ServiceNow Japanは10月22日、エージェンティックAIのセキュリティに関する調査レポート「The State of Agentic Security」の日本語版を公開した。レポートによれば、調査対象となった組織の90%が過去1年間にエージェンティックAIセキュリティのインシデントを経験した一方、そのうち24時間未満で封じ込められたのは36%だったという。

調査はServiceNowとPhronesis Partnersが共同で実施。対象は20カ国・8業種の3,766人で、日本からは200人が参加した。調査対象者は、所属する企業・組織でバイスプレジデント以上の職位にあり、セキュリティまたはAIガバナンス戦略の意思決定者か、同戦略に直接関与し、影響力を持つ立場にある人。また、対象となった企業・組織はすべて、本番環境でAIエージェントまたは自律型AIツールを稼働させている。

セキュリティ態勢を「確立」とする組織は56%

調査対象組織の56%は、自社のエージェンティックAIセキュリティを「確立している」と評価した。一方、ガバナンスに関するアカウンタビリティの所在を1人に定めている組織は20%にすぎず、単一のインターフェースで統合的な可視性を確保している組織も21%にとどまった。

また、自動化されたデプロイゲートを必須としている組織は32%、完全な証跡を求めに応じて提示できる組織は47%だった。ServiceNowは、セキュリティ態勢に対する自己評価と、実際のガバナンス体制との間に隔たりがあると指摘している。

稼働するAIエージェントの規模を見ると、100~999のAIエージェントを運用する組織が49%、1,000超を運用する組織が35%を占めた。本番環境で稼働するすべてのAIエージェントについて、完全かつ正確な記録を保持し、変更を追跡するプロセスを備えていると回答した組織は57%だった。これに対し、デプロイ時に技術的な統制によって新たなAIエージェントを自動登録している組織は34%にとどまった。

AIエージェントのアクセス範囲については、76%が完全かつ最新のマップを維持していると回答した。これに対し、AIエージェントの90%超をリアルタイムで把握できる組織は19%だった。

  • AIエージェントのアクセス範囲

    AIエージェントのアクセス範囲について

76%がOTやフィジカルシステムでインシデントを経験

OTやフィジカルシステムの中、またはこれらと連携する形でAIエージェントを稼働させている組織は82%に上った。また、調査対象組織の76%は、AIエージェントが関与したOTやフィジカルシステムでのインシデントを経験していた。

  • インシデント経験

    AIエージェントが関与したOTやフィジカルシステムでのインシデント経験

エンタープライズITのほうがOTやフィジカルシステムよりも可視性が高いと回答した組織は44%だった。一方、OTやフィジカルシステム向けに独立したガバナンスフレームワークを整備している組織は32%となった。

AIエージェントの開発前にセキュリティ部門を関与させている組織は44%だった。異常な挙動を自動かつリアルタイムで検知できる組織は51%で、66%は異常な挙動を示しても自動で対処できないと回答した。

  • 異常な挙動に対する自動対処について

    AIエージェントの異常な挙動に対する自動対処について

また、AIエージェントのセキュリティリスクを統合プラットフォームで管理している組織は47%、AIエージェントの活動に関する文書化と監査証跡を明示的に扱うガバナンスフレームワークについては、整備済みと回答した組織が39%を占めた。

  • ガバナンスフレームワーク

    AIエージェントのガバナンスフレームワークについて

立証可能なセキュリティ態勢を構築するための5項目

調査レポートでは、立証可能なセキュリティ態勢を構築するための取り組みとして、5項目を提示。具体的には、AIエージェントのインベントリを継続的に更新してアクセス範囲を記録すること、構想や設計の段階からセキュリティ部門を関与させること、AIエージェントとID、セキュリティ態勢を一元的に可視化することを挙げている。

このほか、承認や権限の範囲、操作内容を発生時点で記録し、監査証跡を確保することを求めた。さらに、組織全体のガバナンスについて専任でアカウンタビリティを負う責任者を指名し、フレームワーク、ゲート、対応計画、証跡を担当範囲に含めることも提言している。