PowerPointのさまざまな使い道
PowerPointは、プレゼン用のスライドを作成するアプリケーションである。このため、プレゼンをする機会が滅多にない方にとっては、縁遠いアプリケーションになっているかもしれない。「毎日、WordとExcelは使用するが、PowerPointはほとんど使っていない・・・」という方も沢山いるだろう。これは少し残念な話である。
PowerPointには「PowerPointならではの特長」がある。この特長を上手に活かすことで、幅広い用途に使えるアプリケーションとなる。プレゼン用のスライド作成はもちろん、以下のような用途にPowerPointを活用することも可能だ。
商談時の資料として
これは、実際のビジネスシーンでもよく見かける使い方であり、広い意味では「プレゼンの一種」になると考えられる。商談用の資料は、要点をわかりやすく、端的に示す必要がある。よって、WordよりもPowerPointで作成したほうが効果的な資料になる場合が多い。
作成した資料(スライド)は、印刷して先方に手渡してもよいし、ノートPCなどの画面に表示して提示してもよい。ペーパーレスという観点では「ノートPCに表示」に分があるが、相手の手元に残るという意味では「印刷して手渡し」のほうが効果的だ。いずれにしても、PowerPointのメジャーな使い方の一つといえるだろう。
会議の議題の提示(ホワイトボード代わりに)
最近は「Web会議を行う機会が増えてきた・・・」という方もいるだろう。このような場合にもPowerPointが活用できる。Web会議を短時間で済ませるには、議題を明確にし、「今回の会議で決めるべき内容」を参加者と共有しておく必要がある。そのためには「文字」で議題を示しておくのが効果的だ。
PCの画面(PowerPointの画面)をWeb会議ツールに表示しながら会議を進めていけば、参加者全員の意識を統一でき、スムーズに会議を終えられるかもしれない。さらに、スライドを編集しながら画面を共有することで、PowerPointをホワイトボードの代わりとして利用することも可能となる。
簡易的な報告書として
出社勤務/テレワークに関係なく、仕事の進捗状況をデジタル文書で上司に報告するケースもあるだろう。一般的には「メールの文面」や「Word文書」で報告書を提出するケースが多いと思われるが、そのためには文章の作成が必要となる。
多くの方にとって、「文章の作成」はそれなりに時間を要する、手間のかかる作業の一つといえるだろう。しかも、「文章の作成」は直接的な会社の利益につながらない作業であり、できることなら効率化したい作業といえる。
このような場合にもPowerPointが活用できる。PowerPointで作成するスライドは、基本的に「文章」ではなく「箇条書き」になるため、メールやWordに比べて短時間で報告書を作成できる場合が多い。
報告書を受け取る側も、要点をまとめたスライドのほうが短時間で内容を確認できるので効率的だ。唯一の欠点はファイル容量が大きくなることであるが、昨今の通信環境を考えれば、たいした問題にはならないはずだ。社内文書なので、白紙のデザインにすることでファイル容量を抑えることも可能である。
アイデアをまとめたノートとして
報告書の用途を「自分用」に置き換えれば、アイデアを書き留めておくノートとしてもPowerPointを活用できる。こういった文書は「自分が理解できれば十分」というものなので、短時間で作成でき、見やすい紙面に仕上げられることが必須条件となる。
編集の手間や文書の視認性を考えれば、「WordよりPowerPointの方が向いている」というケースもあるだろう。最終的には各自の好みとなるが、PowerPointにも十分に可能性のある使い方といえる。
スライドの基本的な作成手順
序論はこれくらいにして、PowerPointの基本的な使い方を紹介していこう。まずは、PowerPointを起動した直後の操作だ。PowerPointを起動すると、以下のような画面が表示される。ここでは「新しいプレゼンテーション」を選択するのが基本だ。
続いて、タイトルスライドの編集画面が表示されるので、文書(スライド全体)のタイトルとサブタイトルを入力する。サブタイトルが特にない場合は空白のままでも構わないし、この部分に自分の所属や氏名を入力してもよい。
なお、画面右側に「デザイン アイデア」が表示された場合は、とりあえず「×」をクリックして閉じておこう。この機能を使うと優れたデザインのスライドを手軽に作成できるが、PowerPointの基本的な使い方を覚えたいのであれば、まずは「自分でテーマを指定する方法」を学んでおいたほうがよい。
自分でテーマを指定するときは、「デザイン」タブを選択し、テーマの一覧から好きなデザインを選択する。
続いて、2枚目のスライドを作成する。この操作は、「ホーム」タブにある「新しいスライド」のアイコンをクリックすると実行できる。
2枚目のスライドが表示されるので、スライド上部にタイトルを入力し、その下にあるボックスに「箇条書き」でスライドの本文を入力していく。
このとき、各段落に「箇条書き」の書式を自分で指定する必要はない。通常、PowerPointでは、スライドの本文を「箇条書き」で記述するように初期設定されている。よって、普通に文字を入力していくだけで「箇条書き」の書式になる。
2枚目のスライドを作成できたら、もういちど「新しいスライド」のアイコンをクリックして3枚のスライドを挿入する。このような手順で必要な枚数だけスライドを作成していくのが、PowerPointの基本的な使い方となる。
なお、それぞれの詳しい操作手順については、次回以降の連載で詳しく紹介していこう。WordやExcelに慣れている方であれば、この連載を読み進めるだけで「PowerPointの基本的な使い方」をマスターできるはずだ。ぜひ、挑戦していただきたい。