東急、東急電鉄、イッツ・コミュニケーションズ、東急建設は3月23日、鉄道高架下において、都市型データセンターの導入検討に関する実証実験を6月より開始すると発表した。
鉄道高架下にデータセンター、環境影響や冷却性能を検証
実証実験では、大井町線高架下に「モジュール型小規模データセンター」を設置し、鉄道高架下特有の環境下でのサーバに対する影響や、サーバの筐体(きょうたい)の遮音・断熱・免振・冷却性能について測定を行う。
その結果をもとに、さまざまな環境下でのデータセンター設置の実現可能性を検証する。
なぜ今モジュール型DCが注目されるのか
モジュール型データセンターとは、サーバの稼働に必要な冷却装置や電源設備などを、あらかじめコンテナのような専用の箱(モジュール)に収めた小規模なデータセンター。
モジュール型データセンターが注目を集めている背景には、AIやクラウドサービスの拡大に伴うインフラ需要の急増がある。特に生成AIの普及により、GPUを用いた高負荷な処理が一般化し、データセンターには従来よりもはるかに高い電力供給能力と冷却性能が求められるようになった。
こうしたニーズに対し、従来型のデータセンターは建設に数年単位の時間を要するほか、初期投資も大きく、需要変動への柔軟な対応が難しいという課題があった。一方、モジュール型データセンターは、あらかじめ工場で構築した設備を現地に設置する方式を採ることで、短期間での導入が可能なほか、必要に応じて段階的に拡張できる点が特徴だ。
さらに、電力制約が顕在化する中、都市近接でのデータ処理ニーズも高まっている。データセンターの立地はこれまで郊外が中心だったが、今後は都市内部への分散配置が進む可能性がある。
通信遅延の低減やエッジコンピューティングへの対応といった観点からも、小規模かつ分散配置が可能なモジュール型データセンターは適しているとされる。
このように、AI時代のインフラ要件である「高密度」「短納期」「分散配置」に対応できる点が、モジュール型データセンターの需要拡大を後押ししている。
東急グループの強み、沿線インフラを活用した展開へ
4社は東急線沿線に既に敷設されている大容量光ファイバーネットワークを直接活用できるという利点を生かし、今後は、渋谷を含めた東急線沿線へのデータセンター設置も視野に入れているという。

