エレファンテックは12月22日、銅微粒子ペーストにまったく新しい発想で分散性を付与する「自己組織化銅ナノ粒子(SA-CuNP)技術」を開発したことを発表した。
“銅を銅で分散させる”新たな手法とは
近年ではパワー半導体分野を中心に金属焼結材への期待が急速に高まっており、中でも現在広く用いられている銀(Ag)焼結材に代替する低コストかつ高信頼性の銅(Cu)ペーストへのニーズが急拡大している。しかし従来のCuペーストを使用する際には、有機分散剤によって微粒子を安定化させる必要があり、このプロセスによる金属含有量の低下や焼結阻害、導電率低下などが実用上の課題とされていた。
これらの課題に対して従来では、メカノケミカル反応などを用いて金属粒子表面に別の金属粒子を接合する手法などが用いられてきたという。しかし今般エレファンテックは、有機剤に頼らず“銅で銅を分散させる”新たな分散技術を開発。同技術では、単に銅微粒子に指定の同ナノ粒子を混合し撹拌するだけで、銅ナノ粒子が微粒子表面に自己組織化して粒子層を形成するとした。またこのナノ粒子については、特定の含有比率濃度を超えると急激に自己組織化が誘起される挙動を示すとのこと。エレファンテックではこのしきい値を「臨界自己組織化濃度(CSAC)」と定義し、CSACを超えると分散安定性が飛躍的に向上することを確認したとしている。
エレファンテックは、今回開発されたSA-CuNP技術により、従来よりもはるかに低分子量・低添加量の有機分散剤でのペースト設計が可能となり、焼結挙動や粘度設計などの寺領設計自由度が大きく向上するとしており、特に有機量を最小限に抑えられるため、金属含有量の向上や焼結性・導電性・熱伝導性の改善、硬化時のガス発生・残渣の低減などへの貢献が期待されるという。
またこの技術を活用した事業としては、主に銅ペーストメーカーや材料メーカーに向け、新規銅ナノフィラーとしての供給やSA-CuNPを用いた分散設計技術のライセンス提供、あるいは共同開発型でのペースト最適化など、幅広い形での事業展開を検討しているとのこと。ターゲットとする領域については、パワー半導体における接合材・放熱剤や、受動素子の電極材、太陽電池などの配線が想定されるという。なおすでにSA-CuNPの製造プロセスは安定化しているともしており、量産規模での供給体制についても順次強化を進めるとした。
また同技術は銅ナノ粒子に留まらず、“任意の無機微粒子表面に自己組織化する”汎用ナノ粒子分散技術としての発展が期待されるとするエレファンテックは、実際にSA-CuNPがビスマス粒子・アルミナ粒子表面にも同様の自己組織化挙動を示すことを確認しているといい、樹脂複合材料の分散制御や高フィラー充填材料の流動性改善など、将来的に多方面への応用が見込まれるとしている。





