ダークパターン対策協会はこのほど、第1回ホットライン報告レポートを公開した。同レポートは、「消費者の生の声」を収集して被害と構造を明らかにし、消費者に対し最新の手口等に関する注意を喚起するとともに、事業者に対し何が消費者に嫌われるのかを公表することで、「消費者被害の削減」と「より良い消費者と事業者の信頼関係構築」に寄与することを目的としている。
近年、デジタル市場の拡大に伴い、消費者にとって不利な選択を誘導する仕組みである「ダークパターン」が増加している。オンラインサービスの利用時に、トラブルや不満の声が多く聞かれるようになったが、その被害実態を継続的に収集・分析したデータは存在しなかった。そこで、同協会はダークパターン対策を推進するにあたり、「消費者の生の声」を収集・分析する機能として、ダークパターン・ホットラインを開設した。
調査の結果、ダークパターン被害は、申込み・解約といった日常的な手続きの中で少額ながら発生し、その金銭以上に心理的ストレスや時間的損失を もたらしていることが明らかになった。以下、同レポートのポイントを紹介する。
ダークパターン類型:類型別の出現件数
回答者が被害に遭ったダークパターンの類型は、「隠された情報」「解約オプションの非表示・秘匿」「誤解を招く価格表示」といった、ユーザーの判断材料を意図的に見えにくくする類型が中心となっていた。
一方で、1件あたりに複数の類型が重なる事例も多く、単純なUI上の問題にとどまらない複合的な設計が確認されたという。
ダークパターンに遭遇した場面
全回答(77件)を利用場面別に分類した結果、「サービス解約時」が28件(約36%)と最多で、「ECサイトでの商品購入時」18件(約23%)、「サブスクお申込み時」13件(約17%)が続いた。申込・購入フェーズと解約フェーズに苦情が集中している構造がわかる。
一方、「商品購入を伴わないサービス利用時(予約等)」は6件、「アプリ決済時」「ポイント利用・付与時」はそれぞれ2件にとどまり、「その他」が8件となっている。ECやサブスク以外でも、解約ルートの分かりづらさや自動更新、キャンセル条件の不透明さ等、ダークパターン的な設計の広がりが見て取れる結果となった。
被害金額統計:継続型(サブスクリプション型)被害
同調査で金銭被害が発生した継続型サービスの通報件数は16件だった。平均被害金額は約1.4万円である一方、中央値は約2,400円と、一部の高額・長期事例が平均値を押し上げている構造がうかがえる。
多くの事例は数千円~1万円未満のレンジに分布しており、「気づかないまま継続課金が積み上がることによる累積被害」が、サブスクリプション型サービス特有の課題となっているという。
被害金額統計:単発型被害
単発型の金銭被害は6件とサンプル数自体は限定的だが、平均被害金額は約5,900円、中央値は約2,900円となっている。多くは数千円規模の損失である一方、最大では1万8,000円といった水準のケースも確認されている。
金額分布は1,000円~5,000円未満のレンジに集中しており、隠された情報や誤認を誘うUI等に起因する通報が目立つ結果となっている。
被害の種類
同調査では金銭的な被害の有無にかかわらず、「不信感」「後悔」「手間の多さ」に関する記述が目立ち、ユーザーは金額そのものよりも、解約・問い合わせに至るまでのストレスを強く問題視していたという。
その結果、「今後の利用を控えたい」「信頼できない」といった、サービスから距離を置こうとする反応も一部で確認されたとのこと。




