国立健康危機管理研究機構(JIHS)は7日、全国の医療機関から報告された、麻疹(はしか)の患者数が今年1月からの累計で197人になったと発表した。統計上直近週の前週比では30人増えた。コロナ禍後で最多だった昨年同時期の3倍以上となるなど、2020年以降で最も速いペースで増加している。
はしかは感染力が極めて高く、免疫をもっていないと同一空間にいるだけで短時間で空気感染する可能性が高いとされる。厚生労働省は定期ワクチン接種の徹底となるべく2回目の接種を受けることを推奨し、感染拡大に注意を呼びかけている。
JIHSによると、2026年13週(3月29日までの1週間、4月1日統計)に新たに30人の患者が確認された。都道府県別では東京都が8人、次いで神奈川県7人、栃木県6人など。累計では東京都が48人で、次いで鹿児島県24人、愛知県23人。
はしかはコロナ禍の前の2019年に年間744人の患者が確認された。世界的に大流行となり大きなニュースにもなった。昨年は年間265人で、コロナ禍後では最多だった。コロナ禍の21年、22年はともに年間6人しか確認されていない。
今年はわずか約3カ月で197人と、既に200人に迫っており、現在のペースで増加すると昨年を大幅に上回るのは確実だ。197人のうち海外渡航で感染したのは28人、国内感染が130人、残りははっきりしない。海外渡航歴がある人から国内、特に首都圏で感染が拡大した可能性が高いとみられている。
原因ウイルスは「麻疹ウイルス」で、感染後約10日で発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現われる。熱が2、3日続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現。肺炎や中耳炎を合併しやすい。症状が風邪と似ているために誤診されやすいが、肺炎や脳炎などの合併症になると死亡する例も少なくない。特効薬はない。
一度感染すると免疫ができるが、感染経験がないとマスクや手洗いで予防するのは難しいとされる。唯一の予防法はワクチン接種で、1978年から定期接種が始まった。免疫を確実につけるのに2回の接種が望ましいとされる。厚労省によると、現在風疹と混合したMRワクチンがあり、1歳と小学校入学前1年間の2回の定期接種は公費負担の対象になっている。任意接種は自己負担となる。
ワクチン接種が1回だった現在20代後半~40代は、感染リスクが高いと指摘する専門家もいる。厚労省は院内感染を防ぐために、感染の疑いがある場合は事前に医療機関に連絡して指示に従うことを推奨している。
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