東陽テクニカは2月27日、高感度イメージングカメラを製造・販売する英・Raptor Photonicsと販売代理店契約を締結し、量子センシングの研究・装置開発に利用可能な高感度イメージングカメラの販売を開始することを発表した。

  • 高感度イメージングカメラ(EMCCD)

    Raptorの高感度イメージングカメラ(EMCCD)(出所:東陽テクニカ)

量子センシングは、量子力学の性質を利用して磁場・重力・時間・電場・温度・圧力などの微小な物理量を高精度で計測する技術で、その精度の高さから、EVバッテリーや生体計測、半導体分野、防衛領域など、幅広い分野での活用が広がっており、量子コンピュータの性能向上にもつながると期待が集まっている。

そうした量子センシングに用いられる代表的な量子センサの「ダイヤモンド量子センサ」は、ダイヤモンド中の窒素と空孔の間の欠陥(ダイヤモンドNVセンター)を活用するとのこと。この欠陥にマイクロ波やレーザーを照射したときに生じる微弱磁気信号の変化を光として読み取るために、高感度イメージングカメラが不可欠だという。

この領域に強みを持つRaptorが製造するイメージングカメラは、超高感度かつ低ノイズという特徴を備え、微小な光の変化を正確に検出できる上、X線から紫外線、さらには近赤外線領域までの幅広い光にも対応可能。また同社の製品ラインナップとして、撮像方式の異なる「CCD(電荷結合素子)」「EMCCD(電子増倍型CCD)」「CMOS(相補型金属酸化膜半導体)」「SWIR(短波長赤外)」カメラが展開されており、いずれも小型で用途に応じた細かなカスタマイズが必要だとする。

  • 高感度イメージングカメラ(CMOS)

    Raptorの高感度イメージングカメラ(CMOS)(出所:東陽テクニカ)

  • 高感度イメージングカメラ(SWIR)

    Raptorの高感度イメージングカメラ(SWIR)(出所:東陽テクニカ)

今般東陽テクニカは、こうした特徴を有する製品を量子センシングビジネスの第一弾として販売するため、販売代理店契約を締結。まずは量子センシング用途向けにOEM展開し、顧客の装置仕様に合わせた設計最適化や実装支援を通じて、装置性能の向上を支えていくという。

また同社は、Raptor製品の取り扱いを通じた量子センシング分野への進出を契機として、量子ソリューションビジネスを拡充することで、国内量子技術の発展をさらに幅広く支援するとともに、同社製品の高感度性能と広帯域対応力を活かし、防衛産業や半導体産業向けの事業領域拡大を目指すとする。そして今後も世界のパートナーと連携し、量子コンピュータや量子センシングのユースケース創出や、新たなビジネスモデルの開発、および人財育成を推進し、量子技術の社会実装を推進するとしている。