
3月初旬の米国とイランの軍事衝突で、片山さつき財務相が試練に直面している。マネーのリスク回避の動きが強まり、原油価格高騰と円安・株安・債券安のトリプル安に見舞われ、中東への資源依存度が高い日本経済へのダメージが意識され始めた。
また、高市早苗政権への支持率も高い水準ながら報道各社で数ポイント下落。2026年度予算の年度末成立にこぎつけても、金融市場の不安定化は物価高対策を帳消しにするリスクが付きまとう。片山氏の手腕が注目される局面だ。
片山氏は3月10日の衆院財務金融委員会で、中東情勢悪化を踏まえた国際協調に向けて必要に応じて主要7カ国(G7)財務相会合の開催を働きかける考えを強調。「国際的パートナーと協調するため、必要に応じて会合を開く。1回ではなくやり続ける」と語った。
これに先立つ日本時間9日にG7財務相はオンライン会合を開き、石油備蓄の協調放出などを協議。片山氏は「何かするとしたら財務相会合であろうということで、会合招集を日本からも強く働きかけた」とし、「すべての金融市場」を対象にイラン情勢が市場に与える影響を議論したことを明らかにした。
一方、10日の財務金融委では、2月の高市首相と日銀の植田和男総裁の会談内容に関しても議論。一部報道で、この時に高市首相が早期利上げに否定的な考えを伝えたとされるが、片山氏は「会談の内容については会談後、植田日銀総裁から一般的な意見交換としてお会いし、(首相から)政策についての要望は特になかったという説明があった」とし、「それ以上でも、それ以下でもない」と説明した。
ただ、日銀を巡っては、任期満了に伴う2人の審議委員の後任にいずれも利上げに慎重な「ハト派」が選ばれたことで日本の財政に対する懸念は強まったとの懸念がくすぶる。
高市首相が公約した飲食料品の消費税率2年間ゼロについても、片山氏は「2年間なら全く問題ない」と財源確保に自信を示しており、財務省にとって逆風続きの環境だが、「当面静観する」(主計局)と面従腹背を決め込んでいる様子。
とはいえ、自民党内では給付付き税額控除の制度設計に関し、”簡易版”で消費税の減税期間を短くするよう求める声も出ており、片山氏との駆け引きは今後激しくなりそうだ。