米Appleは、中国向けの同社Webサイト(apple.com.cn)において、「Appleの中国におけるサプライヤーが節水新記録を樹立した」ことを現地時間3月18日に報告。この中で、MacBook Neoの製造過程で節水を実現する、同社初の“大規模なクローズドループ陽極酸化プロセス”の一端に触れている。
Appleは自社のサプライヤークリーンウォーター・プロジェクトを通じて、2025年に550億リットルという“記録的”な量の淡水を節約できたとアピール。同社は2013年に同プロジェクトを開始して以来、サプライヤーと緊密に協力し、水資源管理の改善や、淡水の利用削減、事業運営における水の循環と再利用の拡大に努めてきており、サプライヤーに対して水資源管理やエコデザインの実践に関する研修も実施している。
同プロジェクトの一環として、AppleのサプライヤーであるFoxconn(富士康)は2026年初頭に、同社の龍華園区にエコ湿地ガーデンを開設。従業員が庭園の設計に参加し、雨水の収集・浄化・貯留を景観に取り入れ、園区の植生を養い、治水能力も強化したという。
中国各地では現在、200社以上のサプライヤー工場がAppleの同プロジェクトに参加しており、平均水循環利用率は43%以上を達成。Appleは2030年末までに、この比率を50%に引き上げることをめざしている。
Appleのこうした成果は、3月に発売されたばかりの「MacBook Neo」の製造にも活かされているという。具体的には、MacBook Neoの製造過程において水循環利用率を70%にする“クローズドループ陽極酸化処理”(アルマイト処理)を新たに開発した。
Appleは、MacBook Neoは「カーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)が最も低いMacBook」であることをアピールしており、その製造において同社は初めて大規模な陽極酸化プロセスを採用し、精巧かつ耐久性のあるボディを追求したとのこと。
アルマイト処理は、アルミニウム表面に保護酸化皮膜を形成し、腐食や損傷に対する耐性を高める目的で使われる電気化学的プロセスであり、さまざまな業界で広く用いられている技術だ。伝統的な工法では、アルミ材をさまざまな化学槽に浸してから、各工程の間に純水で十分にすすぎ、交差汚染(クロスコンタミネーション)を防ぐ必要がある。
MacBook Neoの製造工程において、Appleと中国のサプライヤーはこのプロセスを刷新。精密なセンシングや、逆流多段階洗浄(向流多段水洗)、そして多重フィルタリング・浄化技術といった“先進的な製造技術とエンジニアリング革新”を導入することで、70%という水循環利用率を実現している。
こうした発想が、水資源のクローズドループシステム構築や、水の継続的な回収・再循環につながり、淡水を“最も重要な需要にのみ使う”ことに寄与するとAppleは説明。同社は今後数年以内に、この新しい陽極酸化プロセスをより多くの生産ラインへ展開し、将来の節水プロセスを加速させるべく努力していく。
Appleの最高執行責任者(COO)であるSabih Khan氏は、「我々は中国のサプライヤーと手を携え、世界で最も貴重な資源である水を共に保護できることを大変光栄に思う。Appleはこれまで数百億リットルの水を節約し、陽極酸化に関する最新のイノベーションを活用。大量の水消費を伴う、100年の歴史を持つ伝統的な工業プロセスを変革した」と述べている。


