米OpenAIは10月22日(現地時間)、アプリケーションやAIエージェントの判断処理に特化した「Decisions API」の一般提供を開始した。
開発者が定義した質問に対し、確率、選択肢、スコアのいずれかで判断結果を返すAPIである。AIモデル「GPT-6 Luna」を基盤とし、同じモデルを「Responses API」経由で利用する場合に比べ、最大10倍高速に判断できるとしている。
同社は9月29日の開発者会議「DevDay 2026」で同APIを限定プレビューとして発表し、10月6日からパブリックベータとして公開していた。
判断処理の需要拡大、Jevが先行
軽量な判断処理が注目される背景には、AIを業務の各工程に組み込み、次の処理を選ばせる用途の広がりがある。エージェントが作業を進める際には、入力の分類、処理の続行・再試行、人への確認の要否などを繰り返し判断する。個々の判断にかかる時間や費用が小さくても、実行回数が増えるほど全体の負担は膨らむ。
この分野で先行するのが、TypeSafeが9月に公開した判断モデル「Jev」である。分類や振り分けに使える構造化された回答を高速かつ低コストで返すモデルとして利用が広がり、AIモデル提供サービス「OpenRouter」の判断モデル別リクエスト数ランキングでは、10月21日までの1週間の集計でJevの2モデルが1・2位を占めている。PerplexityやCloudflareなども判断モデルを提供し、各社が競う分野となっている。
3種類の回答形式、音声AIとも連携
Decisions APIは、分類や次の行動の選択などを、ほぼリアルタイムで処理する。音声対話など即時性が求められる場面では、会話中の判断を高速化することで応答性の向上を図る。
開発者は質問と回答の条件を定義し、テキストや画像、JSON形式の構造化データを渡す。回答形式は「predicate」「choice」「score」の3種類。例えば、商品の損傷の確認では、次のように使用できる。
- predicate:商品に目に見える損傷がある確率を、「0.9」(90%)など0〜1の数値で示す。
- choice:返品、交換、修理など、あらかじめ用意した対応から一つを選ぶ。
- score:あらかじめ定めた評価段階と各段階の確率に基づき、損傷の深刻度を数値化する。
公開ベータ版からの拡張として、プロンプトキャッシュによる共通入力の再利用、JSONデータの直接入力、質問ごとの指示に対する画像添付に対応した。1回のリクエストで扱える質問数は、従来の200件から最大400件に倍増した。同じ商品画像について損傷の有無と商品カテゴリーをまとめて判定するなど、複数の判断に共通の入力を使える。
音声AI「GPT-Live」とのネイティブ連携も追加した。音声アプリは、利用者の発話の文字起こしが更新されるのに応じて判断を実行し、その結果に基づいて動作できる。たとえば顧客対応では、追加の質問が必要か、問い合わせを別の窓口に回すか、有人オペレーターに引き継ぐかといった判断に利用できる。OpenAIは、発話の内容に応じてアバターの表情を切り替える設定例も示している。
料金は、入力100万トークンあたり0.10ドル、キャッシュ済み入力は同0.01ドルで、出力トークンには課金しない。キャッシュへの書き込みには別途料金がかかる。

