TKCは2月26日、同社における全エンジニアがAIを活用することを開発の前提とする体制への転換を目指し、「GitHub Copilot」の全社定着プロジェクトを開始したと発表した。これまで一部の先行部門において活用してきたGitHub Copilotを全社へ展開し、AIを補助的に利用する段階から、AIと共創する開発スタイルへと進化させていく。
GitHub Copilot、全社定着プロジェクトの概要
同社におけるGitHub Copilotの先行導入部門では、コード生成やレビュー支援、設計補助などにおいて生産性向上の成果が確認された一方で、活用が一部の組織や個人にとどまる限りは、開発プロセス全体の変革には至らないという課題も明らかなったという。AI活用の効果を最大化するためには、全エンジニアが同じ前提に立ち、平等にAI(GitHub Copilot)を利用できる環境整備が不可欠とのこと。
そこで同社は単なるライセンス拡大にとどまらず、全社定着を前提とした包括的な取り組みを開始。具体的には、マイクロソフトの協力により、全エンジニアを対象とした公式ワークショップ研修を実施してAI活用の基本操作に加え、プロンプト設計の考え方や実践的なユースケースを体系的に習得する機会を提供する。
さらに、社内に専任組織を設立し、FDE(Field Development Engineer)として各開発現場へ入り込み、伴走支援を行う。現場のプロジェクトに直接関与しつつ、具体的な活用方法の定着、ベストプラクティスの横展開、活用度の可視化までを進めていく。単発の研修ではなく、実務の中でAI活用が根付く状態を実現する方針だ。
GitHub Copilot導入に向けた3つの取り組み
GitHub Copilotの導入にあたり、同社では(1)技術研修グループの新設、(2)開発方針策定、(3)社員教育の三位一体で体制を整備。
(1)では研修で学んだ知識を現場で実践に移す橋渡し役として、技術研修グループを新設し、GitHub Copilotを全社に定着させるための旗振り役として活動する。
(2)はAIを場当たり的に使うのではなく、開発プロセスの中にAI活用を体系的に組み込むための方針を策定している。たとえば、開発言語・プロセスごとの適用領域の定義として、C#、Delphi、Rubyそれぞれの言語特性を考慮し、Copilotが効果を発揮する領域と、人間が判断すべき領域を明確に区分している。
また、「どのような場面でAIを活用するか」「AIの提案をどのように評価するか」「コードレビューにおけるAI生成コードの取り扱い」など、実務に即したAI活用のガイドラインを整備した。
(3)では同社におけるAI導入の最大の特徴は、ツールの導入と教育を一体のものとして設計している点にあるため、全開発エンジニアがAIを正しく使いこなせるように多層的な教育体系を構築。具体的には2026年1月からC#、Delphi、Ruby各言語別に、Copilotの基本操作、コーディング支援の活用法、セルフレビューの手法を実践的に習得する社内ハンズオン研修を実施している。
また、2026年2~3月の期間で初級者向けの取り組みとしてマイクロソフトとの連携により、同社のアーキテクトが講師を務める実践型ワークショップを全12回開催し、全開発エンジニアが受講する。
加えて、2026年4~11月の予定でプロジェクト伴走支援として技術研修グループのメンバーが各開発プロジェクトに直接参加し、実務の中でAI活用を定着させる支援を行う。そのほか、マイクロソフトとの定例会を設け、技術的な課題にも継続的なアドバイスを受けられる体制を整えている。