ユナイテッドアローズとGMO AI&ロボティクス商事(以下、GMO AIR)は10月20日、人型ロボット「ヒューマノイド」向けのオリジナルウェアを共同開発したことを発表し、記者向けの説明会を開催した。
関節の可動域や排熱、モーターへの生地の巻き込みなど、従来の衣服の開発とは異なる難しさがあったのだという。機能性を確保しながらも、ヒューマノイドに親しみや個性を与える装いを追求した。
今後はGMO AIRのオフィシャルショップ「GMOヒューマノイド.shop」や、ポップアップショップといったリアルイベントでの販売が予定されている。
人とヒューマノイドが共生する新たな文化をデザイン
店舗や施設など、ヒューマノイドと接する場面は増えており、今後はさらに増えると予想される。
実際、GMO AIRは4月に、JALグループで主要空港のグランドハンドリング業務(航空機の牽引や手荷物・貨物搭降載作業など)を担うJALグランドサービスと、空港におけるヒューマノイドロボット活用の実証実験を開始している。
今後こうした場面が増えると、機体の性能だけでなく、人が親しみを持って接するための「外見」も新たなテーマとなっていくだろう。
ユナイテッドアローズはこれまで、人が社会の中でどう見られ、どう振る舞うのかを「服」を通じて提案してきた。ヒューマノイドの社会実装にファッションの視点を掛け合わせることで、人とロボットの新しい関係を考える取り組みとするため、ヒューマノイド専用ウェアの共同開発を開始した。
ユナイテッドアローズの開発本部でコーポレートビジネス部 部長を務める岩野徳郎氏は「ヒューマノイドが人と共に暮らす未来に、当社は温もりと美意識を吹き込むことができるだろう。単にロボットの服を作ることにとどまらず、人とロボットが心地よく共生するという新しい文化とライフスタイルをデザインする取り組みだと思う」と、コメントしていた。
ロボットが着るスーツ、デザインのポイントは?
ユナイテッドアローズとGMO AIRが共同開発したのは、ヒューマノイドの動作やシルエットを考慮した、オリジナルデザインのウェアだ。汎用人型ロボット「Unitree G1」向けとなる。
「ユニセックス」と「ユニフォーム」をコンセプトとし、ジャケット、パンツ、Tシャツ、スカーフの4アイテムで構成される。
デザインを担当したユナイテッドアローズの鈴木脩氏は「関節モーターへの生地の巻き込みを防ぐため、思い切って裏地をなくしてシルエットはワイドなストレートとした。平面的にならないよう、襟や袖のデザインにこだわりスーツらしさを出した。(ロボットは使わない)ベルトループやポケットも付けることで、服らしさを表現している」と、こだわりのポイントを紹介した。
進むヒューマノイドの社会実装、「服を着せたい」ニーズも増加
GMO AIRはヒューマノイドのハードウェア開発を手掛けるのではなく、AIやロボット事業を担う総合商社として設立された。
GMOインターネットグループの強みであるインターネットインフラ・サイバーセキュリティ・金融サービスなどを武器に、ヒューマノイド派遣サービスをはじめ社会実装を支えるサービスを展開している。
イベントへのヒューマノイド派遣などを手掛ける中で、「祭りの法被を着せたい」「オリジナルTシャツやユニフォームを着せたい」といった要望がGMO AIRに寄せられるようになったのだという。
GMO AIRの金明源氏は「今後ヒューマノイドが普及すると、物流や製造現場での活用だけでなく、受付業務など人間との対話でもヒューマノイドが活躍するはず。そうした対人での愛着という意味でも、ヒューマノイドに服を着せる意義があるだろう」と語っていた。






