コニカミノルタと産業技術総合研究所(産総研)ナノカーボン材料研究部門の室賀駿主任研究員、木村大輔研究員、畠賢治研究部門長らの研究グループは3月13日、混合樹脂の混練および成形の条件をAIで最適化する技術を確立したと発表した。両者のコア技術を融合・発展させた技術となり、少ないデータで予測可能なAIモデルを構築し、樹脂成形品の品質の安定化が期待できるという。

研究の背景

近年、資源循環の観点からバイオマス由来樹脂やリサイクル樹脂の活用に期待が寄せられている一方で、これらの樹脂は石油由来の樹脂と比べて、原料に起因する品質のバラつきや、混練時の成分分解や成形不良の発生などから、混練や成形条件の調整に多くの労力が必要となるといった課題があるという。

こうした課題解決にGX(グリーントランスフォーメーション)の観点で貢献するため、両者ではAIを用いて複合樹脂の混練・成形の条件を予測する研究を進めてきた。

コニカミノルタが開発してきたセンシング技術を活用した計測ソリューションと、産総研のマルチモーダルAIや自律自動実験の技術をもとに、両者のコア技術を融合させ、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)やプロセス・インフォマティクス(PI)に活用することで、複合樹脂に適したAI技術の開発を目指した。

研究の成果

今回の研究により、両者は樹脂種や添加剤の配合比率、混練・成形時の状態を計測し、独自のデータ処理を行うことで、希望する物性を有した樹脂成形品を製造するために最適な混練・成形条件を予測するマルチモーダルAIモデルを構築。

両者の基礎データと複数の計測データから、目的の物性を予測するマルチモーダルAIの研究にもとづく開発効率化の知見を統合し、少ないデータでも予測可能なAIモデルを構築して品質の安定化につなげることができたという。

今回の研究では、複合樹脂を対象にマルチモーダルAIを活用したことで、市場に普及するさまざまな材料に対し幅広い適用が期待できるとのこと。また、コニカミノルタはセンシング技術を活用した計測ソリューションや、中長期での重点テーマ「成長の芽」であるインテリジェント再生材やバイオものづくりのプロセスモニタリングへの応用を目指している。