NECは1月29日、2025年度(26年3月期) 第3四半期決算を発表した。本稿では、NECの決算発表の内容をレポートする。
BluStellar事業が想定以上のペースで拡大
2025年度 第3四半期における9ヵ月累計の実績は、売上収益が前年度比4.3%増の2兆4223億円、調整後営業利益は558億円増の2060億円。Non-GAAP営業利益は、前年度比475億円増の2099億円となった。
同社は、この結果に対して「将来の収益構造改善のための費用を3Qに180億円計上するも、9ヵ月累計では年間業績予想に対し想定を上回る進捗」としている。
また、2025年度 第3四半期(9ヵ月累計)のポイントとしては、国内ITとANS(航空宇宙・防衛)が引き続き好調であること、テレコムサービスで将来の収益構造改善のための費用を3Qに計上していることなどある。
このような足元の業績進捗を考慮した上、通期業績予想のNon-GAAP営業利益は3200億円から3600億円に上方修正された。
セグメント別に見ると、国内のITサービスは、前期に続いてパブリックが増収を牽引(非継続事業を除くと+8%)。さらに、BluStellarによる収益性向上、子会社構造改革効果、売上増などにより大幅な増益となった。
第3四半期の累計の売上収益は、前年度比2.9%増の1兆4728億円、調整後営業利益は前年度比630億円増の1705億円となっている。
好調の要因を牽引しているBluStellarは、シナリオビジネスが順調に拡大。データドリブン、モダナイゼーション領域が好調を維持しており、特に製造業、金融業を中心にシナリオ導入が進められているという。一方の海外のITサービスについては、Avaloqの収益性向上、前年度の一過性費用剥落により増益となっている。
社会インフラセグメントでは、テレコムサービスにおいて、前年度一過性利益の剥落、将来の収益構造改善のための費用計上により減益する結果となった。一方のAerospace and National Security(ANS)では、航空宇宙・防衛の好調に加え、海洋の前年度一過性費用剥落により増益となった。
テレコムサービスにおいては、ビジネスユニットを解消して再編することが発表されたほか、基地局既存事業の終息を決定した。
「ネットワークインフラ事業」と「IT系事業」に組織を再編することにより、シナジーの最大化を目指していくという。
通期業績予想を600億円増の3兆4200億円に修正
2025年度 業績予想においては、業績進捗を考慮して業績予想が引き上げられた。
調整後営業利益は従来予想の3300億円から100億円増額の3400億円に上方修正。Non-GAAP営業利益も従来予想から200億円増額の3600億円が新たな予想として発表された。
セグメント別に2025年度 業績予想を見ても、ITサービスの売上収益は700億円増額の2兆4700億円、調整後営業利益は100億円増額の3310億円と大幅な上方修正が行われたほか、社会インフラセグメントにおいても売上収益の予想を700億円増額の9550億円に変更するなど、上方修正となった。
最後に、BluStellarに関するトピックスの紹介が行われた。
高まるサイバー脅威に対し、セキュリティ事業を強化するという文脈では、社会インフラを支える重要インフラ事業者のセキュリティ対応を行う「経済安全保障(ACD法案)対応」と、ランサムウェア対策としてコンサルから具体的な対策・運用まで対応する「サプライチェーン含む事業継続」に取り組む。
さらに、AIエージェント実装による高度化の文脈では、個人や組織がもつ暗黙知をデータ化しWeb上の業務タスクの効率化を実現する「cotomi Act」、最良の取引条件を生成し自律的に交渉する「調達交渉AI Agent」、営業提案書とディスカッションシートを自動生成する「顧客提案AI Agent」を提供する。「顧客提案AI Agent」以外はすでに提供が開始されており、「顧客提案AI Agent」は2026年3月から提供開始予定だ。




