電通デジタルと電通は10月26日、購買を起点に市場を理解し、マーケティング仮説の探索から施策の実行、検証、学習までを循環させる「購買市場OneIDマーケティング」の提供を開始した。第1弾では、Amazonのクリーンルームソリューション「Amazon Marketing Cloud(AMC)」と、両社独自の生成AIソリューションなどを活用する。

Amazon上の行動を基に潜在オーディエンスを構造化

電通デジタルと電通が展開するOneIDマーケティングは、顧客分析から施策の実行、効果検証までを確定IDで一貫してつなぎ、生活者への理解を実際のマーケティング活動や改善に反映するアプローチだ。

このアプローチを購買起点の市場理解や成長機会の探索へ発展させた購買市場OneIDマーケティングは、2025年8月に開発され、同年11月から実証事業が進められてきた。

第1弾で使用するAMCは、Amazon上の購買・行動シグナルをIDベースで分析し、集約・匿名化したインサイトとして活用できるクリーンルーム環境である。自社ブランドの高頻度オーディエンスから低頻度オーディエンス、カテゴリ購買オーディエンス、未購買オーディエンスまでを連続した構造として捉え、購買状況や興味・関心などから各オーディエンス群の特徴を分析する。

  • 購買市場OneIDマーケティング

    購買市場OneIDマーケティングのイメージ

さらに、Amazon上の購買や検索などから得られる行動シグナルに、電通独自の大規模パネル調査に基づく意識・価値観データを組み合わせる。何を購入し、どのように行動したかだけでなく、その背景を考えるための情報も参照し、生活者への理解を多面的に深める。

生成AIで仮説候補を作成し、購買行動を含む結果を検証

各オーディエンス群から得られた多次元のインサイトは、生成AIを使って整理・解釈する。生活者像やインサイト、ニーズを言語化したうえで、「誰に」「どのような文脈で」「どのような価値を伝えるか」というマーケティング仮説の候補を生成する。

続いて、生成した仮説を基に、対象となるオーディエンスや利用文脈、訴求軸、クリエイティブ表現などを具体化し、実際の施策で有効性を検証できる形に設計する。OneIDマーケティングの考え方に基づき、分析や仮説設計と施策の実行を確定IDという共通基準で接続する仕組みだ。

これにより、分析上の仮説を媒体上の属性などへ置き換える際の乖離を抑えながら施策を実行し、その後の購買行動やオーディエンス構造の変化まで捉える。どのオーディエンスに、どのような文脈と訴求が有効だったかを検証し、結果を次の仮説探索へ還元する。

検証結果は単発の広告効果として扱うのではなく、顧客群、訴求内容、反応の関係から得られた知見を蓄積する。成立しなかった仮説も含め、次の市場分析や仮説構築に継続的に活用するという。

両社は今回のAMC活用を皮切りに、購買市場OneIDマーケティングの適用領域や連携基盤の拡張も検討する。