NTTは2月5日、2025年度第3四半期の決算について発表し、説明会を開いた。連結での営業収益は対前年3713億円(3.7%)増の10兆4210億円、営業利益は同579億円(4.1%)増の1兆4571億円、当期利益は同754億円(8.9%)増の9261億円と、対前年で増収増益を達成した。営業収益は第3四半期として過去最高を更新した。
EBITDA(Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加えた利益)は同1048億円(4.1%)増の2兆6573億円。
NTT 代表取締役社長の島田明氏は「営業収益は為替影響による550億円の減収があるが、グループ各社の法人ビジネス拡大に加え、データセンターのREIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)化に伴う増収などにより過去最高を更新した」と振り返った。
ドコモのモバイル顧客基盤拡大コストが営業利益に影響
2025年度第3四半期における営業収益と営業利益の増減要因を事業セグメント別に見ると、総合ICT事業ではモバイル通信サービスの減収に伴うコンシューマサービスの減収があったものの、NTTドコモのスマートライフ事業の成長や法人ビジネスの拡大により、結果的に対前年比924億円の増収となった。一方で、顧客基盤の強化やネットワーク品質向上に向けた投資から885億円の減益。
グローバル・ソリューション事業では、為替の影響により550憶円の減収影響があったが、国内外の事業成長やデータセンターのREIT化の影響により、対前年で2360億円の増収と同1482億円の増益を記録した。
地域通信事業ではレガシービジネスの収入減が見られたが、法人ビジネスや光サービスが成長したことから、同672億円の増収と同76億円の増益。光サービスの純増数は、10ギガプランやマンション向けの全戸プランがけん引し拡大しているという。
通期業績予想を下方修正 - ドコモのモバイル環境の競争激化などが影響
同社はドコモにおける将来の成長に向けた顧客基盤の強化や、NTTデータグループにおけるデータセンターのRIET化利益の実績などを反映し、通期での連結業績予想を下方修正した。
具体的には、営業収益を当初の予想(2025年5月9日公表)から14兆1640億円へ260億円減額した。同様に、営業利益は1100億円減の1兆6600億円、当期利益は750億円減の9650億円、EBITDAは1100億円減の3兆2800億円と予想。
子会社別にこれらの減額要因を見ると、営業収益はNTTデータグループにおける市場変化と為替影響やREIT化の実績が反映されている。営業利益については、NTTドコモの830億円とNTTデータグループの260億円減を織り込んだ。
NTTドコモはモバイル市場における競争の激化と長期化により、顧客基盤獲得とネットワーク品質の向上を目的に、当初想定を上回るコストを要しているとのことだ。
「ドコモは今後も厳しい競争環境が継続する見通しであるものの、顧客基盤強化やモバイルネットワーク品質改善などの成果創出に加え、金融を中心としたスマートライフ事業や法人事業の成長、組織や業務プロセスの抜本的な見直しを通じてコスト削減に取り組む」(島田氏)
光電融合デバイス量産化へ、月間最大3万台を生産可能
NTTは2026年度中に、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想における光電融合デバイスを用いたスイッチを、Broadcom(ブロードコム)やAccton(アクトン)などサプライチェーン各社との協業により商用提供開始する予定だ。
光電融合デバイスの量産化に向けては、NTTイノベーティブデバイスにおいて、自動化などによる生産数の増加と、需要に応じた生産ラインの増強に向けた準備を進めている。1ライン当たりの月間生産数は約5000台で、需要に応じて少なくとも3ラインへ増強する計画があるという。さらに昼夜での生産体制とすることで2倍の生産が可能となり、月間最大3万台まで生産可能となる
また、同社はデジタルとフィジカルを連動させたAIの社会実装にも注力する。同社が開発しているLLM「tsuzumi」シリーズの開発に加え、主要なLLMにも対応したAI導入支援を手掛けた結果、第3四半期までのAIビジネス受注額はグループ全体で1478億円に上る。これは、年間の目標値としている1500憶円を上回るペースだという。
同社はモビリティ分野のトヨタ自動車や、フィジカルAI・ロボティクス分野のMujin、流通サプライチェーン領域のトライアルホールディングスなどと連携し、デジタル領域とフィジカル領域を連動させたAIの社会実装を進める。今後もこの方針は継続する予定だ。






