モスバーガーを展開するモスフードサービスとNew Innovationsは1月21日、埼玉県の「モスバーガー 吉川美南店」にて「AIドライブスルー」の実証実験を開始したことを発表した。

両社は同日に実証実験が実施されるモスバーガー 吉川美南店にて、「AIドライブスルー 実証実験に関する記者説明会・体験会」を開催。本稿では、説明会の一部始終と、デモンストレーションの様子を紹介する。

説明会には、モスフードサービス ストアイノベーション室 室長の濱崎真一郎氏、New Innovations 代表取締役 Co-CEOの山田奨氏が登壇した。

  • 「AIドライブスルー」の実証実験が実施されるモスバーガー 吉川美南店

    「AIドライブスルー」の実証実験が実施されるモスバーガー 吉川美南店

モスフードサービス×New InnovationsのAI活用

モスフードサービスとNew Innovationsは、2025年12月に「次世代型店舗開発に向けたAI活用に関するパートナーシップ」を締結した。

同提携は、AIを活用することで、外食業界における人手不足の解消を目指すとともに、既存の店舗オペレーションや顧客体験の進化を図る取り組みを進めることを目的として締結された。今回実施された「AIドライブスルー」の実証実験は、同提携の具体的な施策の第一弾として行われた。

  • 「AIドライブスルー」のイメージ

    「AIドライブスルー」のイメージ

実際に体験してみると、通常のドライブスルーと同様に、マイクに向かって話し掛けるだけで、AIが注文の応対を行ってくれる。

まだ精度が低い部分もあるが、対人コミュニケーションと同様に「ここが違います」と伝えると、きちんと訂正してくれるため、通常の注文と違わない手順で注文が可能だった。

  • 実際に「AIドライブスルー」を利用する様子

    実際に「AIドライブスルー」を利用する様子

AIと店舗スタッフが支え合う「ハイブリッド応対」を採用

現在、ファストフード業界のドライブスルーにおいては、AI音声注文は欧米を中心に導入例があるものの、認識精度の低さが課題と指摘されている。

今回の実証実験では、この課題に対応するべく、AIに全ての工程を任せるのではなく、AIが受注を担い店舗スタッフがそれをサポートする「ハイブリッド応対」を採用しているのが特徴だ。

実証実験のシステムとしては、New Innovationsが開発した実店舗におけるオーダー業務を音声による自然なコミュニケーションで行う音声対話AIシステム「AI Order Thru(エーアイ オーダー スルー)」を活用している。

  • 実証実験の概要を説明する山田氏

    実証実験の概要を説明する山田氏

「AI Order Thru」はAIを単なる人の代替ではなく「ブランド体験を拡張する存在」として捉えたサービスで、ブランドごとのガイドラインに沿った対話設計と標準オペレーションを踏まえた運用設計を前提に開発されているという。

モスバーガーでは、「AI Order Thru」ならではのカスタマイズ設計力を生かして「ハイブリッド応対」の精度を高め、モスバーガーが大切にする「ホスピタリティの進化」と、将来的な「店舗オペレーションの高度化」の両立を目指していきたい構え。

今後の展望

今後の展望について、濱崎氏は「今回のモスバーガー 吉川美南店での実証実験を皮切りに、2026年度中に合計5カ所程度で実証実験を行い、その中の複数店舗での常設を目指していく」と説明した。

  • 今後の展望を語る濱崎氏

    今後の展望を語る濱崎氏

さらに将来的には、「500キロカロリー以下のセットメニューを紹介して」といった要望などに対し、AIならではのスピード感でメニュー提案を行うことや、キャンペーン期間中にアニメの人気キャラクターなどが応答するといったAIドライブスルーならではの展開を視野に入れ、検証を進めていきたい考えだ。

  • 両社のロゴ

    両社のロゴ