It's F.O.S.S.は2026年3月27日(現地時間)、「Why Ubuntu 26.10 Might Drop ZFS, RAID & Encryption Support」において、10月にリリースが予定されているUbuntu 26.10からZFS、RAID、暗号化サポートなどが削除される可能性を伝えた。

これは同製品の恒常的なセキュリティ問題の原因となっているGRUBブートローダーの対策として提案された。影響はブートローダーに限られ、起動後のLinuxシステムには影響しないという。

  • Ubuntu 26.10で起動環境に制限の可能性

    Ubuntu 26.10で起動環境に制限の可能性

Ubuntu 26.10で削除が検討される機能一覧

GRUBブートローダーからの削除が提案された機能は次のとおり。

  • Btrfs
  • HFS+
  • XFS
  • ZFS
  • JPEG(画像ファイル形式)
  • PNG(画像ファイル形式)
  • part_apple(Appleパーティションテーブル)
  • 論理ボリュームマネージャー(LVM: Logical Volume Manager)
  • md-RAIDモード(RAID1を除く)
  • LUKS暗号化ディスク

削除されると何が変わる?起動要件と制約を整理

この提案が受け入れられた場合、特に影響を受けるのはセキュアブート環境だ。

セキュアブートを有効にしたUbuntuシステムでは、起動に利用できる構成が大きく制限され、以下の条件を満たす必要がある。

  • GPTまたはMBR形式のパーティション
  • 暗号化されていないext4ファイルシステム

これにより、これまで可能だった「ZFSルート」「LUKS暗号化ディスクからの直接起動」「RAID構成からのブート」といった構成は、そのままでは利用できなくなる可能性がある。

回避策としては、署名されていないGRUBビルドを使用する方法があるが、その場合はセキュアブートを無効化する必要がある。つまり、利便性や既存構成を維持する代わりに、セキュリティレベルを下げる選択を迫られることになる。

既存環境への影響は?アップグレードがブロックされる可能性

今回の提案は、新規インストールだけでなく既存環境にも影響を及ぼす可能性がある。

特にUbuntu 26.04 LTSから26.10へのアップグレードでは、現在の構成によっては自動アップグレードがブロックされる可能性が指摘されている。ZFSやLUKS暗号化、RAIDなどをブート環境で利用している場合、事前に構成変更を行わなければ移行できないケースが想定される。

このため、企業や検証環境においては、単純なバージョンアップではなく「ブート構成の再設計」が必要になる可能性がある。特に長期運用されているサーバー環境では影響が大きく、事前検証が不可欠だ。

反対意見が多数、議論は継続中

この提案に対しては、コミュニティ内で強い反発も出ている。

Ubuntu技術委員会のメンバーであるThomas Ward氏は、個々の機能に対する明確な説明がないまま、ユーザーやコンプライアンス環境が依存している機能を削除することは正当化できないと指摘している。

提案者であるJulian Andres Klode氏は、GRUBのセキュリティ問題を包括的に解決し、将来的な新しいブートソリューションへの移行を見据えた変更だと説明している。しかし、影響範囲の広さから合意形成は容易ではなく、現時点では方針は確定していない。

Ubuntu 26.10のリリースは10月が予定されているが、今回の変更が実際に採用されるかどうかは、今後の議論の行方に委ねられている。