2026年に1兆ドルの大台を超える可能性が出てきた半導体産業

市場調査会社である英Omdiaは1月15日、2025年の半導体市場をAI向けロジックおよびメモリの急激な売り上げの伸びに支えられる形で前年比20.3%増と大きく成長すること、ならびに2026年もAI分野がけん引役となる形で同30.7%増となり、1兆ドルを初めて突破するとの予測を示した。

AIを中心に動く2026年の半導体業界

それによると、2026年の成長率と市場規模をアプリケーションセグメント別で見ると、コンピューティング&データストレージ分野がデータセンターを中心とするニーズの持続とメモリ価格の上昇を背景に、同41.4%増の5000億ドル超の規模となりけん引役となると予想している。根拠の1つとして同社では、上位4社のハイパースケーラーが合計で約5000億ドルの設備投資を行うことが予想されており、その投資の内訳もAIインフラ、モデル開発、新規アプリケーション開発などと多岐にわたり、大きな影響を及ぼすことが予想されることを挙げている。

  • 2026年の半導体市場予測

    2026年の半導体市場全体ならびにメモリ、ロジック、そしてアプリケーションセグメント市場の規模と成長率予測 (出所:Omdia)

またワイヤレスならびにコンシューマ分野も前年比で10%以上の成長率が期待されるともしている。背景にはメモリ価格の高騰に加え、次世代スマートフォン(スマホ)需要のほか、コンシューマ市場の回復などが挙げられ、ウェアラブルデバイス、スマートスピーカー、VRヘッドセットなどの伸びが期待されるとしている。

AI関連を除いた場合の成長率は1桁台に低下

なお、Omdiaでは2026年の半導体産業の成長は、従来のコンシューマや企業のIT投資といった流れとは異なり、AI関連の需要に集中しているとしており、仮にメモリとロジックの成長がない場合、2026年の半導体市場の成長率は同8%増に留まるとの見通しを示している。また、半導体産業の成長を鈍化させる可能性のあるマクロ経済リスクとして、中国とEUのインフレは抑制傾向にあるものの、米国では依然として懸念材料となっていること、ならびに人件費やエネルギーコストの高騰、国策に伴うサプライチェーンの混乱、AI関連投資の巨大化による価格変動や半導体不足などが挙げられるとしている。