月面の全体に地球の影が落ちる「皆既月食」がひな祭りの来月3日に起こり、全国で特有の赤みを帯びた月が観察できる。全国で見られる皆既月食は昨年9月8日以来。今回は皆既が午後8~9時頃、欠け終わるのも10時半前だ。現時点で今年の天文ショーのハイライトとされ、さほど夜ふかしせずに済むだけに、好天ならぜひ見届けたい。
国立天文台の資料によると、同日の月は東の空で満月の状態から午後6時50分に欠け始め、南東の空で10時18分に満月に戻る。その間の8時4分~9時3分に皆既食となる。観察にあたっては場所の安全やマナー、寒さ対策に留意したい。各地の公開天文台や科学館などが観望会を計画している。
皆既月食では月が地球の影に完全に入り込むが、真っ黒で見えなくなるのではなく、赤銅色などと呼ばれる赤みを帯びる。夕日が赤いのと同様、太陽光のうち波長の長い赤い光が散乱しにくく、地球の大気を通過するためだ。またこの大気がレンズのようになって太陽光を屈折させるため、赤い光が皆既食中の月面を照らす。大気中の塵(ちり)の量などにより毎回異なる微妙な色合いが、皆既月食の見どころの一つとなる。
月食は太陽光が当たる地球の影の中を月が通過することで、地球から月が欠けて見える現象。太陽と地球、月が一直線に並ぶ満月の時に起きる。ただし地球から見た月の通り道(白道)が太陽の通り道(黄道)に対し少しずれているため、満月は地球の影からずれた所を通ることが多い。このため、満月の度に月食が起こるわけではない。
太陽が欠けて見える日食では、月が地球に落とす影の範囲が限られるため、観察できる地域は限られる。これに対し月食は月面に地球の影が落ちる現象なので、発生時間帯に月が見える場所ならどこでも見える。
国内で見られる次の部分月食は2028年7月7日、皆既月食は29年1月1日…今回のひな祭りに続き七夕、元日と、雅やかな日を飾り続けるようだ。後者は、年明け直後の午前0時7分に月が欠け始めるのだとか。
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