バーチャルなエンジニアの常駐でシステムの安全性を確保

人間ドックと成人病検診を主体とするクリニックである川島クリニックは、受け付け業務を行うPCの管理を効率化するために、インタートレードが提供するMSPサービス「GadicsMAN@IT」を導入した。

医療現場では様々な用途でPCが利用されているが、ITの専門家が院内に存在しないということも多く、PCの適切な管理ができていないという場合も少なくない。特に管理するPC台数が少ないクリニック等では、アンチウィルスソフトは入れているものの、それ以上の対応ができていないということも珍しくない。

インタートレード ITソリューション事業本部 マネージャー 山崎博史氏

「医療現場で利用しているシステムはネットワークに接続していなくても、ほかの業務で同じPCをインターネットに接続するということもあります。1台のPCを兼用することに不安を感じていても、何か問題が起こったわけではないため、コストをかけて安全性対策をするべきなのか判断がつかない、という悩みをよく聞きます」と語るのは、インタートレード ITソリューション事業本部 マネージャーの山崎博史氏だ。

川島クリニックでは、OSや各種ソフトウェアを最新に保つことによるセキュリティ維持や、担当者外出時に遠隔地から対応できる手段の確保を目的に「GadicsMAN@IT」を導入した。

「川島クリニック様には、HDDのステータス情報を利用してPCが故障する予兆をつかむことができる運用・管理サービスも使っていただいています。GadicsMAN@ITでは遠隔地からインタートレードのスタッフが対応する『バーチャルエンジニア』という考え方をしていますが、これにメリットを感じていただき採用していただいています」と山崎氏は語る。

企業の負荷を最小限に抑えるMSP型サービス

「GadicsMAN@IT」のシステムの核となっているのがkaseyaだ。「GadicsMAN@IT」は、kaseyaの自動化機能を利用し、インタートレードが独自にサービス化したもので、社内でITインフラを管理できない企業をサポートする。「GadicsMAN@IT」は、管理用のシステムをユーザー企業に提供するのではなく、サービスの運用を丸ごと請け負う「MSP(Managed Service Provider)」型である点が大きな特徴だ。

「GadicsMAN@IT」の概要

インタートレード ITソリューション事業本部 シニアマネージャー 出相雅史氏

「弊社はこれまで、証券会社様向けのアプリケーション構築とインフラ整備を主体に展開してきましたが、その経験が広く一般企業にも提供できるのではないかと考えたのがサービス提供の始まりです。社内でインフラの面倒を見切れないという企業の場合、ツールを提供しても意味がありません。導入したツールを覚え、使いこなすのは人ですから、結局担当者に負担がかかります。弊社がバーチャルエンジニアとして企業のインフラの運用・監視・保守を請け負うことで、はじめて課題が解決できると考えています」と語るのは、インタートレード ITソリューション事業本部 シニアマネージャーの出相雅史氏だ。

「GadicsMAN@IT」はセキュリティ、運用・管理、資産台帳管理、リアルタイム監視、リモートコントロール、モバイルデバイス管理、Windows OS移行にかかるデータ移行、PCライフサイクルマネジメントといった機能を提供。ユーザー企業は必要なサービスを選択して利用するようになっている。

セキュリティ対策サービス

PC運用管理サービス

「100台以下の場合は月額基本料金と各サービスの利用料金をいただきますが、100台以上の場合はサービスの月額利用料金のみです。月額利用料金はいずれも1サービスあたり1台数百円ですから、手軽に利用を開始していただけると思います」と山崎氏。

導入にあたっては情報収集による現状把握からサポート。リスクがあった場合にどうするのかという対処方法も、リスクのランク付けを行った上でどういうタイミングで何をすべきなのかということをルール化しているため、企業側に判断の負担がかからないという。そして、kaseyaの自動化機能を利用して対策の実施を行い、レポーティングまで対応する。企業側の負担を小さく抑える工夫がされたサービスだ。

拠点PCのリアルタイムな状況を見える化

MSPと受託開発でkaseyaを活用

インタートレードでは多くの企業に需要があると考えられるものをまとめて「GadicsMAN@IT」というサービスにしているほか、特殊な需要にはkaseyaを活用した逐次対応も行っている。テナントプランという形で要求を満たす機能を作り込み、導入した後の運用は社内で行うという、情報システム部門を持つ大手企業向けのプランも用意しているという。

「kaseyaは必要な機能が一通り揃っており、1つのインタフェースで全てに対応できるのが魅力です。グローバルでは最も使われているものですし、エージェントがセグメントの中で自動的に配布されるなど非常に扱いやすいのもよいと感じています」と出相氏は語る。

今後、インタートレードでは「GadicsMAN@IT」を中心にkaseyaによる自動化されたクライアントPCの運用・管理サービスを幅広く提供して行く予定だ。