート方法だ。順番に解説していこう。

新しい文書を作成し、「スタイル」ウィンドウを表示する。続いて、「スタイルの管理」ボタンをクリックしてスタイルの管理画面を開き、「インポート/エクスポート」ボタンをクリックする。

  • スタイルのインポートの開始

    スタイルのインポートの開始

「構成内容変更」という画面が表示される。最初は、コピー元(右側)に「Normal.dotm」(全文書対象のテンプレート)が選択されているので、「ファイルを閉じる」ボタンをクリックしてコピー元を解除する。

  • コピー元の解除

    コピー元の解除

コピー元が解除され、ボタンの表示が「ファイルを開く」に変更される。この「ファイルを開く」ボタンをクリックする。

  • コピー元の選択(1)

    コピー元の選択(1)

ファイルの選択画面が表示されるので、ファイルの種類を「Word文書」に変更する。続いて、再利用したいスタイルが保存されている文書ファイル(.docx)を選択し、「開く」ボタンをクリックする。

  • コピー元の選択(2)

    コピー元の選択(2)

コピー元が「選択した文書ファイル」に変更され、その文書ファイルに保存されているスタイルが一覧表示される。あとは、インポートしたいスタイルを選択して「コピー」ボタンをクリックするだけ。たとえば、「小見出し」のスタイルをインポートするときは、以下の図のように操作すればよい。

  • スタイルをインポートする操作

    スタイルをインポートする操作

  • インポートされたスタイル

    インポートされたスタイル

このとき「Ctrl」キーを押しながら各スタイルを選択して、複数のスタイルをまとめてインポートすることも可能となっている。

  • 複数のスタイルをまとめてインポートする場合

    複数のスタイルをまとめてインポートする場合

必要なスタイルをすべてインポートできたら「閉じる」ボタンをクリックする。以上で、スタイルをインポートする作業は完了。

  • インポート作業の終了

    インポート作業の終了

「スタイル」ウィンドウを見ると、インポートしたスタイルが一覧に追加されているのを確認できる。あとは不要なスタイルを非表示にするだけ。これは先ほど示した手順と同じになる。

このように、別の文書からスタイルをインポートするための専用ツールも用意されている。インポートするスタイルの数が多い場合などに活用するとよいだろう。

  • インポートされたスタイル

    インポートされたスタイル

ファイルの複製を利用したスタイルのインポート

3番目のインポート方法は、再利用したいスタイルが保存されている文書ファイルを複製して利用する方法だ。実は、これが最も手軽で最速の操作方法といえるかもしれない。

文書ファイルが保存されているフォルダーを開き、「Ctrl」キーを押しながら文書ファイルをドラッグ&ドロップする。すると、その文書ファイルのコピー(複製)を作成できる。

  • 文書ファイルの複製

    文書ファイルの複製

文書ファイルを複製できたら、そのファイル名を「これから作成する文書名」に変更する。

  • ファイル名の変更

    ファイル名の変更

続いて、名前を変更した文書ファイルを開く。すると、コピー元と同じ文書が画面に表示される。この文書ファイルには「スタイルに関する設定」も保存されている。単純にファイルを複製しただけなので、当然といえば当然の話だ。あとは「Ctrl」+「A」キーを押して文書全体を選択し、「Delete」キーで削除するだけ。

  • 本文をすべて削除

    本文をすべて削除

本文が白紙の状態になり、スタイルの設定だけが残る。これでスタイルのインポートは完了。不要なスタイルを非表示にしたり、スタイルの並び順(優先度)を指定したりする必要はない。これらの設定は「文書ファイルをコピーした時点」ですでに完了しているので、即座に文書の作成を開始できる。

  • 文書に保存されているスタイル

    文書に保存されているスタイル

このように、既存の文書ファイルを複製し、その本文を削除することで、「スタイルだけを残した白紙の文書」を作成することも可能だ。便利に活用できるので、ぜひ覚えておくとよいだろう。

ただし、「ヘッダー/フッター」なども複製元の文書ファイルから引き継がれることに注意しなければならない。複製元の文書で「ヘッダー/フッター」を利用していた場合は、その部分を修正してから“新しい文書”を作成していく必要がある。忘れないように注意しておこう。

今回の記事で紹介してきたように、「以前に作成したスタイル」は手軽に再利用することが可能である。同じデザインの文書を作成するときは、そのつどスタイルを作成しなおすのではなく、既存の文書ファイルからスタイルをインポートして再利用すると、効率よく文書を作成できるだろう。

そのほか、スタイルだけを保存した白紙の文書ファイルを用意しておき、それを「ひな形」として活用するのも効果的だ。こういったひな形を何パターンか用意しておけば、ファイルを複製するだけで即座に文書の作成を開始できるようになる。そのつどデザインを考える必要がなくなるため、より集中できる環境で文書の作成を始められるだろう。各自で工夫してみてほしい。