オムロンとNTTドコモビジネスは10月27日、製造現場のOT(Operational Technology)領域からIT領域までを一体的に保護する「OT/IT統合セキュリティ」で協業を開始すると発表した。両社の製品や知見を組み合わせ、セキュリティリスクの可視化から対策の導入、監視・運用、教育までを支援するサービスの提供に向けた取り組みを進める。

OTとITを対象に設計から監視・教育まで支援

製造現場では、IT領域の標準的な対策に加え、設備構成や生産ラインの稼働状況、保全業務など、OT領域特有の運用実態を踏まえたセキュリティ対策が求められる。今回の協業では、オムロンが持つ製造現場の知見と、NTTドコモビジネスのOT/ITセキュリティに関する製品やサービスを活用し、現場の運用に合わせた対策の設計と運用支援を一体的に提供することを目指す。

具体的には、ITネットワークからOTネットワークまでを対象とする可視化や脅威検知に取り組む。OT/IT統合セキュリティアセスメント、ポリシー策定、体制構築、ITネットワークとOTネットワークの分離、セキュアリモートアクセス環境の構築にも対応する計画だ。

このほか、24時間365日のセキュリティ監視、制御システムのセキュリティ教育、インシデント対応訓練を提供し、OTとITの境界に生じるセキュリティ上の死角の低減を図る。さらに、セキュリティ機能を備えたコントローラなどの制御機器の提供や製造現場の可視化に取り組み、インシデント発生時の早期復旧を支援する。

オムロンのコントローラに不正通信検知機能を組み込み

協業の一環として、オムロンのコントローラ製品に、「OsecT」の不正通信検知センサ機能を組み込むための開発を進める。

OsecTは、NTTドコモビジネスが提供する、制御システムや製造現場を対象としたOTセキュリティソリューションだ。不正通信検知センサ機能は、制御機器や製造現場のネットワーク上の通信を監視し、不正な通信や異常な挙動の検知を支援する。

同機能をコントローラに組み込むことにより、ネットワーク機器を介したセキュリティ監視だけでなく、製造現場のセンサやドライブなど、ネットワーク側からは把握が難しかった入出力機器の構成情報も取得・可視化できる仕組みの構築に向けて開発を進める。

取得した情報は、MES(製造実行システム)やSCADA(監視制御システム)など、工場管理ネットワーク上のシステムで一元的に管理する構想だ。これにより、製造現場のセキュリティ対策の強化と、現場機器の状態のより詳細な把握につなげる。

また、装置ベンダー向けの製品セキュリティ対応や、エンドユーザー向けの工場全体におけるセキュリティ対策・運用支援など、顧客の課題に応じた提供モデルを整備していく。

  • 協業のイメージ

    今回の協業のイメージ

2026年10月から提供サービスを順次拡大

両社は2022年10月から、FA技術とITソリューションを活用した企業間データ連携の共同開発や、データスペース接続の実証実験に取り組んできた。今回の協業は、こうした連携を発展させるものとなる。

今後は、NTTグループ各社との連携を通じて取り組みを拡充する。NTTグループのOTセキュリティソリューションを組み合わせた提供サービスは、2026年10月から順次開始する予定だ。

海外拠点を持つ顧客への支援については、NTT DATA, Inc.とNTTセキュリティ・ジャパンを中心とするNTTグループのグローバル体制を活用し、2026年内に検討を開始するとしている。