Red Hatは3月26日(現地時間)、「Modernize virtual machines on Google Cloud with Red Hat OpenShift Virtualization」において、Google Cloud上のOpenShift Dedicated環境で「OpenShift Virtualization」の提供を開始したと発表した。

これにより企業は既存の仮想マシン(VM)をクラウドへ移行しつつ、将来的なアプリケーション刷新に向けた基盤を構築できる。

  • Modernize virtual machines on Google Cloud with Red Hat OpenShift Virtualization

    Modernize virtual machines on Google Cloud with Red Hat OpenShift Virtualization

VMとコンテナの統合運用を実現する新基盤

今回の発表の中核は、仮想マシン(VM)とコンテナを単一のプラットフォームで統合運用できる点にある。多くの企業では、基幹業務や重要システムが依然としてVM上で稼働している。一方で、クラウドネイティブ技術の普及によりコンテナ活用も進んでおり、両者を分断せずに扱える基盤の必要性が高まっている。OpenShift Virtualizationは、KVMハイパーバイザーを基盤にOpenShiftへ統合されており、VMとコンテナを同一環境で管理可能とする。

この仕組みにより、運用の標準化や自動化、ライフサイクル管理の統一が実現する。開発チームは既存アプリケーションを維持しつつ、新規開発をコンテナベースで進めることができ、段階的なモダナイゼーションを進められる。

クラウドへの移行機能も強化

移行機能も強化されている。OpenShiftにはMigration Toolkit for Virtualization (MTV)が組み込まれており、既存の仮想化基盤と接続し、対象VMの選択や移行作業をガイド付きで実施できる。これにより、業務に密接に結び付いたシステムを停止することなくクラウドへ移行できる点が大きな利点となる。

Google CloudのC3ベアメタルインスタンスを採用

性能面では、Google CloudのC3ベアメタルインスタンスを採用している点が特徴だ。ハイパーバイザーがハードウェア上で直接動作するため、CPUやメモリーへのアクセスが最適化され、負荷の高いワークロードでも安定した性能を発揮する。また、クラウドの柔軟性とスケーラビリティを維持したまま、従来のオンプレミス環境に近い性能特性を確保できる。

C3ベアメタルで実現する高性能VM基盤、Titaniumが支える安定した処理性能

Google CloudのTitaniumアーキテクチャも重要な役割を担う。ネットワーク処理やストレージ処理を専用ハードウェアに分離することで、ホストCPUの負担を軽減し、計算資源をVM実行に集中させる。これにより、性能の安定性とリソース効率が向上する。

ストレージ面では、Google Cloud HyperdiskとGoogle Cloud NetApp Volumesが利用可能だ。Hyperdiskは容量と性能を独立して設定できるため、IOPSやスループットを用途に応じて柔軟に調整できる。これにより過剰なリソース割り当てを回避し、コスト効率の向上が期待できる。

一方、NetApp Volumesはデータ保持型のVMや大規模データ処理に適しており、安定した性能と運用の容易さを提供する。ファイルストレージとしての拡張性も備えており、OpenShift環境における多様なワークロードに対応する。

今回の取り組みは、既存資産を生かしながらクラウド移行を進めたい企業にとって現実的な選択肢となる。全面的な再構築を伴わず、段階的にモダナイゼーションを進められる点が特徴であり、ハイブリッド環境の運用を見据えた基盤としての役割も担う。