Neowinは1月23日(米国時間)、「Here is why Microsoft rolls out monthly Windows patches on Tuesday only - Neowin」において、Microsoftが「米国太平洋標準時間の毎月第2火曜日(日本時間では翌日の水曜日)」にセキュリティ更新プログラムを配布するに至った背景を解説した。

以前は、散発的に配布されていた

Microsoftが毎月配布するセキュリティ更新プログラムは、「月例更新プログラム」や「Patch Tuesday」などの名称でも呼ばれる。同社の幅広い製品に含まれる脆弱性、不具合の修正に加え、新機能および機能の改善を一括して配布する仕組みとして定着している。

毎月火曜日に配布するコンセプトは2003年に考案、実施されたもので、それ以前は散発的に配布が行われていた。企業は重要な更新プログラムの配布時期を把握できず、その準備を事前に行うことができなかった。

そのため速やかなパッチの適用は難しく、大きな課題とされてきた。この問題を解決する目的で「予測可能なスケジュール配布」が考案され、毎週の配布などを検討した末に毎月の配布に至ったとされる。

この歴史的背景については、次の公式資料にて詳細を確認することができる。

火曜日を選択した理由

毎月1回の配布が決定された背景は前述のとおり。ではなぜ火曜日が選択されたのか。この点についてはNeowinが次のように説明している。

「月曜日にアップデートを公開しない戦略的判断の背景には、IT管理者や職場が前週(場合によっては土日を含む)の問題を調査する余地を与えるためです」

週明け直後に更新が届くと、担当者は週末の対応に追われた直後に新たな作業を抱えることになる。担当者の負担が大きいことから配信日は火曜とし、火曜から週末にかけて展開計画の立案、影響評価、実際の展開を余裕を持って進められるようにしたという。

より優れた更新プログラムの提供を目指し、AIを活用する

NeowinはMicrosoftがこの取り組みを進めるために、約10年前からAI支援技術を活用していると指摘。その証拠として、Microsoftの副社長を務めるJohn Cable氏の次の発言を取り上げている(参考:「AI powers Windows 10 April 2018 Update rollout | Windows Experience Blog」)。

「私たちは継続的に更新体験のデータを収集し、どのデバイスで良好な更新体験を得られるか、どこで優れた体験を確信するかを把握するため、モデルを再学習しています。私たちの全体的な展開目標は安全かつ信頼性の高いアップデートであり、安全を確保できる速さで進めます」

Microsoftは今後も更新品質の向上を目指し、データ分析やAI技術を活用した運用を続ける姿勢を示している。毎月火曜日の配布は単なる日程ではなく、企業の作業負荷を抑えつつ、更新の安全性を確保する仕組みとして提供されてきた。

残念ながら2026年1月のセキュリティ更新プログラムからは多数の不具合が発見されているが、安定したアップデートを届けるために、この運用方針を維持する見通しだ。