名大が次期スパコンの導入を決定

名古屋大学(名大)は、同大情報基盤センターが現在運用しているスーパーコンピュータ(スパコン)「不老」の後継となる次期スパコンシステム「不老・弐」(読み:ふろう・に)を2026年10月1日より導入する予定であることを発表した。

同センターは、全国の研究者に対して大学の枠を越えて研究設備などが共同利用できる全国共同利用・共同研究拠点として、学術利用のための計算機資源を全国のユーザーに提供してきたほか、平成23年度より、民間企業の研究課題に対して計算資源の提供を行ってきたが、近年のAI技術の発展と、その活用領域の拡大に伴い、AI研究のための計算基盤の重要性が高まりを見せるようになってきている。

同大以外の大学や理化学研究所などの研究機関もAI活用のためのスパコンに注目する動きを見せていることもあり、同大でもGPUを活用したAI研究が主流となる世界的な潮流を踏まえ、AI for Scienceを中心としたデータ駆動型研究の推進を目的に、不老・弐の導入を決定したとする。

1EFlops超えのAI演算性能を提供

システム構成としては、CPU「AMD EPYC 9965」を2基搭載するノード(製品名:Supermicro AS-2126FT-HE-LCC)を256台(CPUノード群)組み合わせた「TypeIサブシステム」(7PFlops。ノードあたりの演算性能は不老の8倍となる27.6TFlops、メモリ量は24倍の768GiBU)と、NVIDIAの「GB200NVL4」を搭載したノード(製品名:Supermicro PIO-121GL-NB2B-NA-FL02T)を54台(GPUノード群)組み合わせた「TypeIIサブシステム」で構成され、TypeIIは、現行の不老のTypeIIサブシステムと比較して1ノードあたりのAI演算性能がおよそ39倍となる19.4PFlops(54ノードで1047.6PFlops=1.0476EFlops)、GPUメモリ量もおよそ5倍となる693GiBとするほか、CPU-GPU間の密接続によるAI処理性能の向上が期待できるとしている。TypeIIサブシステムは、主にAI分野でも大規模言語モデルや医用画像などの研究に加え、近年注目されているAI for HPC研究などの推進のほか、NVIDIA cuQuantumの導入によるGPUを用いた量子回路シミュレーションの支援も可能とする。

さらに物理容量48.4PBの大容量ストレージ(製品名:DDN EXAScaler)を備えることで、AIの学習や推論における超大規模データ処理を可能としたとするほか、ストレージ上の一部データを外部公開可能とするNextCloud機能も導入しており、学外ユーザー対する安全なデータ公開・受け渡しも可能としたとしている。

なお、同大によると、不老・弐はHPC・AI研究を推進する「1Exa AI Flops」級スパコンという位置づけであり、東海地区では最大規模となる見込みだという。